冬の七草とは
「冬の七草」は、2つあります。
1つは、冬に咲く草花の「花の冬の七草」です。
もう1つは、冬至の時に食べる「冬至の七種」と言われる「食の冬の七草」です。
「花の冬の七草」と「食の冬の七草」で紹介させていただきます。
「花の冬の七草」の七種類
「花の冬の七草」は、12月から2月頃に咲くと思われる7種類の草花のことです。思われるというのは、旧暦の冬の頃に咲いていたものなども含まれ、現代の冬には咲かないものなどもあるからです。
最近では、見かけることがないお花なども入っています。
①蕗の薹(ふきのとう)

1月下旬から2月頃に出てくる「蕗の薹(ふきのとう)」は、正確にいうと「蕗の蕾」になります。
「蕗の薹」が伸びて、3月頃に「蕗の花」が咲きます。
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蕗が育つ姿や「蕗の花」についてはこちら ↓↓↓

②福寿草(ふくじゅそう)
福寿草は、2月頃に開花します。
旧暦のお正月(2月)の頃に咲くお花なので、別名「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」と言われます。
江戸時代の園芸ブームの頃には、福寿草がお正月のお花として飾られていました。
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③節分草(せつぶんそう)
節分草は、文字通り節分の頃に咲くお花です。
節分草とはいえ、咲くのは2月の節分の時だけです。他の5月、8月、11月の節分の時には咲きませんのでご注意ください。
キンポウゲ科セツブンソウ属。2センチほどの白い花びらのお花です。
➃雪割草(ゆきわりそう)
雪割草は、北陸や東北地方などの寒い地域で3月頃に咲く、キンポウゲ科ミスミソウ属のお花です。
ピンクや白、紫色をした小さなお花です。
⑤寒葵(かんあおい)
寒葵は、9月頃から咲き始め、3月くらいまで咲き続けます。枯れ葉に埋もれているように花が咲きますので、野で見つける際には、ハート型をしており、深い緑色の葉を探しましょう。
寒葵は、葵という名前が付いていますが、アオイ科のお花ではなく、ウマノスズクサ科カンアオイ属のお花です。葉の形がアオイの葉に似ていることから、この名が付けられました。
夏に咲く「アオイ科のお花たち」についてのまとめ記事はこちら ↓↓↓

⑥寒菊(かんぎく)

寒菊は、1月の寒の頃に咲く菊のことを言います。
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⑦水仙(すいせん)

ここでいう水仙とは、「日本水仙」のことを示しているのだと思われます。
日本水仙は、水仙の中でも開花が早く11月下旬から12月頃には、花を咲かせます。
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「食の冬の七草」の七種類
昔は、二十四節気の1つである「冬至」は、1年で一番陽が短く、陽が一番弱かったことから、死に一番近い日とされていました。そのために、柚子湯に入ったり、縁起担ぎのために「ん」が2つつくもの七種類を食べて、無病息災を願って、運気を呼び込みました。
この七種類の食材を「冬至の七種」「冬の七草」「運盛り(「ん」が2つ付き、運が2倍に盛られるから)」と呼びます。
春の七草粥のように、7種類の食材を使って1つのものを作るというわけではなく、いくつかの料理の中で7種類を使うと運気が上がるといったもののようです。
下記の7種類のうち、「寒天」や「うどん」の代わりに、「ん」は2つ付きませんが、季節柄「大根」や「こんにゃく」が入るところもあります。
①南京(なんきん)

