【お花の歴史「『万葉集』と花」】奈良時代に作られた日本最古の恋する歌集『万葉集』に詠まれた植物の種類

 1年を通してどの種類かがさいている花




  1. 『万葉集』が詠まれた時代背景
  2. 『万葉集』の歌の中にある植物
    1. あおい 葵 「あふひ」
    2. あかめがしわ 赤芽柏 「ひさぎ(久木)」
    3. あさがお 朝顔 「あさがほ」
    4. あさざ 「あざさ」
    5. あし よし 葦
    6. あじさい 紫陽花 「あぢさゐ」
      1. 大伴家持の歌(巻4ー772)
    7. あせび 馬酔木 「あしび」
    8. あまどころ 甘野老 「にこぐさ」
    9. あやめ 文目
    10. いちょう 銀杏 「ちち」
    11. うつぎ 空木 「うのはな」
    12. うまら
    13. うめ 梅 「むめ」
    14. うらじろ 裏白 「しだくさ」
    15. うわみずざくら 上溝桜「かには(桜皮)」
    16. えごのき「ちさ」
    17. おきなぐさ 翁草 「ねつこぐさ」
    18. おばな 尾花 「をばな」
    19. おみなえし 女郎花 「をみなえし」
    20. かえで 楓 「かへるで」
    21. かきつばた 杜若 燕子花 「かきつばた」
    22. かくれみの 隠蓑 「みつながしは(御網葉)」
    23. かたくり 片栗 「かたかご(堅香子)」
    24. かつら 桂 「かつら」
    25. からたち 「からたち」
    26. かんぞう 萱草・のかんぞう 野萱草・やぶかんぞう 藪萱草 「わすれぐさ」
    27. ききょう 桔梗 「あさがほ」
    28. きんもくせい 金木犀 「つきひとのかつら(月人の楓)」
    29. くず 葛 「くず」
    30. くまざさ 隈笹 「ささ(笹)」
    31. くり 栗 「くり(栗)」
    32. くわ 桑 「くは」
    33. けいとう 鶏頭 鶏冠花 「からあゐ」
    34. こうぞ 楮 「たく」
    35. こうやぼうき 高野箒 「たまばはき(玉箒)」
    36. こうやまき 高野槇 「まき(真木)」
    37. こけ 苔 「こけ」
    38. こなら 小楢 「こなら」
    39. このてがしわ 児手柏 「このてかしは」
    40. さくら 桜 「さくら」
    41. ザクロ 柘榴 石榴 「はねず」
    42. ささゆり 笹百合 「さきくさ・さゆり」
    43. さねかずら 実葛 「さねかづら」
    44. さわひよどり 沢鵯 「さはあららぎ」
    45. しきみ 樒 「しきみ」
    46. しだれやなぎ 枝垂れ柳 「やなぎ(青柳)」
    47. じゃのひげ 蛇の髭 「やますが・やますげ(山菅)」
    48. しょうぶ 菖蒲 「あやめぐさ」
    49. しらん 紫蘭 「らん・けい」
    50. すぎ 杉 「すぎ」
    51. すすき 薄 芒 「すすき・をばな・かや」
    52. すみれ 「すみれ」
    53. すもも 李
      1. 大伴家持の歌
    54. せんだん 栴檀 棟「おうち・あふち(棟)」
    55. だいだい 橙 「あべたちばな(阿倍橘)」
    56. たけ 竹 「たけ(竹)」
    57. たちばな 橘
    58. つつじ 躑躅 「つつじ」
    59. つばき 椿 「つばき」
    60. つばな
    61. つゆくさ 露草 「つきくさ(月草)」
    62. テイカカズラ 定家蔓 「つた」
    63. なぎ
    64. なし 梨 「なし」
    65. なつつばき 夏椿 「さうじゅ・さうりん」
    66. なつふじ 夏藤 「ときじきふぢ(時じき藤)」
    67. なつめ 棗 夏芽「なつめ」
    68. なでしこ 撫子 「なでしこ」
    69. なんばんぎせる 南蛮煙管 「おもひぐさ(思ひ草)」
    70. にほんかえで
    71. にら 韮 「みら」
    72. にわとこ 接骨木 「やまたづ(山たづ)」
    73. ねむのき 「ねぶ」
    74. のきしのぶ 軒忍 「しだくさ(子太草)」
    75. のはなしょうぶ 野花菖蒲 「はなかつみ」
    76. のびる 野蒜 「ひる」
    77. ばいかも 梅花藻 「も」
    78. はぎ 萩 「はぎ」
    79. はす 蓮 「はちす(蜂巣)」
    80. はなかがみ
    81. はまゆう 「はまゆふ」
    82. ひおうぎ 檜扇 「ぬばたま(黒玉、奴婆玉)」
    83. ひがんばな 彼岸花 「いちし」
    84. ひとりしずか 一人静 「つぎね」
    85. ひめゆり 姫ゆり
    86. ひるがお 昼顔 「かほばな」
    87. ふじ 藤 「ふぢ」
    88. ふじなみ
    89. ふじばかま 藤袴 「ふぢばかま」
    90. ふたりしずか 二人静 「つぎね」
    91. ふゆあおい 冬葵 「あふひ」
    92. ふよう 芙蓉 「はねず」
    93. べにばな 紅花 「くれなゐ」
    94. まくわうり 甜瓜 真桑瓜 「うり」
    95. まつ 松 「まつ」
    96. まゆみ 真弓 「まゆみ」
    97. みつまた 三椏 三叉 「さきくさ(三枝)」
    98. みやこざさ 都笹 「ささ(笹)」
    99. むくげ 木槿 「あさがほ」
    100. むらさき 「むらさき」
    101. めだけ 女竹 「しの(篠)」
    102. もみじ 紅葉 「もみぢ」
    103. もも 桃(花桃) 「もも」
    104. やだけ 矢竹 「しの」
    105. やどりぎ 宿木 「ほよ」
    106. やなぎ 柳
    107. やぶこうじ 藪柑子 「やまたちばな(山橘)」
    108. やぶらん 藪蘭 「やますげ・やますが(山菅)」
    109. やまあい 山藍 「やまあゐ」
    110. やまちさ
    111. やまぶき 山吹 「やまぶき」
    112. やまぼうし 山法師 山帽子 「つみ」
    113. ゆり 百合 「ゆり」
    114. よもぎ 蓬 「よもぎ」
    115. わた 綿 「わた」
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『万葉集』が詠まれた時代背景

『万葉集』に収められた歌が詠まれたのは、飛鳥時代(592年頃~710年)の中頃から、奈良時代(710年~794年)の中頃。それらが編纂されたのが、正式な年は定かではありませんが、天平宝字3年(759年)頃とも言われています。

時代背景として重要な役割を果たしているのが「遣唐使」です。「遣唐使」が唐に派遣されたのが、630年から838年。約200年もの長きにわたり、十数回派遣されました。その際に持ち帰ったものの中に植物もあり、それらが栽培され、歌にも詠まれ、現在まで受け継がれている植物もあります。

元々、日本に自生していた植物や遣唐使が持ち帰り伝わった植物などを含め、『万葉集』に出てくる植物をのほんの一部ですが、紹介をしていきます。

『万葉集』の歌の中にある植物

全20巻、約4500首ある『万葉集』の歌の中には、約166種の植物が詠まれています。また、「巻八」には「四季の歌」もまとめられています。その全部ではありませんが、その植物をあいうえお順に並べてあります。名前は「現在呼ばれている名前」、「『万葉集』で詠まれている名前」をそれぞれ記載しました。描かれている季節に関しては、この頃は旧暦となり今とのずれも多少あるかと思われます。植物の詳細についてはリンクしてご覧ください。

