日本の花の代名詞と言えば「桜」です。
日本を代表するお花です。
日本の国花とも言えます
何より、短い期間で人の心をこれだけ楽しませてくれる儚いお花は、他にはありません。
さらに、全国に名所があり、 日本国民を共通して楽しませてくれるお花です。
もっと知りたい「桜」について
桜の英名
Cherry blossom、Japanese cherry、Sakura
桜の原産
日本 。
桜の科属
桜は、バラ科サクラ属サクラ亜属に属します。バラ科サクラ属は、花びらの先が丸く、1つの芽から1つの花が咲く梅や花桃などが属します。サクラ亜属は更にその中でも、1つの芽から柄(え)が伸びて、3から10個ほどの花が咲く桜が属しています。
桜の系統
落葉広葉樹。
桜の品種
自生種と交配種などがあります。
自生種とは、日本原産の元々日本にあった桜を交配させ、現在のようにたくさんの種類の桜ができています。その親に当たる桜が自生種の桜になります。自生種の種類は、「桜②桜の自生種」にまとめてあります。
交配種とは、自生種を交配させてできた桜になります。交配種の種類は、「桜③桜の品種」にあります。
桜の名前の由来
諸説ありますが、豊作をもたらす田んぼの神様が桜の木に宿るとされていました。
稲の精霊の「さ」と稲の精霊が宿る場所「くら」で「さくら」となったと言われています。
桜の歴史
平安時代以前は、桜よりも梅の方が広く知られ、好まれていました。
1800年頃、老中松平定信は隠居してから浴恩園にたくさんの植物を植え、中でも桜を好んで植えたと言われています。『浴恩園櫻譜』には、浴恩園に植えた桜を一流の絵師たちに1つ1つ描かせ、124種の桜が載っています。
江戸時代後期、「ソメイヨシノ」が開発され人気となり、それまで「ヤマザクラ」が主流だった観賞用の桜は、「ソメイヨシノ」が主流へと変化していきます。
大正元年(1912年)には、日米の友好の証として、ワシントンのポトマック川に日本から贈られた桜(ソメイヨシノ)が植えられ、毎年4月に「全米桜祭り」が開催されています。
早咲きの「河津桜」の登場により、桜を楽しめる期間がより長くなりました。河津桜のように、たくさんの桜の交配が進み、地域特有の桜が全国に広まっています。
桜の花見
桜の花見は江戸時代から盛んにされるようになりました。8代将軍(1716年~1745年)徳川吉宗が江戸市中や墨田川沿いに1270本のヤマザクラを植えたとされます。質素倹約で有名な吉宗の時代ですが、桜の下では無礼講で楽しむことをしていたと言います。残念ながら、人気となったソメイヨシノが生まれたのは、吉宗の時代よりも後のこととなります。
桜の枝について ~上を向く枝、横に広がる枝、枝垂れる枝~
普通の木のお花というのは、木の枝が上(もしくは斜め上)に伸びていきます。桜でも上を向いて伸びていく品種はあるのですが、桜の代表的な品種「ソメイヨシノ」や早咲きの「河津桜」のように、桜は木の枝が横に広がり垂れる性質のものがほとんどです。また、中心の枝は上に伸びるのですが、途中から枝が下がる枝垂れタイプの枝もあります。
桜が咲くまで
桜は、花が咲く前、枝から芽が出てきます。その出たばかりの芽は赤いので、遠くから見ると枝が赤く見えるようになります。桜の枝が赤く見えるようになると芽が出てきた証拠です。
芽が出て、蕾を持ち、緑の茎が伸び、開花します。開花するまでの間、蕾も赤く見えます。花びらが開いていくうちに、白や桜色に変化していきます。(桜の品種にもよります)
桜の開花時期
様々な品種があり、春に咲く品種がほとんどですが、1年を通していろんな時期に咲いています。
桜の花びら
一重咲きは花弁が5枚の桜。
八重咲きは花弁が5枚以上の桜。
花びらの先が割れているのも桜の特徴です。
桜の花の色
白や薄紅色(薄いピンク色)というイメージがありますが、黄色や緑色の桜もあります。
また、開花から散るまでの間に花びらの色が変化する種類が多数あるのも、桜の特徴です。
桜の季語
春。
桜のエピソード
3月27日は、「桜の日」です。
桜の咲き方の形態名とは
桜の咲き方の形態名は、桜の固有名称ではありません。
八重桜や枝垂れ桜など、「桜の咲き方の形態名」についてはこちら ↓↓↓

桜の自生種とは
日本に自生する桜の自生種は、10種類プラス1種類あります。最後の1種類の「カンヒザクラ」は、中国原産となり、自生種には入らないとされていますが、沖縄に天然自生されたとされ、またカンヒザクラとの交配種が多く、自生種に含むという説もありますので、「プラス1」とさせていただきました。予めご了承ください。
「桜の自生種」についてはこちら ↓↓↓

