【季節の花図鑑「金木犀(きんもくせい)」】2里先まで甘く幸せな香りが届くという秋らしい金木犀の花

10月に咲く花




金木犀の歴史

「金木犀」は、『万葉集』(759年頃編纂・奈良時代末期・歌集)に登場します。『万葉集』では「つきひとのかつら(月人の楓)」という名で登場します。「つきひとのかつら」とは、実在する植物ではないといわれており、中でも「金木犀」であるという説があります。

ただし、江戸時代初期に中国から渡来したという説もあります。

金木犀とは

金木犀20211004おおとり荘
2021年10月4日 

木犀の原産

木犀は、中国西南部の原産です。

中国語で木犀のことを「桂」と言います。中国の桂林という都市は、木犀が有名です。

中国での木犀の種類として、下記の種類があります。

◆日本名「ウスギンモクセイ 薄銀木犀」 中国名「金桂」。中秋の頃に咲きます。

◆日本名「キンモクセイ 金木犀」 中国名「丹桂」。

◆日本名「ギンモクセイ 銀木犀」 中国名「銀桂」。晩秋に咲きます。

金木犀の科属

モクセイ科モクセイ属。

金木犀の分類

常緑高木樹。雌雄異株です。日本へは、中国から雄株しか渡来してきていないため、日本では雌雄異株とはいえ、雌は見たことがないかと思われます。

金木犀のお花の名前の由来

中国では、幹の肌の模様が動物の「サイ(犀)」の肌の模様に似ていることから、「木犀」と付いたようです。日本では、この漢名の「木犀」を音読みで「もくせい」といいます。

金木犀の季語

季語は、秋です。

金木犀の花言葉

「謙虚」

「気高い人」

「真実」

金木犀は三大香木のひとつ

金木犀は、春に咲く沈丁花、茄子に咲く梔子(くちなし)と共に、三大香木のひとつになります。

金木犀20211004おおとり荘
2021年10月4日 

金木犀の出生とその姿

金木犀20221001高木さんち
2022年10月1日 

金木犀の幹

幹の肌の色は淡灰褐色で、この幹の肌の模様が動物の「サイ(犀)」の肌の模様に似ています。

金木犀の枝

金木犀の枝は、物凄く硬いため、切りにくいことで有名です。

金木犀のつぼみ

つぼみ20231016みねた
2023年10月16日 

金木犀の開花時期

9月下旬~10月中旬

金木犀20221001高木さんち
2022年10月1日

金木犀の花径

金木犀20171010みねた
2017年10月10日

金木犀の花は、直径にしても1センチ程の小さな花です。

金木犀の花の色

金木犀の花の色は、橙黄色です。

金木犀の花の咲き方

金木犀20211004おおとり荘
2021年10月4日 
金木犀の花20221001高木さんち
2022年10月1日 

金木犀の花は、葉の付け根ごとに多数の花がまとまって咲きます。




金木犀の花の香り

とても強い香りがします。ただ甘い香りなので、幸せな香りです。離れていても、金木犀が咲いたことがわかるくらい、香りが周囲に広がります。

金木犀の花の特徴

金木犀は、咲いた後で雨風に当たると、あっけなく散ってしまうのも、特徴です。

金木犀の綺麗な場所、名所

三嶋大社の金木犀

三嶋大社の金木犀20221103
2022年11月3日

「金木犀」といえば、静岡県三島市にある三嶋大社の金木犀が有名です。三嶋大社には、樹齢1200年にもなる大きな金木犀があります。国の天然記念物に指定されており、9月頃と10月頃の2回咲く2度咲きの金木犀です。昔は、この開花時期になると、2里先までその芳香が届くといわれました。2里とは、今でいう約8km。三島市どころか、その周辺まで香りが届いていたことになります。

三嶋大社の説明20221103
2022年11月3日
三嶋大社の石碑20221103
2022年11月3日
三嶋大社の金木犀20231016
2023年10月16日 今年も遅かった三嶋大社の金木犀
三嶋大社の金木犀20221103
2022年11月3日

痛々しい姿です。

金木犀のおすすめの逸品

「金木犀」の苗木をこちらからお取り寄せができます。育ててみたいと思われた方はご覧になってみてください。↓↓↓

お花の関連記事

◆「お花の名前別まとめ(写真付き)」の記事はこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「お花の種類一覧」】お花の名前約300種以上!ここから見ればお花のことが調べられます!
お花の仕事をしているからか、撮りためた写真は数え切れず。直近8年程の写真を季節の花図鑑として、約300種程のお花の名前別の写真集にしてみました。写真からお花の名前を知ることもできます。それぞれ記事にしてあるものはクリックしてご覧ください。

◆「お花の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

お花の季節の手仕事
お花を上手に生ける上で知っておくとよいことは、そのお花がどのように芽がでて、葉が開き、茎が伸びて、花が咲き、かれていくのかを知ることです。出生を知ることで、そのお花のいけ方や活かし方がわかります。お花が咲く本当の季節もお花別に紹介します。

季節の手仕事の関連記事

◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓

季節の手仕事カレンダー
季節の手仕事をまとめた月ごとに「季節の手仕事カレンダー」。これを見るだけで、季節の手仕事を忘れずにできます。季節を感じながら、楽しく季節の手仕事をしましょう。

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

食材別の季節の手仕事
季節の保存食を作るのに必要なメインの食材を、食材別で紹介しています。野菜、山菜、野草、果物など分野に分けております。それぞれの食材が育つ姿、本当の旬、収穫方法、アク抜きや下処理、保存食のレシピやメニューなど、季節の手仕事を紹介しています。

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

和菓子の季節の手仕事
和菓子で季節を感じるために、行事食など特定の日に食べる和菓子、季節の和菓子の種類、1年中食べられる和菓子の種類、地域の和菓子の種類などを紹介。高級なイメージのある和菓子ですが、普段使いの和菓子もたくさんあり、和菓子がもっと身近になります。

◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

暦としつらえの季節の手仕事
二十四節気、七十二候、五節句、節供、雑節などの暦に沿って季節を感じられるよう、カレンダー式に紹介。それぞれの暦の行事食、その時期に旬を迎える食べ物や和菓子、お花やしつらえなどの関連を含めた季節の手仕事を紹介。しつらえるものについても紹介。

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

おすすめの食材店と道の駅
旬の食材を探しに行くのにマストな探し方は、農家さんが作っているものを持ち込む、道の駅、旅の駅、村の駅、川の駅、ファーマーズマーケットです。手に入らない食材の宝庫です。また、個人的によく利用している地元の食材のお店もご紹介しています。



20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

asunaniをフォローする
10月に咲く花
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました