「よし」と「あし」の違い
「葦」のことを、「よし」とか「あし」と言います。
どちらが正しいのかというと、どちらも間違いではありません。ただ、いくつかのいわれがあります。
①「よし」がその植物本体のことをいい、近くに生え「よし」に似た同じイネ科の分類の「オギ」のことを「あし」と言います。そのことから、「よし」のことも「あし」と、「あし」のことも「よし」と呼ばれています。
②もともと「あし」と呼んでいたが、「悪し」に通じることから、善い方の「よし」と言うようになったと言われています。
③「御足(おあし)」(お金のこと)に通じるため「あし」と呼ばれています。
どれも間違いではないようですが、現在では「よし」と呼んだ方が確実であることは確かです。
葦(よし)のいけ方・飾り方のコツ
葦(よし)をいけたり、飾ったりすることは、少ないかもしれません。
いけばなでは、涼し気な夏の緑を表現するのに使ったりします。
使い方としては、短くはせずに長く使い、シンプルに凛と見せるのが綺麗です。
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もっと知りたい「葦(よし)」
よしの別名
「難波草(なにわぐさ)」「浜荻(はまおぎ)」とも言います。
よしの科属
イネ科ヨシ属の多年草です。
よしの歴史
『日本書紀』(奈良時代・720年・養老4年編纂)では、日本の古称を「葦原の中つ国」「豊葦原の瑞穂の国」などといわれています。
よしの産地
新潟県新潟市にある福島潟、栃木県渡良瀬遊水地、滋賀県の琵琶湖周辺、島根県の宍道湖のよしが有名です。
よしの自生場所

水辺の浅い所に自生し、生態系や水質を守っています。
よしの丈

長いものは4メートルを超えます。夏の暑さや台風の影響を受けないと、長く質の良いものが育ちます。
よしの根
漢方薬になります。
よしの茎
よしの茎の中は空洞です。ちなみに「あし」と呼ばれる「おぎ」は中が綿状です。「よし」と「おぎ(あし)」の区別がつかないときには、切ってみるとすぐにわかります。
よしの特徴
「よし」は、「夏の七草」のひとつです。
「夏の七草」は、現在の夏に咲く花とは違い、聞きなれない植物の名前が多く、それらが選ばれた時代が古いことを感じさせられます。
「夏の七草」については、「四季の七草」をご覧ください。↓↓↓

よしの季語
よしの季語は「夏」です。
夏の「よし」は、緑が綺麗ですので、よしをいけるのは夏が最適です。
よしの冬の風物詩「よし刈り」
よしは、成長を終え秋から冬には乾燥するため、11月から2月に刈り取りをします。3月のよし焼きまで、収穫が続きます。
よしの春の風物詩「よし焼き」
よしの産地では、毎年3月に「よし焼き」が行われ、春の風物詩となっています。この「よし焼き」は、新しいよしの発芽を促すため、新芽を芽吹かせるため、害虫駆除、害虫除けのために行われます。
「よし焼き」が終わると、4月には新芽が芽吹いてきます。
よしの花言葉
「哀愁」
「憂愁」
「音楽」
「後悔」
「従順」
よしの種類
◆錆葦(さびよし)
高級品。「よし」を十分にねかしたもの。
4~5年ねかした「よし」は、黄色っぽく深い色になり、古びて朽ち錆びた感じになります。これが「錆葦(さびよし)」です。
高級な「すだれ」などに使われます。
◆大神葦(だいじんよし)
中国産のもの。
「よし」からできる「すだれ」や「よしず」
すだれ 簾
夏に日よけや目隠しなどに使う「すだれ」。
「すだれ」は、「よし」や「竹」から作られています。
「すだれ」を作る際の「よし」は、90%が国産の「よし」を使います。
夏に緑色をしていた「よし」が秋や冬を越し、春になる2月から3月に水分の抜けた茶色くなったものを収穫し、ねかせてから「すだれ」にします。
「すだれ」についてはこちら ↓↓↓

よしず 葦簀
「すだれ」に似たもので、「葦簀(よしず)」があります。
「よしず」は、「すだれ」と同じく「よし」から作られています。
「よしず」は、「すだれ」よりも大型で、立て掛けて使われたり、塀やフェンスとして目隠しの役割りをしたりします。
長野県飯山市の中央橋では、「よしずばり」といって、11月から3月の間、よしずを橋の南側180メートルに渡り取り付け、歩行者などを風や雪から守る役割をします。
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