今から1200年以上前の奈良時代にあった植物から、その頃の恋模様が想像できたり、それぞれのお花の歴史が探求できると、お花を扱うのもより深く楽しいものになることでしょう。『万葉集』は枕詞など、比喩表現が多く使われていますので、その花と恋模様の繋がりも知ると面白いかもしれません。それらのお役に立てることができれば幸いです。

あおい 葵 「あふひ」

『万葉集』でいう「葵(あふひ)」は、ウマノスズクサ科カンアオイ属(フタバアオイ属)の春に咲く「双葉葵(ふたばあおい)」と、同じくウマノスズクサ科カンアオイ属の冬に咲く「寒葵(かんあおい)」を指すことが多くなります。また、現在では「寒葵」とは違う植物で「冬葵(ふゆあおい)」があり、『万葉集』が描かれていた頃は、「寒葵=冬葵」として「冬葵(ふゆあおい)」も「あふひ」と呼ばれていたようです。

「フタバアオイ」についてはこちら ↓↓↓

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あかめがしわ 赤芽柏 「ひさぎ(久木)」

春。トウダイグサ科。葉の新芽は赤く、日が経つにつれ緑色になっていきます。この葉は、食物を盛る葉にも使われます。

あさがお 朝顔 「あさがほ」

現在の名前でいう「朝顔」が日本に渡来した奈良時代末期までは、「桔梗」のことを「朝顔」と呼んでいました。『万葉集』に出てくる「朝顔」の季節が「秋」なのは、現在でいう「桔梗」のことをいっているからです。

奈良時代に「あさがほ」と呼ばれていた「桔梗」についてはこちら ↓↓↓

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あさざ 「あざさ」

夏。リンドウ科・ミツガシワ科。池沼に生える多年生の水草。葉は睡蓮に似ています。別名「花ジュンサイ」「池の沢瀉(おもだか)」とも呼ばれます。

あし よし 葦

夏の緑の時季が終わり、秋から冬にかけて乾燥し「よし刈り」が行われつことから、『万葉集』では、秋の植物として描かれています。

「葦(あし、よし)」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事・花図鑑「葦(よし・あし)」】よしとあしの違いやよしから作られるすだれやよしずについて
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あじさい 紫陽花 「あぢさゐ」

「紫陽花」を詠んだ歌は2首あります。

雨が大好きな夏の花「紫陽花」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「紫陽花(あじさい)」①紫陽花まとめ】紫陽花ってどこが花?どういう種類があるの?
紫陽花の花のしくみとして、両性花、装飾花、不稔花、咲き方としてガク咲き一重八重、てまり咲き一重八重、装飾花の形として、剣弁、きざみ弁、丸弁、フリル形など、種類として、ガクアジサイ、山紫陽花、西洋アジサイなど、綺麗に咲くおすすめの場所などを紹介
【季節の花図鑑「紫陽花」②紫陽花の品種】幾重にも広がる装飾花のように増え続ける紫陽花の園芸品種の紹介
増え続ける紫陽花の園芸品種として、大島緑化、オトメゴコロ、霧島の恵、クロジク、シチダンカ、十二単、隅田の花火、ダンスパーティー、ベニガク、ミライなどを紹介しています。

大伴家持の歌(巻4ー772)

「言問はぬ 木すらあぢさゐ 諸弟らが 練りのむらとに 詐かれけり」

ものを言わない木でさえ、紫陽花の花のように色変わりするのだから、まして生身のあなたの心はすでに私から移り遠ざかっているのであろうという歌です。

あせび 馬酔木 「あしび」

あせび20240419箱根
2024年4月19日

春の3月から4月に釣鐘状の無数の花を咲かせる「あせび」です。ツツジ科。

あまどころ 甘野老 「にこぐさ」

春。ユリ科。名前の由来は、「野老(ところ)」というヤマイモ科のつる性植物の根が苦いのに対し、「あまどころ」の根が甘いことから、ついたとされます。見た目は「ナルコユリ」にとても似ています。

あやめ 文目

春の花として詠まれている「あやめ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「あやめ」】いずれアヤメかカキツバタ!アヤメ科のお花の中で最も日本らしい日本原産のお花
あやめの魅力について、漢字、英名、科属、名前の由来、自生場所、何年草か、草丈、葉、開花時期、花の色、花径、花びら、変種や園芸品種、栽培方法、花言葉などを紹介しています。

いちょう 銀杏 「ちち」

秋に実がなり、葉も綺麗な「銀杏(いちょう)」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「銀杏(いちょう・ぎんなん)」】銀杏の下処理、臭いの対処法、銀杏の美味しい食べ方を紹介
ぎんなんといちょうの違い、歴史、英名、原産、科属、名前の由来、季語、栄養価、出生とその姿として、樹高、雄の木と雌の木、下処理方法として収穫時期、悪臭の対処法、保存方法、賞味期限、手に入れる方法、食べ方、名所、産地などを紹介

うつぎ 空木 「うのはな」

「うのはな」とは、「空木(うつぎ)」のこと。4月から5月に開花する夏のお花です。『万葉集』には、24首に詠まれています。これらには、「うのはな(うつぎ)」と雪、月、波、白髪、ホトトギス、卯の花垣根などとの取り合わせが表現されています。

「空木」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「空木(うつぎ)」】アジサイ科ウツギ属の「うつぎ」だけでないうつぎと名のつく植物も紹介
うつぎの魅力として、別名、科属、分類、歴史、名前の由来、枝・幹、葉、開花時期、花の色、季語、花言葉、エピソード、うつぎのいけ方、通用物について、うつぎと名のつく植物の種類などを紹介。

うまら

「うまら」とは、野生のバラの一種です。現在の名前でいう「野茨(のいばら)」のことをいいます。

「バラ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「薔薇(バラ)」②バラの品種】バラの品種は無限?増え続けているバラの品種約50種を紹介
品種改良により増え続けているバラの品種を紹介。イエロークイーンエリザベス、うらら、かがやき、こころね、まよ、プリンセスアイコ、プリンセスミチコなど素敵な名前にも注目です。

うめ 梅 「むめ」

この頃は、呼び方が現在のような「うめ」ではなく「むめ」と呼ばれていました。

「梅の花」は、冬から春に119首詠まれており、その頃には「白梅」がもてはやされていました。

「梅の花」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「花梅」①梅の花まとめ】男性的で凛々しくもあり、可愛らしく誰からも愛される梅の花の魅力
梅について、梅の花の咲き方の形態、花の色、原産、科属、品種、歴史、名前の由来、幹のしわ、枝、葉、つぼみ、開花時期、花径、花びら、花の特徴、実、栽培方法、いけ方、季語、花言葉、エピソード、梅が綺麗に咲く場所などを紹介しています。

うらじろ 裏白 「しだくさ」

お正月に欠かせない「うらじろ」ですが、湿気の多い夏も緑が綺麗です。

「裏白」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「裏白(うらじろ)】ジメジメとしたところが大好きな地味だけど縁起が良い植物「うらじろ」
うらじろについて、別名、科属、品種・系統、名前の由来、自生・群生場所、草丈、芽、茎、葉、長持ちさせるコツ、縁起物のうらじろについて、お正月のお花としていける、鏡餅にしつらえる、お正月飾りに飾るなどを紹介

