【花の歴史「日本原産のお花」】意外にも少ない日本原産のお花や植物を紹介!

 1年を通してどの種類かがさいている花

お花の歴史を語る上で忘れてはいけないのが日本原産のお花です。ただし、日本原産のお花が少ないことは、本当にびっくりします。ほとんどが、海外から伝来したお花になります。そこで、日本原産のお花や植物の紹介です。




日本原産とは

「日本原産」というと日本で生まれ、日本で育ったという解釈になりがちですが、植物学上ではより細かい解釈があります。

遺存種(いそんしゅ)

2000万年以上前、日本列島はアジア大陸の一部でした。1500万年前頃に、アジア大陸から離れ、現在のような島国の日本ができたと言われています。

「遺存種」とは、この日本がアジア大陸と陸続きだった頃からある植物で、陸が離れてもそれぞれもしくはどこか一部で生存し続けた植物になります。

具体的には、カツラ、トチノキ、クリなどが「遺存種」と言われています。

固有種(こゆうしゅ)

日本にしか存在しない植物。

例えば、屋久杉は屋久島にしかない「固有種」。他にも、ニホンカエデ、アマギツツジなどが「固有種」です。

在来種(ざいらいしゅ)

外国から人が持ち込んだものではない、もともと日本に自然分布していた植物となります。

日本原産と言われている植物

上記の通り、「日本原産」という表現はかなり曖昧な表現にはなります。例えば、百合は、外国にも古くからたくさんの種類がありますので、百合の原産は日本ではないのですが、日本原産の百合の種類があるという意味で、ここに載せたりもしています。難しい分類の仕方ではありますが、「外来種」ではない植物という意味で捉えていただいても良いのかと思われます。あいうえお順で並べてあります。

あやめ 文目 綾目 菖蒲

あやめは、日本にもともと自然分布していた在来種となります。

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かきつばた 杜若 燕子花

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かくれみの 隠蓑 

日本の固有種。ウコギ科。「かくれみの」の名前の由来は、葉の形が昔の雨具であった「蓑(みの)」に似ていることからつきました。その葉は肉厚で、光沢があり、滑らかな皮のようです。夏に黄緑色の花が球状に集まって咲きます。実は、緑色から黒に変化します。

「かくれみの」は、「みつながしは(御網葉)」という名で『日本書紀』(720年編纂・歴史書)、『万葉集』(759年頃編纂・奈良時代末期・歌集)に描かれています。

かつら 桂

「桂」は、日本と中国に自然分布する在来種であり遺存種でもあります。

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ききょう 桔梗

桔梗は、東アジアに自生する植物で、日本の固有種でもあり在来種でもある植物です。

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くり 栗

世界中には、栗の種類がたくさんあります。それぞれに特徴がある遺存種となります。

日本では、山に自生する自生種として「柴栗・芝栗(シバグリ)」「山栗(ヤマグリ)」があり、これを改良したものが「日本栗」、所謂「和栗」です。

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さくら 桜

「桜」は、日本にもともと自然分布していた在来種となります。

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しきみ 樒

しきみ20230211萩の菊池さん宅前
2023年2月11日

春に花を咲かせる「しきみ」。別名が非常に多く、たくさんの呼ばれ方をします。秋には八角のような星型の実がなります。常緑の葉が、仏事に使われます。『万葉集』(759年頃編纂・奈良時代末期・歌集)にも詠まれ、日本原産とされます。

すみれ

日本には50種以上の原種が自生しています。『万葉集』(759年頃編纂・奈良時代末期・歌集)にも詠まれている古くからあるお花。多年草ですが、数年で絶えてしまうの毎年種を取って育てるのがおすすめです。

たちばな 橘/はなたちばな 花橘

古くから日本に自生。日本のすべての柑橘の原種と言われています。

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つつじ 躑躅

奈良時代末期の759年頃に編纂された『万葉集』にも載っています。

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「アマギツツジ」は固有種です。

つばき 椿

「椿」は、日本と中国に自然分布する在来種。

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トチノキ

遺存種。




ニホンカエデ

「ニホンカエデ」は、日本の固有種です。『万葉集』にも登場します。

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フタバアオイ 二葉葵 双葉葵

奈良時代末期の759年頃に編纂された『万葉集』にも載っています。

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ゆり 百合

百合は、日本原産の品種が多数あります。

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日本原産のおすすめの逸品

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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