【季節の花図鑑「アオイ科のお花たち」】アオイ科のアオイのお花たちと、アオイ科でないアオイのお花たち

 6月に咲く花

夏に華やかに咲く「葵(あおい)」のお花たち。

葵(あおい)というと、ムクゲやフヨウ、タチアオイなどを思い浮かべます。これらは「アオイ科」の植物になります。

アオイ科のお花たちの種類も多いのですが、アオイ科ではないのにアオイと名の付く種類もあります。その中には、徳川の御紋で有名なアオイの姿もあります。

それぞれの特徴を紹介します。




もっと知りたい「アオイ科のお花たち」

アオイ科のお花たちは、夏に元気をくれる華やかなお花たちばかりです。

どのお花もとても似ているので、どれがどれかわからなくなってしまいます。ほんの少しの違いなので、それぞれ特徴をおさえておくのがよいのかもしれません。

アメリカフヨウ アメリカ芙蓉

アメリカフヨウ20240704桜包みの公園
お花が約30センチもある大きなアメリカフヨウ 2024年7月4日

◆別名

「草芙蓉(くさふよう)」

◆原産

北アメリカ。

◆科属

アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)。

◆分類

宿根草。

◆何年草か

多年草。

◆歴史

昭和初期に日本に渡来。

◆草丈

約1~2メートル。

◆葉

大きなものは縦横約20センチにもなります。卵型。冬は、落葉します。

◆つぼみ

アメリカフヨウつぼみ20240704桜づつみ公園
アメリカフヨウつぼみ 2024年7月4日
間もなく開花アメリカフヨウ20240704桜づつみ公園
まもなく開花のアメリカフヨウ 2024年7月4日