うわみずざくら 上溝桜「かには(桜皮)」

「うわみずさくら」は、太い幹の桜類とは違い、草物の花です。バラ科の植物です。1本の茎にたくさんの白い小さな花を春に咲かせます。新潟県では「うわみずざくら」の実を、塩漬けにします。

『万葉集』では、「かには」という名で登場します。「かには」とは、桜の樹皮のことをいっているようです。

えごのき「ちさ」

えごのき20240509うち
2024年5月9日
えごのき20240509うち
2024年5月9日

山の上に咲いているため、下に落ちた花を撮りました。

『万葉集』では、「ちさ」の花が盛りの際に...と儚い別れが歌われています。

◆別名 「ちさ」「ちさのき」「ちしゃ」「ちしゃのき」

◆科属 エゴノキ科エゴノキ属。

◆開花時期 5月上旬

◆花径 約3センチ。

◆花の香り 甘い香りがします。

◆特徴 有毒植物です。生の木の皮にはエゴサポニンが含まれており、皮のもみ汁が泡立つので洗濯に使われてきました。現在では禁止されています。

おきなぐさ 翁草 「ねつこぐさ」

春。キンポウゲ科。花の色はワインレッド。可憐に下向きに咲きます。『万葉集』では、「ねっこぐさ(根っこ草)」と呼ばれ可憐な女性の姿が詠まれています。別名「ねこぐさ」「ねこばな」と呼ばれます。

おばな 尾花 「をばな」

「おばな」とは、「すすき」の花穂が出ると「尾花(おばな)」と名前が変わります。

「すすき」をご覧ください。

おみなえし 女郎花 「をみなえし」

秋の七草のひとつ「女郎花」を詠んだ句は、14首納められています。

「女郎花」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「女郎花(おみなえし)」】秋の七草らしく、細くてか弱いイメージの女郎花は歴史あるお花!
女郎花のいけ方・飾り方、おすすめの花器、女郎花の英名、別名、原産、科属、歴史、名前の由来、自生場所、開花時期、花径、花の色、花の咲き方、香り、似ている花の男郎花、季語、花言葉、秋の七草などについてを紹介。

かえで 楓 「かへるで」

カエデのことを「かへるで」と呼んでいたのは、葉の形がカエルの手にに似ていたからと言われています。春に小花が咲きます。

「楓」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「お花の種類一覧」】お花の名前約300種以上!ここから見ればお花のことが調べられます!
お花の仕事をしているからか、撮りためた写真は数え切れず。直近8年程の写真を季節の花図鑑として、約300種程のお花の名前別の写真集にしてみました。写真からお花の名前を知ることもできます。それぞれ記事にしてあるものはクリックしてご覧ください。

かきつばた 杜若 燕子花 「かきつばた」

1つの種類のお花を四季でいけ分けすることができる「かきつばた」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「杜若(かきつばた)」】1年を通して季節によりいけ方を変えるお花は「かきつばた」だけ!
かきつばたのいけ方のコツとして、四季それぞれのいけ方、葉の切り方、水揚げ、おすすめの花器など、かきつばたについては、漢字、英名、科属、歴史、自生場所、、葉、開花時期、開花期間、花径、花の色、花の特徴、季語、かきつばたの日本三大自生地などを紹介

かくれみの 隠蓑 「みつながしは(御網葉)」

日本の固有種。ウコギ科。「かくれみの」の名前の由来は、葉の形が昔の雨具であった「蓑(みの)」に似ていることからつきました。その葉は肉厚で、光沢があり、滑らかな皮のようです。夏に黄緑色の花が球状に集まって咲きます。実は、緑色から黒に変化します。

かたくり 片栗 「かたかご(堅香子)」

かたくり20250508河口湖リゾート
2025年5月8日 キバナカタクリ

ユリ科カタクリ属の多年草。花の開花は3月下旬~4月上旬。開花期間は2週間ほどと短い。林に自生。ひっそりと咲いています。花が下を向いて、花びらが上にそるように咲きます。花の色は紫系のピンク。花が咲くまでに7~10年もかかります。しかも1株にはたった1輪しか咲きません。埼玉県の小川町にはカタクリの花の群生地があります。写真は北米原産のキバナカタクリです。

「堅香子(かたかご)」とは、一枚の葉(片葉)で、花の色が「鹿の子」のようにまだらな紫色をしていることから、「片葉鹿の子(かたはかのこ)」から「かたかご」になったと言われています。「かたこ」「かたご」「かたこゆり」などとも呼ばれます。

かつら 桂 「かつら」

日本や中国に自然分布する在来種でもあり、遺存種でもある。落葉高木樹。カツラ科カツラ属。春に小さな花が咲く。ハート型をした葉が特徴。

『万葉集』では、月の中にある木として詠まれており、実際の木や花、葉などを表現しているわけではなく、恋心などの象徴のように歌われています。

ちなみに他の古典文学で「桂」というとクチナシや金木犀を指すこともあります。

からたち 「からたち」

「からたち」とは、「からたちばな(唐橘)」のこと。唐(中国)から伝わった橘(みかん)ということになります。「からたちばな」は、『万葉集』に初めて登場することから、その頃に中国から伝わったのではないかと思われています。

花は、春に白い花が咲きます。実は秋になります。現在でいうみかんと比べると、すっぱくて食べられたものではないということと、鋭いトゲを持つことから、泥棒避けに生垣に植えられることが多かったようです。『枕草子』(1002年頃編纂・平安時代中期・清少納言作)にも「名おそろしきもの」として出てきます。

かんぞう 萱草・のかんぞう 野萱草・やぶかんぞう 藪萱草 「わすれぐさ」

夏に咲く萱草は、花が一重咲きの野萱草と、八重咲の藪萱草があり、いずれも『万葉集』には登場します。

「萱草・忘れ草」などについてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「忘れ草・萱草(かんぞう)・きすげなどの仲間たち」】1日しか咲かない儚いお花の仲間たち
1日しか咲かない儚いお花の仲間たちとして、秋の忘れ草、蝦夷萱草、蝦夷黄菅、鬼萱草、萱草、黄菅、禅庭花、唐萱草、常葉萱草、飛島萱草、西の浜萱草、日光黄菅、野萱草、浜萱草、姫萱草、紅萱草、ヘメロカリス、武蔵野黄菅、藪萱草、夕菅、忘れ草などを紹介

ききょう 桔梗 「あさがほ」

「桔梗」については、「朝顔」をご覧ください。

きんもくせい 金木犀 「つきひとのかつら(月人の楓)」

「金木犀」は、「つきひとのかつら(月人の楓)」という名で登場します。「つきひとのかつら」とは、実在する植物ではないといわれており、中でも「金木犀」であるという説があります。

秋に咲く「金木犀」についてはこちら ↓↓↓

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くず 葛 「くず」

秋に咲く「葛の花」についてはこちら ↓↓↓

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くまざさ 隈笹 「ささ(笹)」

「隈笹」については、こちらの「笹」をご覧ください。 ↓↓↓

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くり 栗 「くり(栗)」

「栗」についてはこちら ↓↓↓

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栗について、世界の栗や日本の栗、栗の形状(しだれぐり、とげなしぐり、はこぐり、はぜぐり、はなぐり、やつぶさぐり)や栗の品種(飯沼、石鎚、大峰、笠原早生、岸根、銀寄、国見、丹沢、筑波、中山、八高、日之影、ぽろすけ、ぽろたん、森早生、利平)などを紹介

くわ 桑 「くは」

桑の葉は、カイコが食べる葉として有名です。桑の栽培の歴史は『魏志倭人伝』(3世紀・中国の魏の史書・倭(日本)のことが描かれている)に記されているほど。夏には、黒紫色に熟した甘い実が採れます。ジャムにもできます。『万葉集』では、「桑の若葉で育てた繭(まゆ)の糸で作った衣」が登場します。

けいとう 鶏頭 鶏冠花 「からあゐ」

「ケイトウ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「鶏頭(けいとう)」】花の形が鶏冠のように奇妙な形をして毎年同じ場所に咲く昔からある花
鶏頭の歴史、漢名、原産、科属、分類、名前の由来、花言葉、エピソード、出生として、草丈、花について、開花時期、花の色、花の形、種子、見立て方として、いけ方・飾り方のコツ、注意点、水揚げ、切り花の選び方、脾腫、綺麗な場所などを紹介

こうぞ 楮 「たく」

科属は、クワ科。繊維が和紙の原料として使われます。『万葉集』の頃には、「こうぞ」で縄を編んだり、紡いで布を織って衣服にしていたようです。「こうぞ」の葉は、桑の葉に似ています。花は、1本の木に雄花と雌花が春に咲きます。雄花は黄白色、雌花は赤い糸状の細い花びらです。実は6月頃にキイチゴの実のように赤く熟します。

『万葉集』では、「たく」「たへ」「ゆふ」などの名で登場します。

こうやぼうき 高野箒 「たまばはき(玉箒)」

草花のようなキク科の花ですが、落葉低木。箒の材料として使われてきました。秋に白や薄いピンクの花が咲きます。名前の由来は、和歌山県にある高野山で箒を作っていたことに由来します。

こうやまき 高野槇 「まき(真木)」

高野槇20220321薬師院
2022年3月21日

高野槇は、日本にだけ自生している固有種です。常緑高木。コウヤマキ科。名前の由来は、和歌山県の高野山に多く自生していることから付けられました。別名「ホンマキ」。

こけ 苔 「こけ」

苔は世界中に2万種あると言われています。有名な種類として、「ウメノキゴケ(梅の木苔)」「サルオガセ(猿麻桛)」「スギゴケ(杉苔)」「ツノゴケ(角苔)」「ミズゴケ(水苔)」などがあります。苔が美しい場所として、京都の苔寺として有名な西芳寺や鹿児島県の屋久島の原生林の森などが有名です。

『万葉集』では、長い年月が経ったという意味の表現に使われています。

こなら 小楢 「こなら」

ブナ科の落葉樹でどんぐりの木として有名です。秋には紅葉が楽しめます。木の幹は、建築や家具などに利用されます。樹皮は塗料に使われます。

このてがしわ 児手柏 「このてかしは」

檜に似ていますが、檜が面であるのに対し、コノテガシワは上に向かって広がって伸びるため、子供が手を上に伸ばしたようなという名前の由来です。

さくら 桜 「さくら」

日本にもともと自然分布していた在来種の「ヤマザクラ」が登場します。

「ヤマザクラ」についてはこちら ↓↓↓

【お花の歴史「『万葉集』と花」】奈良時代に作られた日本最古の恋する歌集『万葉集』に詠まれた植物の種類
『万葉集』に登場する花を中心とした植物として、葵、朝顔、紫陽花、文目、空木、梅、女郎花、桔梗、桜、百合、柳、紫蘭、菖蒲、竹、撫子、萩、蓮、藤、芙蓉、松、木槿、山吹、よもぎなどを紹介

「桜」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「桜」①桜まとめ】華やかに咲き、散る姿さえも美しく、人の心を魅了する儚い花「桜」の魅力 
桜について、英名、原産、科属、系統、品種、名前の由来、歴史、枝について、咲くまで、開花時期、花びら、花の色、エピソード、咲き方の形態名、桜の自生種、交配種、桜のいけ方、桜という名前が入ったお花や食べ物、桜の名所などを紹介

ザクロ 柘榴 石榴 「はねず」

ザクロ20240519高田さん
2024年5月19日

ザクロは、実の形も変わっていますが、お花も「たこさんウインナー」のようで変わっています。

◆原産 イラン、アフガニスタン、インド西北部などが原産。

◆歴史 日本へは、遣唐使が中国から、薬用植物として持ち帰りました。

◆科属 ザクロ科。

◆開花時期 5月~7月

◆花径 奥行約4センチ。

◆実 秋になります。

◆季語 夏

ささゆり 笹百合 「さきくさ・さゆり」

ヤマユリ、ササユリ(さゆり)が詠まれています。

夏に咲く「さゆり」は、別名「さゆりは」「ヤマユリ」「ササユリ」とも言われます。現在では「笹百合(ささゆり)」と呼ばれています。

地域によっては、「ヤマユリ」と呼ばれますが、山に咲く大きな「ヤマユリ」とは別の種類となりますのでご注意ください。

「笹百合」は、ユリ科ユリ属の多年草です。

百合は、『万葉集』には、12首詠まれています。

「笹百合」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「百合(ゆり)」①百合まとめ】それぞれの百合の違いまとめ!百合が咲いている本当の姿は?
日本原産の原種を含めた、百合の種類のまとめ記事となります。百合は、世界中に100種類以上の原種があり、日本原産の原種も15種類ほどあります。更にそれらを交配してつくられた園芸品種が無数にあります。それぞれの百合の特徴などを紹介しています。

さねかずら 実葛 「さねかづら」

モクレン科で、秋になる赤い実が美しい「さねかづら」。別名「びなんかずら(美男葛)」「ふのりかずら(布海苔葛)」「とろろ葛」などと呼ばれます。名前の由来も実が美しい蔓木から「実葛」と書いて「さえかずら」と言います。花は、モクレン科らしく厚みのある花びらで、黄緑色の花が咲きます。枝もくねくねと曲がり絡みつく個性的な枝です。赤い実は、「南五味子(なんごみし)」と呼び、咳止めや滋養、強壮などの民間薬に用いられています。

『万葉集』では、「さねかすら」の絡み付く枝を、恋人との別れやまた逢えるという願いを表現していたようです。

さわひよどり 沢鵯 「さはあららぎ」

キク科の多年草。花は秋に咲きます。見た目は、秋の七草のひとつ「藤袴」に似ています。

しきみ 樒 「しきみ」

しきみ20230211萩の菊池さん宅前
2023年2月11日

春に白い花を咲かせる「しきみ」。シキミ科。別名が非常に多く、「香の木」「香の花」「香花」「香芝」「抹香木」などとたくさんの呼ばれ方をします。秋には八角のような星型の実がなります。常緑の厚みのある葉が、仏事に使われます。葉には独特な香りがあり、線香や抹香の原料とされます。日本原産とされます。名前の由来は、「悪しき実(あしきみ)」からきています。種子は毒性の強い有毒植物です。

