葛は、7月から9月頃に咲くお花が「秋の七草」のひとつです。
根を粉砕し乾燥させると「葛粉」となり、皆様が大好きな和菓子へと変貌します。
2つの顔を持つ「葛」のことを、深堀してみましょう。
もっと知りたい「葛」について
葛の英名
kudzu
葛の別名
「裏見草」
葛の産地・地域
「葛粉」は、奈良の「吉野葛」が有名。
葛の科属
マメ科クズ属。蔓性植物。多年草
葛の名前の由来
現在の奈良県の吉野川上流にあった国栖(くず)という場所が、葛粉の産地だったことから、「くず」という名になったとされます。
葛の自生場所
野山のいたるところに生えています。
葛の効能・薬用
根は「葛根(かっこん)」、花は「葛花(かっか)」、葉は「葛葉(かつよう)」として、生薬にします。風邪の初期症状の時に飲む「葛根湯(かっこんとう)」は、誰もが知っている薬です。
葛の花の季語
秋。
葛のエピソード
「葛」は、秋の七草のひとつです。七草についてはこちら ↓↓↓

葛が育つ姿
葛の葉

1枚の大きさは、横幅約15~20センチ。
和食では、飾りとしても使われます。
葛の葉は、草食動物(馬、牛、ヤギ、うさぎなど)の餌として、好んで食べられています。
葛の茎(蔓)
蔓性。茎の長さは、10メートル以上にもなるといわれ、どこまでも伸び続けます。
葛の花
◆開花時期 7月~9月
◆花径 横幅は3センチ程。長さは約10~15センチ。
◆花びら マメ科のお花の形
◆花の色 赤紫色
◆特徴 甘い香りがします。
◆花の咲き方 下から1つづつ咲いていきます。




葛の実
花の後には、枝豆のような実がなります。
葛の根
長芋のような形をしており、長さも1m以上になります。
葛粉について
「葛粉」は、葛の根(葛根・かっこん)から採る良質の澱粉です。葛の根を粉砕し、澱粉を取り出します。これは、粗葛と呼ばれ、まだ不純物がたくさん含まれています。水に攪拌し、2日間沈殿させる作業を2週間の間に何度も繰り返して、2ヶ月乾燥させたものが「葛粉」となります。この作業は、寒い冬にしか作られません。
「葛粉」は、火を通すと透明感が出て、弾力性に富み、香りが良く、冷やすと白濁するのが特徴です。
滋養がある食材として、古くからいろいろな料理にとろみ付けなどに使われています。和菓子としては、葛餅や葛まんじゅうなど冷やして食べる夏を代表するお菓子に多く使われています。
しかし、「葛粉」の表記には注意が必要です。さつまいもの澱粉などを混ぜた「葛粉」もあります。「本葛粉」の表記のものは、葛の根だけを使った「葛粉」となりますので、選ぶときには、「本葛粉」を選ぶとよいでしょう。
また、奈良県の「吉野葛」が高級品として有名ですが、「吉野本葛」という表記の商品もあります。吉野の「本葛粉」は「国内産100%」と書かれているものに限ります。それ以外は国産と書かれていても、海外とのブレンドであることがほとんどです。
本物の「吉野の葛粉」は、「本葛粉 国内産100%」と書いているものです。ちなみに、お値段もお安くはありません。お手頃な価格のものは、さつまいもの澱粉が入っているものや、国内産100%ではないということになります。
表記が紛らわしいので、念のため、覚えておくと良いかもしれません。
吉野の「本葛粉」ではありませんが、「国内産100%」の「本葛粉」です。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

日本三大葛とは
葛といったら、「吉野葛」が有名ですが、日本三大葛と言われ、「吉野葛」だけでない有名な葛があります。
熊川葛
福井県若狭町で作られている葛です。
古くは、鯖街道を通り、京都にも運ばれていた「熊川葛」。
作るのがあまりにも過酷で、一時期途絶えてしまったようですが、雄志を持った方たちにより復活されたようです。
秋月葛
福岡県朝倉市で作られている葛です。
澄んだ空気と清らかな水、乾燥に適した秋月は、本葛づくりにふさわしい環境が整ったところです。
吉野葛
奈良県吉野地方で作られている葛です。現在、吉野葛を作っているのは、なんと4社だけ。うち2社が奈良県の宇陀市にあります。
上質な葛といったら、吉野葛と言われるほど、有名な葛です。
吉野葛は、栽培しているものではなく、自然に生えているものから作られています。
葛粉を使った和菓子
葛粉を使ったお菓子は人気があり、種類もたくさんあります。お菓子の種類からレシピまで、詳しくはこちらへ↓↓↓

明日はどんな手仕事する?
ぷるん、とろんとした冷えているものが、夏には食べたくなります。葛粉を使った和菓子は、夏には欠かせません。
葛粉を使った和菓子が美味しいのはとても嬉しいことなのですが、環境にも問題があります。
葛粉は、葛の根から採れるものですが、野生の葛は、茎が伸び放題で環境的にも良くないこともあります。秋の七草のひとつとして、綺麗なお花も咲かせてはくれますが、伸び放題になってしまっていることろでは、嫌われているところもあります。
和菓子としても大好きですし、お花も綺麗なので、どうにかならないのか、いつも夏になると悩むところです。何かよいご意見があれば、教えていただけると助かります。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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