【季節の花図鑑「鶏頭(けいとう)」】花の形が鶏冠のように奇妙な形をして毎年同じ場所に咲く昔からある花

 7月に咲く花




鶏頭の歴史

鶏頭20230808高田さんち
2023年8月8日

鶏頭は、奈良時代に中国を経て渡来しました。

『万葉集』(759年頃編纂・奈良時代末期・歌集)には「からあゐ」という名で登場します。「韓藍(からあゐ)」「辛藍(からあゐ)」「鶏冠草(からあゐ)」という万葉仮名で歌われた歌が4首あり、これは「鶏頭」のことを指しています。この頃、鶏頭の花の汁は、赤くなる塗料に用いられていたことから、情熱的な花の色彩が恋の比喩として表現されていました。

『本草和名(ほんぞうわみょう)』(918年編纂・平安時代・日本最古の本草書)には、「鶏冠草 和名 加良阿為(からあゐ)」とあります。

鶏頭とは

鶏頭20200731三島
2020年7月31日 

鶏頭の漢名

「鶏頭(けいとう)」

「鶏冠花(けいとうか)」

鶏頭の原産

熱帯アジア、インド。

鶏頭の科属

ヒユ科ケイトウ属。

鶏頭の分類

多年草かと思いがちですが、正しくは1年草です。花が終わる頃にできる種子が飛び散り、毎年同じ場所に咲きます。

鶏頭の名前の由来

鶏頭20230912芙蓉台
2023年9月12日

花の色と形が、雄鶏(おんどり)の鶏冠(とさか)に似ているから、この名になったとされます。

鶏頭の季語

「秋」になります。

鶏頭の花言葉

「永遠の愛」

「情愛」

「色あせぬ恋」

「おしゃれ」

「個性」

「気取り屋」

ちなみに中国での花言葉は、少し意味が違うようです。

「役人の出世」

「昇進」

鶏頭のエピソード

鶏頭の花と葉は、アフリカや東南アジアでは、食用とされています。日本でも一時期食用とされていた時期はありました。




鶏頭のお花の出生とその姿

鶏頭20230808高田さんち
2023年8月8日 

鶏頭の草丈

短い約30センチくらいのものから、1メートルほどに長くなるタイプのものもあります。

鶏頭の花について

鶏頭の花は、鶏冠(とさか)部分と思われがちですが、じつは鶏冠部分は花軸の節が石化(帯状化)したものです。柳やエニシダなどの石化柳、石化エニシダなどと同じです。本来の花は、花冠の下部の両側に密集して咲きます。

鶏頭の開花時期

7月上旬から12月頃まで。

鶏頭の花の色

赤、黄色、橙、紫紅、桃色、白などがあります。

鶏頭の花の形

◆トサカ鶏頭

◆久留米鶏頭 くるめけいとう

鶏冠部分がカーネーションのように丸いタイプ。

◆ヤリ鶏頭

◆フサ鶏頭

◆羽毛鶏頭 うもうけいとう

鶏冠部分がふわふわしているタイプ。

鶏頭の種子

種子は光沢のある黒色で小粒です。花が終わる頃に、花の中に見えてきます。

鶏頭の見立て方

鶏頭のいけ方・飾り方のコツ

鶏頭の茎は、とにかく真っ直ぐです。直線的な表現をするにはとても良い花材です。長く大きく使ってあげましょう。

逆に秋に咲く花なのに随分力強く、秋らしく曲線的な表現はできないため、そのような時は短めに使うのが良いでしょう。 

鶏頭のいけ方の注意点

鶏頭の茎は、無理に力を入れるとサクっと折れます。茎が丈夫そうだったり、太いからといって気をぬかないようにしましょう。

鶏頭の水揚げ

水揚げもよく、日持ちもするお花です。使い勝手はとても良いです。 

鶏頭の切り花の選び方 

鶏冠(花冠)部分があまりに大きい場合、全体が大きなお花なら構いませんが、バランスが非常に難しくなります。鶏冠部分を強調する場合は構いませんが、お花全体のバランスをみて、大きさを選ぶと良いでしょう。

鶏頭の品種

鶏頭の園芸品種は、ノゲイトウの改良品種となります。

◆糸鶏頭 いとけいとう

◆ケイトウミックス

初秋から冬にかけて出回る。鶏冠部分が細く軽やか。このタイプは水が下がりやすいので注意。

鶏頭を綺麗に見ることができる場所

◆やまぐちフラワーランド

山口県柳井市。1万本の鶏頭が咲きます。6月下旬~7月上旬までが見頃です。

鶏頭のおすすめの逸品

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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