しだれやなぎ 枝垂れ柳 「やなぎ(青柳)」

枝垂れ柳の花は、春に咲きます。

「枝垂れ柳」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「やなぎ」②枝垂れ柳(しだれやなぎ)】もっと知りたい柳!やなぎといったら枝垂柳のこと!
「やなぎ」とは「枝垂れ柳」のことをいいます。枝垂れ柳の魅力として、別名、原産、生息地、科属、系統、歴史、名前の由来、枝、葉、つぼみ、開花時期、開花期間、花径、花の色、花の特徴、季語、花言葉、いけばなでのいけ方などを紹介。

「やなぎ」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「やなぎ」①やなぎまとめ】「柳」と「楊」の違い、「柳と名の付く植物」などのやなぎまとめ
やなぎの種類には、柳、楊の違いがあり、ヤナギ科でない柳もあります。その種類の違いとして、赤芽楊、小豆楊、雲竜柳、えのころやなぎ、川楊、銀芽楊、行李楊、枝垂柳、未央柳、豆楊、丸葉楊、雪柳などを紹介。

じゃのひげ 蛇の髭 「やますが・やますげ(山菅)」

ユリ科で、ヤブランに似ています。5月頃にすずらんのような、淡い紫色の花が咲きます。葉はシャガを小さく細くしたような感じです。つやつやした青紫色の実が冬になります。

しょうぶ 菖蒲 「あやめぐさ」

『万葉集』に出てくる「あやめぐさ」とは、現在でいう、華やかなお花が咲くアヤメ科のお花ではなく、ショウブ科ショウブ属の「しょうぶ(菖蒲)」のことをいいます。

「しょうぶ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「アヤメ科のお花たち」】アイリス、あやめ、かきつばた、菖蒲、シャガ、花菖蒲などの違い
アヤメ科のアイリス、あやめ、イチハツ、かきつばた、キショウブ、シャガ、ジャーマンアイリス、菖蒲、花菖蒲、姫シャガのそれぞれの特徴や違いを紹介。「いずれあやめかかきつばた」と言われるように、見分けをするのがとても難しいアヤメ科のお花たちです。

しらん 紫蘭 「らん・けい」

「しらん」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「紫蘭(シラン)」】もっと知りたいシラン!紫の花も綺麗ですが、葉も綺麗なので夏に大活躍
紫蘭のいけ方・飾り方のコツ、葉だけを使う、いけばなのいけ方、水揚げ、おすすめの花器、出生として、芽、葉、つぼみ、開花、咲き方、葉の楽しみ方、紫蘭について、英名、別名、原産、科属、自生場所、草丈、葉、開花時期、花びら、花の色、栽培方法などを紹介

すぎ 杉 「すぎ」

日本特産の常緑高木です。屋久島にある「屋久杉」が樹齢千年と言われ、他にも紀元前からあるとされる「紀元杉」や、推定樹齢7200年と言われる「縄文杉」など、桁違いに古い木があります。

『万葉集』では、老いた恋に表現されています。

すすき 薄 芒 「すすき・をばな・かや」

「をばな」を詠んだ歌が19首、「はだすすき」が8首、「すすき」が6首、「はたすすき」が2首、「はなすすき」が1首、合計36首詠まれています。中には、山上憶良が秋の七草の句を歌い、「すすき」を秋の七草の1つに数えたものが詠まれています。

「すすき」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「すすき」】すすきはどこにでもある草ではない!葉の選び方、下処理、飾り方のコツを紹介!
すすきの選び方、下処理、いけ方・飾り方のコツ、すすきの漢字、英名、名前の変化、原産地、科属、種類、歴史、名前の由来、葉、花穂、穂の時期、利用法、季語、花言葉、すすきが綺麗なおすすめの場所、秋の七草、十五夜と十三夜のしつらえなどを紹介。

すみれ 「すみれ」

日本には50種以上の原種が自生しています。春に咲くお花。スミレ科。多年草ですが、数年で絶えてしまうので毎年種を取って育てるのがおすすめです。

すもも 李

食べることができる果実で有名な「すもも」。バラ科サクラ属で、春にお花が咲きます。中国原産。

「すもも」の歌は1首だけ納められています。

大伴家持の歌

「わが園の李の花が庭に散る はだれのいまだ残りたるかも」

すももの花が散るは様子と雪の白さを重ねた情景の歌です。

せんだん 栴檀 棟「おうち・あふち(棟)」

花は5~6月に薄紫色の花が咲きます。葉は20~90センチもあり、秋には黄葉し落葉します。白っぽい実「苦棟子(くれんし)」だけが残ると、センダンだということがわかります。せんだんは、万葉集では「棟(あふち)」と呼ばれています。

だいだい 橙 「あべたちばな(阿倍橘)」

橙は、橙の木に苔が生えてしまうくらい女性を待っているという歌1首だけ登場します。橙を食べて酸っぱいなどという歌ではないようです。

「橙」については、柑橘類の記事にあります ↓↓↓

【季節の手仕事「柑橘類」①柑橘類の品種】個性を上手に使い分けたい柑橘類の品種約50種とその魅力まとめ
柑橘類の甘夏、温州みかん、黄金柑、かぼす、河内晩柑、清見、金柑、九年母、グレープフルーツ、三宝柑、春光柑、湘南ゴールド、すだち、せとか、橙、夏みかん、八朔、ハールレモネ、日向夏、不知火、ブラッドオレンジ、文旦、柚子、ライム、レモンなどを紹介

たけ 竹 「たけ(竹)」

竹は、「庭の生えた竹」を詠んだ歌が多くあります。

「竹」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「竹」】観賞用としても、竹の製品としても、食べものとしても、どれも一流な竹の魅力
竹について、竹の原産、竹林の有名な場所、竹の科属、竹の歴史、竹の根、竹の茎、竹の特徴、竹を喩えた言葉、竹の種類の一覧、竹の笹の違い、竹をいける時の注意、竹の花について、竹から作られるもの、京銘竹について、食べる竹たけのこについてなどを紹介。

たちばな 橘

「たちばな」の花は、4月から5月に咲きます。その花を薬玉にした歌があります。

「花としての花橘と食す橘」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「花橘(はなたちばな)」】と【季節の手仕事「橘(たちばな)】観賞用の橘と食べる実の橘
たちばなの歴史、別名、原産、科属、分類、自生地、樹高、葉、季語、ひなまつり、観賞用の「花たちばな」の魅力として、開花時期、花径、花びら、花の色、咲き方、花の香り、綺麗に咲く場所、花言葉、食べる「たちばな」として、サイズ、外皮色、実の色などを紹介

つつじ 躑躅 「つつじ」

「つつじ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「躑躅(つつじ)」①つつじまとめ】つつじをいけるのは枝選びですべてが決まるくらい大切
枝の選び方、いけ方・飾り方、いけばなでのいけ方、水揚げ、おすすめの花器、もっと知りたいつつじ、漢名、原産、科属、系統、歴史、名前の由来、自生場所、葉、開花時期、花びら、花の色、特徴、綺麗に咲く場所、季語、花言葉、品種、さつきとの違いを紹介

つばき 椿 「つばき」

春に咲く花や香りが愛でられた「椿」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「椿(つばき)」①椿まとめ】もっと知りたい椿の綺麗ないけ方はシンプルに1輪だけをいける
椿を1輪飾る飾り方について、椿については、英名、和名、原産、科属、歴史、樹高、葉、つぼみ、花、開花時期、花径、花の色、花の特徴、果実、栽培、季語、椿の種類、名所、椿餅についてなどを紹介しています。