桜の交配種とは
桜の「交配種」とは、交配種、栽培種、園芸種とも言います。
自生種以外の桜は、ほとんどが交配された種類になります。
自生種+自生種、自生種+交配種、交配種+交配種など、組み合わせは無限です。
「桜の交配種の種類、その他の桜の種類一覧」はこちらをご覧ください ↓↓↓

華道家元池坊での桜のいけ方
立花十九ヶ条「桜一色」

伝統的な桜のいけ方です。学校でいけた作品のため、見せられるものではありませんが、山桜でいけたものになります。
伝花の「桜」のいけ方
華道家元池坊で「伝花」とされている桜。
「伝花」とは、池坊の記録が残る室町時代から、代々受け継がれてきた定められた花のいけ方です。桜においても、その桜の種類により、それぞれいけ方が違います。それぞれの桜の特徴を活かしていけます。
下記が、池坊の伝花の桜の種類です。
◆ヤマザクラ(山桜)
◆ヨシノザクラ(吉野桜)
◆ボタンザクラ(ぼたん桜)
◆ベニザクラ(紅桜)
伝花としていけることが多い桜は、ヤマザクラやヨシノザクラです。
桜は大ぶりににぎやかにいけるものとされ、花器も大花瓶や手のない大籠を用います。籠を使った場合は、花台や薄板は用いません。
伝花の桜は、里から山の上に向かって咲く、一山の景観をいけます。
それ以外の桜のいけ方の注意
◆桜はタメが効きません。折りダメなどをします。
◆早く咲かせたい時は、暖かい場所に置くと良いでしょう。一番のおすすめは、お風呂場の浴槽に熱いお湯をはり、桜をぬるま湯につけて置いておくと一気に咲きます。花展などの時に、開き具合を上手く調整したい場合などにはおすすめです。逆に涼しいところに置くと長持ちします。
◆折れた部分からも水揚げするので、折れた部分を濡らしてあげるとよいでしょう。
◆枝の半分でも水に入っていれば、お花は枯れません。
◆中心の枝となる真と副は、頭が折れたものや切れたもの、頭がないものは使わないようにしましょう。
◆古木を用いて、足元を重く(太く)すると重厚感がでて、桜らしくなります。
◆お稽古する桜の種類としては、啓翁桜、東海桜、彼岸桜…などがあります。
意味がわからない言葉があるかと思いますが、お花で使う言葉となります。
その他の桜
「桜」という名前が入っているお花
◆芝桜 しばざくら
芝桜は、ハナシノブ科の多年草です。名前の通り、芝のように地一面に小花が咲きます。白やピンクがあります。


◆サクラソウ
サクラソウは、キク類ツツジ目サクラソウ科サクラソウ属の多年草です。
◆桜小町
桜小町は、ナデシコ科シレネ属の1年草です。

「桜」という名前が入っている食べ物
◆桜餅

和菓子は大好きで、この「季節の手仕事」のブログの中にも、「和菓子の季節の手仕事」があります。その中でも、桜餅は、記事にしているほど、たくさん食しております。
詳しくは、こちらをご覧ください。↓↓↓

日本三大桜、日本五大桜
日本三大桜は、
◆「山高神代桜」 山梨県北杜市
◆「根尾の淡墨桜」 岐阜県本巣市
◆「三春の滝桜」 福島県田村郡三春町
になります。
日本五大桜は、上記3つに加え、
◆「狩宿の下馬ザクラ」 静岡県富士宮市
◆「石戸蒲ザクラ」 埼玉県北本市
となります。
それぞれ詳しくは「桜⑭桜の古木一覧」にあります。↓↓↓

桜の名所
全国の桜の名所の紹介となります。
桜のそれぞれの種類の銘木に関しては下記の「桜の関連記事」のそれぞれの種類に、桜の古木に関してはこちらをご覧ください。↓↓↓

◆弘前公園 青森県
樹齢100年を超える古木も多く、りんご栽培を応用した独自の管理技術が活かされています。
◆一目千本桜 宮城県
宮城県柴田郡大河原町にある白石川沿い約8kmに約1200本の桜が咲く桜並木。4月上旬が見頃です。川沿いを走るJR東北本線の列車も桜の開花時には速度を落として運航してくださるそうです。
◆上野恩賜公園 東京都
江戸時代からお花見で賑わっていた桜の名所。奈良の吉野山から移植されたのが始まりとされ、ソメイヨシノなど約800本の桜が植えられています。
◆吉野山 奈良県
吉野山に桜が山一面に咲く姿は、圧巻です。
桜のおすすめの逸品
桜の木をお庭に植える場所がないという方に、おすすめの芝桜。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

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