「すすき」なんてみんな同じ、どこにでもあるじゃない…なんて思いませんか?
実は、すすきって、いけるのがとても難しいです。すすき1本で、その花が綺麗か綺麗でないかがすぐにわかってしまうくらいです。
ここではお花の本などには載っていない、「すすき」を綺麗に飾るためや「すすき」を長持ちさせるための「すすき」の選び方、「すすき」の下処理の方法や「すすき」の扱い方やいけ方・飾り方のコツなどの情報をお伝えしていきます。
すすきの選び方・下処理・いけ方・飾り方のコツ
すすきの選び方のコツ

「すすき」は、どれでもよいというわけではありません。綺麗か綺麗でないかがはっきりしています。
まずはその「すすきの選び方」についてです。「すすき」は、葉選びが一番重要です。
葉は、葉と葉の間隔が狭いものを選びましょう。これが新しく新鮮なものです。間隔が広いものは、伸びきった古いものになります。まずは、写真のような葉と葉の間隔の狭いものを選ぶようにしましょう。
そして、葉が四方に弧を描くようにいけるためには、葉の長さと反り具合のバランスです。葉の長さは、意外にも短いものを選ぶといけやすくなります。長すぎると、全体が大きなお花になってしまいます。気をつけましょう。
すすきの下処理のコツ
「すすき」は、切ってしまうと水が揚がらないため、すぐに乾燥してしまいます。乾燥すると葉がすぐに丸まってしまいます。
葉には、馬油を塗ると乾燥を少しだけ防ぐことができます。馬油がなければ、ハンドクリームに馬油の成分が入っているものがありますので、それを塗り込み少しでも乾燥を防いであげましょう。
その時、直接手で塗るとすすきの葉のサイドで手が切れますので、必ずティッシュペーパーにハンドクリームをたらしてから葉に塗るとケガをしません。
懐かしのハンドクリーム「ももの花」は、馬油の成分が含まれており、「すすき」の乾燥を防ぐことができます。お試しください。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

また「すすき」は、次の日には花穂も開いてしまいますので、できれば当日に用意をするようにしましょう。
すすきの飾り方のコツ
「すすき」は倒したりせず、茎を真っ直ぐいけるのが良いでしょう。茎は真っ直ぐですが、葉が弧を描くように四方に広がると綺麗に飾ることができます。
なるべく茎は短くせず、長めに伸び伸びと飾るようにしましょう。
すすきを飾るおすすめの花器
「すすき」を飾るには、背の高い花器で安定しているものをおすすめします。また、口が広いと飾り難いため、口の小さなタイプがおすすめです。秋にふさわしい茶系が、「すすき」を引き立たせてくれます。
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もっと知りたい「すすき」の魅力
それでは、すすきをいけるコツがわかったところで、すすきのことをもっと好きになって、もっと上手にいけられるようになりましょう。
すすきの漢字
「薄」「芒」
すすきの英名
Japanese pampas grass
すすきの名前の変化
いけばなでは、若い葉のことを「青すすき」、花穂が出るまでを「すすき」、花穂が出ると「尾花」と名前が変わります。
また、「茅(かや)」とも呼ばれます。かやは、屋根に葺く材料として用いられる時の呼び名になります。
すすきの原産地
日本、中国。東アジアに広く分布しています。
すすきの科属
イネ科ススキ属。
すすきの種類

◆のすすき 野芒
一般的なすすき。
◆いとすすき 糸芒
葉が細いすすき。
◆たかのはすすき 鷹の羽芒
葉に淡黄色の矢羽形の斑点があるすすき。 斑入りのすすき。
すすきの歴史
『古事記』(712年編纂。奈良時代初期)に、「すすき」を形容した言葉が出てきます。
『万葉集』(7~8世紀後半に編纂。奈良時代末期)では、「をばな」を詠んだ歌が19首、「はだすすき」が8首、「すすき」が6首、「はたすすき」が2首、「はなすすき」が1首、合計36首詠まれています。中には、山上憶良が秋の七草の句を歌い、「すすき」を秋の七草の1つに数えたものが詠まれています。
すすきの名前の由来
すすきの「すす」は茎がまっすぐにすくすくと立つことを表し、「き」は芽が萌え出でる意味の「萌(き)」からきていると言われています。
すすきの葉・花穂・穂の時期
「すすきの葉(青すすき)」は、7月には出てきます。
「すすきの花穂」は、8月~10月。
「すすきの穂」は10月か11月頃からです。
地域や自生場所にもよるかと思います。ご了承ください。
すすきの利用法
「すすき」は、古くから、屋根材、炭俵用、家畜の肥料、草履、簾(すだれ)、箒(ほうき)などにも使われ、捨てるところなく人間の生活に役に立ってきました。
すすきの季語
大きくまとめると「すすき」の季語は、秋になります。
細かくまとめると、「すすき三秋(さんしゅう)」と言って、旧暦の秋である初秋(旧暦の7月)、仲秋(旧暦の8月)、晩秋(旧暦の9月)にもなります。
また、若い葉のことを「青すすき」といい、こちらは夏の季語になります。
すすきの花言葉
「心が通じる」
「勢力」
「活力」
すすきが綺麗なおすすめの場所
箱根仙石原 神奈川県


「すすき」といったら、神奈川県の箱根仙石原です。広大な敷地にすすきが広がります。歩道がありますので、すすきが生い茂る中を歩くことができます。圧巻です。見頃は9月下旬から10月下旬頃です。
三国峠 山梨県
山梨県と神奈川県の県境付近にある三国峠。ここからは、富士山と山中湖とすすきを合わせてみることができます。見頃は、9月中旬から10月中旬頃です。
川内峠 長崎県
長崎県平戸市にある川内峠は、辺り一面にすすきが広がります。見頃は、11月。
阿蘇 熊本県
3000年前の噴火によってできた「米塚」周辺に、すすきが広がります。見頃は、11月いっぱい。
すすきは「秋の七草」のひとつ
「秋の七草」はご存じでしょうか?
すすきは、「秋の七草」のひとつです。
藤袴、葛、萩、女郎花、すすき、桔梗、撫子の「秋の七草」を含む、「四季の七草」についてはこちら ↓↓↓

すすきをしつらえる行事「十五夜」
「十五夜のしつらえ」として、月の神様の依り代となる「すすき」をしつらえます。
本当は、すすきではなく稲の方がよいのですが、日本で十五夜の頃は稲はまだ収穫前のため、すすきを飾ります。
「十五夜」についてはこちら ↓↓↓

すすきをしつらえる行事「十三夜」
「十三夜」のしつらえとしては、「十五夜」の時にも飾りました「すすき」を高くしつらえます。月の神様の依り代となる「すすき」ですので、高くおおらかにいけましょう。
「十三夜」についてはこちら ↓↓↓

明日はどんな手仕事する?
「すすき」なんてどこにでもあるなんて思ってしまったら、大違いです。いけばなでは秋にはなくてはならない花材なのですが、びっくりするかもしれませんが、野すすきでは、なかなか思う葉の長さ、葉の間隔、弧の描き具合など、思うものが見つからないのが現状です。
それを足を使って探すのがプロなのでしょうが…。山に入るのは嫌いではないので。
でもこれらを知っているだけで、「すすき」を上手にいけられるようになれる気がします。すすきを素敵に扱ってあげてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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