つばな

春。

つゆくさ 露草 「つきくさ(月草)」

露草20251010うち
2025年10月10日

夏に野に咲くツユクサは、ツユクサ科の1年草です。日の出と共に朝露に輝いて開花するので、この名が付きました。昼過ぎにはしぼんでしまう半日花です。別名が多く、「藍花」「青花」「縹草(はなだぐさ)」「帽子花」「蛍草」などと呼ばれます。お浸しや煮物、炒めものなど食用にも使われています。

『万葉集』では、「つきくさ」を「着き草」として、古くから塗料として使われている花びらを、ほんの短時間にしか咲かない儚いものとして例えられています。

テイカカズラ 定家蔓 「つた」

キョウチクトウ科。春にプロペラのような白い花を咲かせ、甘い香りがします。

平安時代前期の歌集『古今和歌集』(全20巻、醍醐天皇の命令により編纂、905年奏上)や鎌倉時代の歌集『新古今和歌集』(1205年編纂)には、「マサキノカズラ(正木蔓)」という名で登場します。

名前の由来は、藤原定家(鎌倉時代の歌人)の古墳石から出てきた蔓ということから、ついたようです。

『万葉集』では、岩に這う蔦のことで、「伝う」という意味で使われています。




なぎ

夏。

なし 梨 「なし」

梨の花20250416高木さんち?
2025年4月16日

梨は、『日本書紀』(歴史書・奈良時代・720年・養老4年編纂)に食用として栽培を勧める記載があるほど、古くから食べられているものです。

『万葉集』では、無しと梨をかけ、妻が無し(いない)ということを知らせるために、梨の木の枝を折って髪飾りにしようという恋の表現がされています。

なつつばき 夏椿 「さうじゅ・さうりん」

「沙羅双樹」は実は「夏椿」だったと言われることから「さうじゅ(雙樹)」や「さうりん(雙林)」といわれていたのか...

「夏椿」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「椿」③夏椿(なつつばき)】もっと知りたい!古くから伝わる夏椿の儚さと可愛らしさの魅力
夏椿の魅力として、別名、科属、系統、名前の由来、樹高、開花時期、開花期間、花の色、花径、花びら、特徴、花言葉、誕生か、綺麗に咲くおすすめの場所、夏椿と沙羅双樹の違い、夏椿と『平家物語』などを紹介

なつふじ 夏藤 「ときじきふぢ(時じき藤)」

「夏藤」は、夏の土用の頃に咲くことから、別名「土用藤」とも呼ばれます。

『万葉集』では、「ときじきふぢ」を「時期外れに咲いた藤」と詠んでいますが、実際には、白から黄緑色をした夏藤のことだったのだと思われます。

なつめ 棗 夏芽「なつめ」

クロウメモドキ科。夏になってから芽を出すことからこの名がつきました。秋に赤い実がなります。この実は食用となります。

なでしこ 撫子 「なでしこ」

『万葉集』では、いくら見ていても飽きないほど可愛い、女性と花を掛けています。

「なでしこ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「撫子(なでしこ)」】もっと知りたいなでしこ!なでしこのいけ方、飾り方のコツを紹介
なでしこの飾り方のコツ、長持ちさせるコツ、異名、別名、原産、科属、歴史、茎、開花時期、花径、花びら、花の色、花の咲き方、花の特徴、季語、例えとして、大和撫子やなでしこジャパン、品種、秋の七草などを紹介しています。

なんばんぎせる 南蛮煙管 「おもひぐさ(思ひ草)」

ハマウツボ科。名前の由来は、南蛮人が使っていた刻みタバコが似ていたことからこの名が付いたようです。花は淡い紅紫色。秋にうつむき加減で咲きます。葉がなく、ススキなどの他の植物の根から養分をもらって花を咲かせる寄生植物です。

『万葉集』では、「あなたのことを思っています」という表現で詠まれています。

にほんかえで

日本の固有種。秋の紅葉の描写で登場します。

「にほんかえで」については、「かえで」をご覧ください。

にら 韮 「みら」

ニラの花20250911うち
2025年9月11日

ユリ科。細長く柔らかい葉から、細長い茎が伸び、夏の終わりに白い花を咲かせます。葉をちぎるとニラ特有の臭いがします。『古事記』(歴史書・712年編纂)には、食用や薬用として「かみら」という名で登場します。

『万葉集』では、「くくみら(茎韮)」を摘む様子が描かれています。

にわとこ 接骨木 「やまたづ(山たづ)」

春一番に芽を出すことから別名「吹き出し花(フキダシバナ)」とも言われます。スイカズラ科。開花時期は4月。つぼみはブロッコリーのようで、そこから白い花が咲きます。花、枝、葉が漢方薬になります。「やまたづ」と言われるのは、山地に生えているタヅノキ(ニワトコ)のことだといわれています。

ねむのき 「ねぶ」

マメ科。夏に咲く糸状の花びらは、先がピンク、元が白色をしています。夕方から咲き始めます。逆に葉は、昼間元気がよく、夕方になると閉じて、夜の間はかれてしまったかのように垂れ下がってしまいます。「ネムノキ」と名付けられたのは、眠っている木のようだからです。別名「コウカ」「コウカノキ」とも呼ばれます。

のきしのぶ 軒忍 「しだくさ(子太草)」

ウラボシ科。シダ植物。秋。家の屋根や軒先に生えることからこの名がつきました。丈は20センチ程でシャガの葉のようですが、裏には胞子があり、別名「ヤツメラン(八目蘭)」とも言われます。

のはなしょうぶ 野花菖蒲 「はなかつみ」

「アヤメ科のお花たち」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「アヤメ科のお花たち」】アイリス、あやめ、かきつばた、菖蒲、シャガ、花菖蒲などの違い
アヤメ科のアイリス、あやめ、イチハツ、かきつばた、キショウブ、シャガ、ジャーマンアイリス、菖蒲、花菖蒲、姫シャガのそれぞれの特徴や違いを紹介。「いずれあやめかかきつばた」と言われるように、見分けをするのがとても難しいアヤメ科のお花たちです。

野花菖蒲から品種改良された「花しょうぶ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「花菖蒲(はなしょうぶ)」】大きくて多彩な色で華やかに楽しませてくれる花しょうぶの魅力
花しょうぶの魅力として、英名、別名、科属、何年草か、自生場所、歴史、葉、開花時期、開花の分類名、花径、花丈、花びら、花の特徴、飾り方のコツ、いけばなでのいけ方、おすすめの花器、品種、品種名のタイプ、綺麗に咲くおすすめの場所などを紹介

のびる 野蒜 「ひる」

「野蒜」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「野蒜(のびる)」】もっと知りたい!春の山菜「野蒜」が育つ姿と美味しい食べ方の手仕事
春の山菜の1つ野蒜をご紹介。野蒜が育つ姿や収穫方法、野蒜の保存食として野蒜味噌のレシピ、とても簡単な野蒜のぬたのレシピもご紹介。難しい下処理もなく簡単なので、春の山菜の中では、扱いやすい山菜です。しゃきしゃきとした食感がクセになります。

ばいかも 梅花藻 「も」

「梅花藻」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「梅花藻(ばいかも)】水の中でゆらゆらと咲く姿が舞い散る雪の天使のような梅花藻の魅力!
もっと知りたい梅花藻の魅力として、科属、品種、系統、分類、名前の由来、自生場所、何年草か、草丈、葉、開花時期、花径、花びら、花の色、花の咲き方、綺麗に咲くおすすめの場所などを紹介。