◆開花時期

7月上旬~9月。

◆開花期間

花は、1日花です。ただ、つぼみもたくさんあり、次から次へと咲きます。

◆花径

写真のものは、直径約30センチの大きさでした。

◆花の色

白、ピンク、赤があります。開花の写真は、白に見えますが、ほんのりピンク色をしていました。

◆花びら

一重咲き。5枚。

イチビ

◆英名  Indian mallow

◆別名  「桐麻(キリアサ)」「莔麻(ボウマ)」

◆原産 インド

◆科属 アオイ科イチビ属。

◆何年草か 一年草

◆草丈 2メートルにもなります。

◆開花時期 8月~9月

◆花の色 黄色 

ウスベニタチアオイ 薄紅立葵

ウスベニタチアオイ20250421蓮華寺池公園
2025年4月21日

◆英名 Marsh mallow

◆別名 ビロードアオイ

◆科属 アオイ科ビロードアオイ属

◆何年草か 多年草。

◆草丈 約1m。高さもお花の大きさもタチアオイを小さくした感じです。

◆開花時期 4月~6月

◆花径 約5センチ。

◆花の色 薄いピンク色。

◆いけ方 切り花にしても、とてもよく持ちます。

◆原産 ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ原産。

◆エピソード 薄紅立葵の根の液体から「マシュマロ」が作られていました。

ウスベニタチアオイ20250421蓮華寺池公園
2025年4月21日

オクラ

◆科属 アオイ科トロロアオイ属。

◆茎 草の茎ですが、しっかりと太さのある茎です。

◆花 

オクラ20200709
オクラの花 2020年7月9日
オクラ20220926中土狩マックス裏
オクラの花 2022年9月26日

◆花径 約10~15センチ。

◆花の高さ 約70~80センチ 

◆花の色 クリーム色や黄色っぽい色。

◆花の特徴 

オクラのお花自体、食べることができます。開花の時期になるとファーマーズマーケットなどで販売されます。

ケナフ

◆別名 ホワイトハイビスカス

◆原産 アフリカ

◆科属 アオイ科フヨウ属。

◆何年草か 1年草

◆草丈 3mにもなる。    

◆茎 太さ3~5センチ

◆花びら  5枚

◆花の色 白、クリーム色 

◆花の特徴 春に種を蒔き、4~5ヶ月で茎から紙の原料の繊維が収穫できる。

スイフヨウ 酔芙蓉

◆原産 中国

◆科属 アオイ科フヨウ属 

◆品種・系統 落葉低木  

◆交配 「芙蓉」の園芸品種

◆丈 1~4メートルにもなる  

◆開花時期 7月~10月

◆開花期間 1日花 

◆花径 8~10センチ  

◆花びら ほとんどが八重咲き。たまに一重もある。

◆花の色

花の色が、朝白、昼過ぎにピンク、夕方には濃いピンクと変化します。お酒に酔った人のように色が変わるので「酔芙蓉」と名付けられました。

酔芙蓉20241011サナダさん
開花 2024年10月11日
酔芙蓉20241011サナダさん
花の終わり 2024年10月11日

残念ながら、ピンクになった花の色の写真は撮れず、しぼんでしまった状態となってしまいました。

◆栽培方法・注意 植え替えは3月~5月がよい。

◆花言葉 「幸せの再来」「心変わり」

◆酔芙蓉を育ててみたくなった方はこちらからお取り寄せできます。 ↓↓↓

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タカサゴフヨウ 高砂芙蓉

高砂芙蓉20240718桜堤の公園
高砂芙蓉 2024年7月18日

◆別名 ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)

◆原産 南アメリカ(ブラジル、ボリビア、アルゼンチン)原産。

◆科属 アオイ科ヤノネボンテンカ属

◆分類 落葉低木樹

◆樹高 約1~4メートル。

◆名前の由来 高砂は台湾のこと。台湾の芙蓉ということです。

◆葉 葉の幅約1~2センチ、長さ5センチほどの細長い三角形。

◆つぼみ

高砂芙蓉のつぼみと葉20240718桜堤の公園
高砂芙蓉のつぼみと葉 2024年7月18日

◆開花時期 7月~9月。

◆開花期間 1日花。朝開花すると夕方にはしぼんでしまいます。

◆花径 約5センチ。

◆花の色 白。中心部は、濃い赤褐色。花の裏には、赤い筋が入っています。

タチアオイ 立葵

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ハイビスカス 

ハイビスカス20220927みしま接骨院前
ハイビスカス 2022年9月27日 

◆科属 アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)。

◆歴史 

江戸時代には、「扶桑」と書いて「ハイビスカス」と呼んでいたようです。『徳川実紀』には、慶長14年(1609年)に島津家から徳川家に献上された記録があり、その頃には、ハイビスカスが日本にあったということです。洋花の印象が強いハイビスカスですが、江戸時代にも愛されていたとは、びっくりです。

ハイビスカス20060814タイ

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ムクゲ 木槿

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モミジアオイ 紅葉葵

もみじあおい20220728静鉄南側
モミジアオイ 2022年7月28日

◆英名 Hibiscus coccineus

◆別名 「紅蜀葵 こうしょっき」

◆原産 北米

◆産地 有名な場所

◆科属 アオイ科フヨウ属

◆毎年花を咲かせる宿根草。多年草。

◆茎 直立。 

◆葉 紅葉のような形。名前の紅葉は、葉の形からきている。

◆草丈 1.5~2メートル 

◆開花時期 7~9月

◆花径 15~20センチ  

◆花びら 5枚。フヨウ属なのに1枚づつ離れている。

◆花の色 濃いピンクもしくは赤。緋色。

希少な「もみじあおい」の白を育ててみませんか。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

ワタ 綿

◆原産 熱帯、亜熱帯地域原産

◆科属 アオイ科ワタ属。

◆品種・系統 ワタ属は約40種。

◆何年草か 多年草

◆草丈 60~150センチ

◆開花時期 7月~11月

◆花びら 一重咲き

◆花の色  淡い黄色

◆花の特徴 お花よりも、花後の綿糸の方が、お花のアレンジや綿として扱われます。

葵(あおい)と名が付くのに「アオイ科」ではないお花たち

葵(あおい)という名は付きますが、上記アオイ科の仲間でないお花たちです。

カンアオイ 寒葵

「寒葵」は、葵という名前が付いていますが、アオイ科のお花ではなく、ウマノスズクサ科カンアオイ属のお花です。詳しくはこちら ↓↓↓

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シラネアオイ 白根葵

日本の山野草を代表するお花。

◆和名の由来 日光白根山に多く自生することからこの名がついたとされます。

◆科属 シラネアオイ科シラネアオイ属。

◆自生場所 日光の白根山ほか。

◆花の色 白、紫。花粉が黄色。

フタバアオイ 双葉葵 二葉葵

徳川の御紋で有名な「フタバアオイ」は、ウマノスズクサ科カンアオイ属(フタバアオイ属)です。

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明日はどんな手仕事する?

アオイ科のお花たちは、暑い時に元気をくれる華やかなお花たちばかりです。ただ、1日花であるものが多く、切り花にするには、可哀想な気もします。

切り花としてでなく、地に付いたお花たちを観賞するのがよいのかもしれません。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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