【季節の花図鑑「竜胆(りんどう)」】本当の姿を知りたい!秋の代表的な山野草りんどうは本当は可憐なお花

 8月に咲く花


ここではお花の本には載っていない、「りんどう」を綺麗に見せるためのコツや長持ちさせるための下処理の方法、扱い方やいけ方・飾り方のコツなどの情報をお伝えしていきます。




りんどうのいけ方・飾り方のコツ 

アレンジ20181011
2018年10月11日

りんどうのいけ方・飾り方のコツ

りんどうは、お花やさんで販売されているりんどうの姿と自然に自生している姿では、かなりの違いがあります。

お花屋さんで販売されているハウス栽培されたものは、茎も太く力強く、花も段々に咲き、とても強いイメージです。

しかし、自然に自生しているりんどうは、茎も風が吹いたら倒れてしまいそうな細い茎で、お花もたくさんはついていません。どうみても秋に咲くような可憐なお花です。

どちらが良いということではなく、いけ方としては、それをそれぞれに活かしてあげるのが一番良いでしょう。力強いりんどうならば力強く、か弱く可憐ならば可憐にいけてあげることです。 

りんどうの水揚げ 

りんどうの水揚げは、悪くはありません。安心して使ってください。

りんどうのおすすめの花器 

力強いりんどうは、長いままいけられるこんな花器が似合います。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

自生している可憐なりんどうは、こんな花器が似合います↓↓↓

もっと知りたい「りんどう」 

それでは、りんどうをいけるコツがわかったところで、りんどうのことをもっと好きになって、もっと上手にいけられるようになりましょう。

りんどうの別名

別名は、「胃病み草(イヤミグサ)」「疫病草(エヤミグサ)」。

平安時代の頃には、「苦胆(くたに)」「小丹(こたに)」と呼ばれている旨が『源氏物語』にあります。

りんどうの原産

アフリカ以外の亜熱帯かた熱帯地域が原産。

りんどうの産地・生息地

日本では、長野県、熊本県が有名です。

りんどうの科属

リンドウ科リンドウ属です。

りんどうの品種

◆蝦夷竜胆 えぞりんどう 

北海道だけでなく、長野県富士見町入笠湿原(標高1740m)にも自生。8月下旬開花、9月中旬頃までが見頃。ホソバエドリンドウの変種。

◆御山竜胆 おやまりんどう 高

山性のりんどう。長野県などに自生。

◆ささりんどう

◆とうやくりんどう 

長野県に自生。

◆深山竜胆 みやまりんどう 

長野県に自生。

りんどうの歴史

「りんどう」は、日本文学としては『源氏物語』(1008年頃。紫式部作)に初めて登場します。

『源氏物語』の観賞用の花についてはこちら ↓↓↓

【『源氏物語』シリーズ⑤『源氏物語』に登場する観賞用の花一覧】平安時代と現在の違いやエピソードを紹介
源氏物語に登場する観賞用のお花の植物一覧として、朝顔、双葉葵、あやめ、うつぎ、梅の花、萱草、桔梗、菊、りんどう、桜、笹百合、椿、なでしこ、藤、藤袴、柳、山吹、女郎花などを紹介しています。

また、『枕草子』(1002年頃。清少納言作)には、りんどうの色合いが綺麗であることが描かれています。

『徒然草』にも秋の草のひとつとして「りんどう」が挙げられています。

りんどうの花の名前の由来

「竜胆(りんどう)」とは、りんどうの根(薬)が胆汁のように特別苦いので、当時の最上級の表現である「竜」という字が充てられたとされます。「苦胆(くたに)」は、その苦い胆汁からきています。「苦胆」が「竜胆(りゅうたん)」となり「竜胆(りんどう)」となったとされます。

「小丹(こたに)」とは、りんどうの優しい雰囲気と小さいことを含めて、こう呼ばれたようです。「こたに」とは「くたに」からの転化だと言われています。

りんどうの自生地 

やや乾いた山地や草原に自生。

りんどうは何年草か

りんどうは、多年草です。

りんどうの根

根には苦味があり、薬としても使用されます。




りんどうの開花時期

8月から11月に咲きます。

りんどうの開花期間

切り花としての開花期間は、夏は4~5日、秋は7~10日は枯れずに開花します。

りんどうの花びら

ラッパ型で筒型をしており、5つに分かれています。

りんどうの花の色

紫青色、白、ピンクなど。

りんどうの花の咲き方

りんどうは、陽に当たると花が開きます。雨や曇りの日や夜は花を閉じます。

りんどうの花の特徴

自然のりんどう20211021きょうざんぼう
野に咲くりんどう 2021年10月21日 

お花やさんで販売されている「りんどう」は、茎の太さは1センチくらいで、均等な間をおいて、花が段々に咲いています。これはハウスで栽培された量産された「りんどう」になります。

野に咲く自然に咲く「りんどう」は、茎も5ミリくらいしかない立っていられないようなか細さで、花もその茎に数個咲くだけです。均等に段・段・段とは咲いていません。

りんどうの季語

りんどうの季語は、秋です。

りんどうの花言葉

「正義感」

「勝利」

「的確」

「誠実」

「貞淑」

「淋しい愛情」

りんどうの誕生花

りんどうは、9月の誕生花です。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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