はぎ 萩 「はぎ」

秋に咲く萩。『万葉集』には141首納められており、草木類を詠んだ句の中では、一番多く詠まれています。それだけ、当時人気があったとされます。

立ち上がる萩や垂れ下がる萩など種類も豊富ですが、『万葉集』に登場する萩は、「ヤマハギ」と呼ばれる品種です。

「萩」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「萩(はぎ)」】立ち上がる萩、垂れ下がる萩など色々な種類の萩の魅力!萩の見立てのコツも
萩のいけ方・飾り方のコツ、おすすめの花器、萩の別名、原産、科属、分類、系統、歴史、名前の由来、自生場所、樹高、根、枝、葉、開花時期、花径、花びら、花の色、咲き方、花言葉、萩の品種、萩と名の付く品種、おはぎ、秋の七草などについて紹介

はす 蓮 「はちす(蜂巣)」

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【季節の花図鑑「蓮(はす)」】もっと知りたい蓮のこと!蓮の花の現在・過去・未来って何を意味するの?
蓮の魅力、蓮の姿、現在過去未来、蓮をいけるための下準備、いけばなでの蓮のいけ方(生花、立花)、蓮を見ることができる場所、蓮を見に行く際の注意などを紹介。蓮のお花は、とても神秘的で魅力のあるお花ですが、3回咲いて散ってしまう儚いお花です。

はなかがみ

夏。

はまゆう 「はまゆふ」

はまゆう20240728茶畑
2024年7月28日

ヒガンバナ科。葉が1年中青々としていることから「浜万年青(はまおもと)」とも呼ばれます。葉は肉厚で、幅も5~10センチあり、長さも30~60センチほどあります。花の茎は、80センチほどまで伸び、彼岸花のような白い花を咲かせます。花は、甘い香りがします。実は白い実がなります。群生地として、和歌山県と三重県にまたがる熊野地域が有名です。

『万葉集』では、葉が重なる姿になかなか逢えないさまを当てはめています。

ひおうぎ 檜扇 「ぬばたま(黒玉、奴婆玉)」

ひおうぎ20170802長泉
2017年8月2日

アヤメ科。名前の由来は、葉が扇のように広がり、古く宮中などで用いられていた檜扇ににていることから、この名がついたとされます。花は1日花です。花の後に実ができ、その中に黒い種子ができます。この黒い種子のことを「ぬばたま」と呼びます。檜扇は別名「からすおうぎ(烏扇)」と言われるのは、この「ぬばたま」の黒が印象的だからです。

『万葉集』には、「ぬばたま」について詠まれた歌が80首近くあります。ほとんどが黒、闇、髪、月などの枕詞になっています。花について歌われているものはありません。

ひがんばな 彼岸花 「いちし」

彼岸花20230927伊豆佐野
2023年9月27日

ヒガンバナ科。彼岸の時季になると必ず咲く彼岸花。暦を見ているかのようにぴったりと咲きます。花の色は、赤や白。花が終わると葉が出てきます。別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」といい天の上に咲く花とされます。他にも別名が多いことで知られ、いちじばな、いちしばな、いっしせん、てぐされ、てぐさり、したまがり、仏花、提灯花、葬式花、死人花、幽霊花、毒花、きつね花、きつねのかんざし、火事花、など400以上あるとも言われています。筆者の住む地域では、彼岸花が綺麗だからといって「切ると雨が降る」と言われてきました。毒があるから切ってはいけないといった意味もあったからでしょう。

『万葉集』で登場する「いちし」は、綺麗な妻に例えられています。

ひとりしずか 一人静 「つぎね」

センリョウ科。春。葉が千両のように4枚あり、白い花穂ができます。「ひとりしずか」とは、源義経が愛した静御前が一人で舞う姿に例えられて名付けられました。

『万葉集』では「つぎね」と呼ばれ、植物名としてでなく、数多く続く峰々を表現しています。

ひめゆり 姫ゆり

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【季節の花図鑑「百合(ゆり)」①百合まとめ】それぞれの百合の違いまとめ!百合が咲いている本当の姿は?
日本原産の原種を含めた、百合の種類のまとめ記事となります。百合は、世界中に100種類以上の原種があり、日本原産の原種も15種類ほどあります。更にそれらを交配してつくられた園芸品種が無数にあります。それぞれの百合の特徴などを紹介しています。

ひるがお 昼顔 「かほばな」

「昼顔」については、朝顔の中のこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「朝顔」】もっと知りたい朝顔!朝顔・野朝顔・昼顔・夕顔の違いについて
朝顔について、英名、別名、原産、科属、系統、歴史、名前の由来、開花時期、開花時間、花の色、栽培方法、いけ方、花言葉、エピソード、秋の七草について、野朝顔、昼顔、夕顔との違いなどを紹介

ふじ 藤 「ふぢ」

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【季節の花図鑑「藤(ふじ)」】自立できず誰かに寄り添っていないと生きていけない女性らしい藤の花の魅力
藤の花のいけ方・飾り方のコツとして、鉢花、水揚げ、いけばなでのいけ方、英名、原産、科属、原種のノダフジとヤマフジ、歴史、名前の由来、幹や枝、花の芽、つぼみ、開花時期、花の色、咲き方、香り、特徴、花言葉、エピソード、綺麗に咲く場所などを紹介。

ふじなみ

春。

ふじばかま 藤袴 「ふぢばかま」

「藤袴」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「藤袴(ふじばかま)」】もっと知りたい藤袴!儚げな藤袴のいけ方や飾り方のコツを紹介!
藤袴のいけ方・飾り方のコツ、おすすめの花器、別名、原産、科属、品種、歴史、名前の由来、自生場所、葉、草丈、つぼみ、開花時期、花径、花びら、花の色、花の香り、似ているお花、綺麗に咲くおすすめの場所、季語、花言葉、秋の七草などを紹介

ふたりしずか 二人静 「つぎね」

センリョウ科の有毒植物。春に花穂が2本出ることから「二人静」と呼ばれます。花は米粒のような白いものです。

『万葉集』では、「一人静」と共に、「つぎね」という名で登場します。

ふゆあおい 冬葵 「あふひ」

「冬葵」については、「葵(あおい)」をご覧ください。

ふよう 芙蓉 「はねず」

「芙蓉」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「芙蓉(フヨウ)」】もっと知りたいフヨウの魅力!清楚で美しくしとやかな顔をした儚い草花
フヨウの魅力として、原産、科属、分類、樹高、葉、つぼみ、開花時期、開花期間、花径、花の色、花びら、めしべ、お花の特徴、花言葉、エピソード、切り花にしない?などを紹介しています。

べにばな 紅花 「くれなゐ」

「くれなゐ」とは、「紅花(べにばな)」のことになります。

「紅花(べにばな)」は、旧暦の5月、現在でいう5月下旬~6月下旬頃に咲きますので、夏の花になります。

「紅花」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「お花の種類一覧」】お花の名前約300種以上!ここから見ればお花のことが調べられます!
お花の仕事をしているからか、撮りためた写真は数え切れず。直近8年程の写真を季節の花図鑑として、約300種程のお花の名前別の写真集にしてみました。写真からお花の名前を知ることもできます。それぞれ記事にしてあるものはクリックしてご覧ください。

まくわうり 甜瓜 真桑瓜 「うり」

「マクワウリ」は、ウリ科マクワウリ属の1年草のつる植物。メロンの変種。果実を食用とします。南アジア原産。縄文時代にインドから中国を経て日本に伝わったとされます。季語は夏です。