南京とは、かぼちゃのことです。
冬至には、「冬至かぼちゃ」と呼ばれ、かぼちゃを食べると言われています。
実はかぼちゃの旬は、秋です。かぼちゃを育てたことがある方はご存じだと思いますが、かぼちゃの収穫は晩夏から秋になります。私も夏にかぼちゃを収穫した覚えがあります。
また、ハロウィンが、モチーフとして「ジャックオーランタン」をかぼちゃで作りますので、ハロウィンといえば、かぼちゃというイメージがあります。
そして、かぼちゃで作る「パンプキンパイ」といえば、感謝祭(サンクスギビングデー)です。アメリカでは、ハロウィンというよりは、感謝祭の時にパンプキンパイを食べるイメージがあります。日本では、ハロウィンに食べるようですが…
では、なぜ、旬のものでもないのに、冬至にかぼちゃを食べるのかということです。
かぼちゃは、保存性の高い緑黄色野菜で、冷蔵庫がない時代にも、長い間保存ができた野菜のひとつでした。そんな冬場に、栄養を摂るのに、炭水化物、βカロテン、カリウム、ビタミンⅭ、ビタミンEなどを豊富に含むかぼちゃが最適だったからです。
今では、かぼちゃだけでなく他の野菜も、ハウスなどで栽培されており、1年中お見掛けするようになりました。保存ができるとか、栄養価が高いなどは関係なく、常に物が手に入る便利さに感謝するとともに、不憫な頃の正しい情報も心しておきたい気がします。
それでは、かぼちゃのレシピです。大好きな簡単なかぼちゃの濃厚スープのレシピです。
《 材料 4人分 》
かぼちゃ 500g
牛乳 500cc
コンソメ顆粒 小さじ1
バター 10g
塩コショウ 少々
薄力粉 大さじ1
《 作り方 》
①かぼちゃの皮をむき、1cm角にざっくり切ります。
②かぼちゃを火が通るまで蒸します。時間がない方は、レンジ600wで4分。蒸した方が、滑らかなスープができます。レンジだと、硬いところが残ります。(写真参照)

③かぼちゃを潰します。ミキサーがあればかけるとより滑らかになります。
④かぼちゃを鍋に入れ、薄力粉をふるいにかけながら入れ、混ぜます。
⑤牛乳を3回に分けて加えます。
⑥中火で沸騰直前に弱火にし、コンソメ、バター、塩コショウを加え、かき混ぜます。
かなり濃厚なかぼちゃのスープです。
②蓮根(れんこん)
蓮根は、秋から冬が旬になります。
蓮の地下茎が生長した芋のようなもので、蓮の美しい花とは違い、穴がごつごつ開いた野菜です。この穴は、根に空気を送るための、通気孔の役割を果たしていて、発育を助けています。
しゃきしゃきとした食感がクセになりますが、摺り下ろして蒸すともちもちになる不思議な野菜です。冬になるとなぜか毎年蓮根餅が食べたくなります。
③人参(にんじん)
人参は、秋から冬が旬になります。
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➃銀杏(ぎんなん)
銀杏は、銀杏拾いをするのが9月から10月になり、下処理を行い、乾燥させておいて、冬に食べたのでしょう。
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⑤金柑(きんかん)
金柑は、早いものなら12月には収穫ができます。冬至の頃に食べられていておかしくはないと思います。
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⑥寒天(かんてん)
今では、夏に冷やして食べる印象の強い寒天ですが、「寒」という名前のように、冬場に作られます。また、冷蔵庫がなかった時代には、寒さで寒天が固まったことから、冬場に食べられていたようです。
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⑦饂飩(うんどん・うどん)

みなさんも普段からよくお昼ご飯などにお世話になる「うどん」ですが、漢字で書くとこんな字を書きます。読み方としても「うんどん」と読み、「ん」が2つ付く食べ物となります。
季節を問うものではありませんが、「冬至の七種」に選ばれているということは、寒い冬に暖かい「饂飩」を食べていたのは、昔から変わらないことのようです。
おまけ 大根(だいこん)
「ん」は2つ付きませんが、大根が入っている地域もあるとのことで、大根の紹介です。
冬至の頃の大根は、とてもみずみずしくて美味しいです。
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おまけ 蒟蒻(こんにゃく)

こちらも「ん」は2つ付きませんが、こんにゃくの紹介です。
こんにゃく芋は、10月中旬から11月頃に収穫されます。芋と呼ばれるものの中でも、随分大きい直径20~30センチにもなるお芋です。
普段食べるこんにゃくになるまでには、大変な手間がかかります。芋をすり、練り、凝固剤を入れて固め、茹でます。ぜひ、作れるようになりたいものです。
「冬至こんにゃく」とも言われるように、冬至に食べるには、ちょうど旬な食材です。
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