現在のウリ科の植物には、きゅうり、ゴーヤ、すいか、とうがんなどがありますが、『万葉集』の頃の「うり」と言ったら「まくわうり」のことを指していました。

『万葉集』では、子供たちが好きなマクワウリを見て、京に残してきた子供たちを思う歌が歌われています。

まつ 松 「まつ」

「松」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「松」】お正月には欠かせない、長寿のシンボル「松」
松とは、分布、科属、系統、葉、雄花、実、松を使った言葉、松をお正月にいける理由、松の種類として、赤松、唐松、黒松、五葉松、大王松、根引き松、はいまつ、若松などを紹介

まゆみ 真弓 「まゆみ」

ニシキギ科。まゆみの枝は、弓を作るのに使われてきました。別名「ゆみぎ(弓木)」「やまにしきぎ(山錦木)」と呼ばれます。花は、白い花が初夏に咲きます。秋にとても美しい赤い実がなります。樹皮から紙が作られます。

みつまた 三椏 三叉 「さきくさ(三枝)」

みつまた20230320身延山
2023年3月20日

ジンチョウゲ科。春に筒状の小花が30~50個くらいまとまり咲きます。枝が3方向に広がるのでミツマタと呼ばれます。樹皮は、繊維が繊細で、丈夫でもあり、光沢にも富むため、高級な和紙の原料にされています。

『万葉集』の頃に「さきくさ(三枝)」と呼ばれる植物はいくつかありますが、枝が3つに分かれるため、ミツマタが有力とされています。

みやこざさ 都笹 「ささ(笹)」

冬に雪が降りかかる様子などを描かれているミヤコザサについてはこちらの「笹」をご覧ください。 ↓↓↓

【季節の花図鑑「お花の種類一覧」】お花の名前約300種以上!ここから見ればお花のことが調べられます!
お花の仕事をしているからか、撮りためた写真は数え切れず。直近8年程の写真を季節の花図鑑として、約300種程のお花の名前別の写真集にしてみました。写真からお花の名前を知ることもできます。それぞれ記事にしてあるものはクリックしてご覧ください。

むくげ 木槿 「あさがほ」

「ムクゲ」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「木槿(ムクゲ)」】もっと知りたいムクゲ!ハイビスカスのように華やかなムクゲの魅力!
ムクゲの魅力として、別名、原産、歴史、名前の由来、科属、分類、樹高、茎、葉、つぼみ、開花時期、開花期間、花びら、花径、花の色、めしべ、いける、育てる、季語、花言葉、例え、エピソードなどを紹介しています。

むらさき 「むらさき」

ムラサキは現在絶滅危惧植物に指定されています。花は小さな白い花で、夏に咲きます。根が紫色の塗料として使われます。

『万葉集』では、その染められた鮮やかな紫色が、心に染み付いていると歌われています。

めだけ 女竹 「しの(篠)」

「めだけ(女竹)」は、「まだけ(真竹、男竹)」に対して、小さな竹という意味で名付けられました。別名「かわたけ(川竹)」とも言います。竹の皮が付いたままの状態で育つことから、笹の仲間とされます。

『万葉集』では、「しの(篠)」という名で登場します。しなやかになびく「しの」に鶯がやって来る春の光景が歌われています。

もみじ 紅葉 「もみぢ」

『万葉集』で詠まれている「もみぢ」「もみち」「もみつ」などは、楓などの品種を指しているわけではなく、紅葉や黄葉する植物の総称として使われています。美しい光景や、散っていく侘しさなどが歌われています。

もも 桃(花桃) 「もも」

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【季節の花図鑑「花桃(はなもも)」】もっと知りたい花桃!かわいいお花「花桃」のいけ方、飾り方のコツ
花桃のいけ方・飾り方のコツとして、飾り方の注意、いけばなのいけ方、おすすめの花器を紹介。花桃について、英名、原産、科属、歴史、名前の由来、幹や枝、葉、開花時期、花びら、花の色、香り、実がなる時季、園芸品種、花言葉、花桃とひなまつりなどを紹介

やだけ 矢竹 「しの」

矢を作るのに最適な「矢竹」。竹とは言いますが、皮がついたままの笹の仲間です。女竹と同じく、『万葉集』の中では「しの」と呼ばれていました。

やどりぎ 宿木 「ほよ」

ヤドリギ科。葉に厚みがあり、花は3月に咲きます。実が熟すと琥珀色になります。

『万葉集』では「ほよ」という名で登場し、髪飾りにして長寿を願いました。

やなぎ 柳

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【季節の花図鑑「やなぎ」①やなぎまとめ】「柳」と「楊」の違い、「柳と名の付く植物」などのやなぎまとめ
やなぎの種類には、柳、楊の違いがあり、ヤナギ科でない柳もあります。その種類の違いとして、赤芽楊、小豆楊、雲竜柳、えのころやなぎ、川楊、銀芽楊、行李楊、枝垂柳、未央柳、豆楊、丸葉楊、雪柳などを紹介。

やぶこうじ 藪柑子 「やまたちばな(山橘)」

ヤブコウジ科。見た目はとても小さいのですが分類は常緑低木となります。7月に白い花を咲かせ、冬に実が赤くなります。実と葉が柑子みかんに似ていることからこの名がつきました。別名「藪橘」「赤玉の木」「十両」などとも呼ばれます。

『万葉集』では、この綺麗な赤い実を妻におみやげに持って帰ってあげようと歌われています。

やぶらん 藪蘭 「やますげ・やますが(山菅)」

ユリ科の多年草。夏から秋に淡い紫色の花が咲きます。実は緑色から冬には黒紫色に熟します。藪に生える、蘭に似た細長い葉からこの名がつきました。

『万葉集』には、黒髪の美しい恋人を思って歌った歌が詠まれています。

やまあい 山藍 「やまあゐ」

トウダイグサ科の多年草。山になる野生の藍ということから「山藍」という名がつきました。春にとても小さな黄緑色のお花を咲かせます。摺り染に用いられた塗料植物。山藍で染めた着物を着たあの子は夫がいるのだろうかという歌が歌われています。

やまちさ

夏。

やまぶき 山吹 「やまぶき」

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【季節の花図鑑「山吹(やまぶき)」】もっと知りたい山吹!春の山に現れる黄金色の花「山吹」の正体
山吹のいけ方・飾り方のコツとして、山吹の特徴の垂れもの、通用物について、英名、原産、科属、系統、歴史、名前の由来、自生場所、草丈・樹高、枝、葉、つぼみ、開花時期、花径、花びら、花の色、実、花言葉、綺麗に咲くおすすめの場所などを紹介

やまぼうし 山法師 山帽子 「つみ」

山ぼうし20190605四谷
2019年6月5日

ミズキ科。白い部分は装飾花で、花は真ん中の丸い部分に咲いています。実は秋に赤く熟します。

ゆり 百合 「ゆり」

「ゆり」に関しては、他にも「さゆり」「姫ゆり」が描かれています。

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【季節の花図鑑「百合(ゆり)」①百合まとめ】それぞれの百合の違いまとめ!百合が咲いている本当の姿は?
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よもぎ 蓬 「よもぎ」

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わた 綿 「わた」

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【季節の花図鑑「アオイ科のお花たち」】アオイ科のアオイのお花たちと、アオイ科でないアオイのお花たち
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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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