春に食べることができる山菜は、見つけるのも楽しみの1つです。
ただの草?と思う野蒜(のびる)も、緑の葉の部分は葉ねぎのような香りと味わいがし、白い部分は玉ねぎのようにしゃきしゃきしてとても歯応えのある美味しい春の味です。
もっと知りたい「春の山菜・野蒜(のびる)」が育つ姿

野のどこにでもある細長い葉。長さは30㎝くらいはあるでしょうか。
この根をたどって、枯れ葉をかき分けていくと、細い葉は1つにまとまってねぎのように袴を履き、根元は白くなっています。
この根元をゆっくりゆっくり、優しく優しく抜き上げてあげると、小指の先ほどの玉ねぎのようなものがでてきます。
これが「野蒜(のびる)」です。

強く引っ張ると、すぐに葉が切れてしまいます。なるべく優しく扱ってあげてください。大きなフォークのようなもので、周りの土をほぐしてあげると、採りやすくなります。
まさに、らっきょうや玉ねぎのミニチュアのような感じです。このぷっくりとした部分や緑の葉の部分を食します。
写真の野蒜は、小さくて、直径1㎝くらいのものでした。野蒜は、だいたい1~2㎝くらいの大きさです。
持ち帰ってくるのに、車の中がネギ臭くなるほど、ネギの臭いがします。それだけ新鮮ということです。
注意として、細長い葉の似たような植物は、たくさんあります。葉の形が似ている有毒植物の「タマスダレ」や、小型で葉が細めの「ムスカリ」や「水仙」などがあります。こちらは共に、ねぎの香りがしません。臭いもかいでみて確認するようにしてください。
【季節の手仕事】野蒜の簡単レシピ 「野蒜味噌」《保存食》
野蒜は、味噌との相性が抜群です。長く楽しむための保存食として、野蒜味噌をご紹介します。
《 材料 》
野蒜 10本
ごま油 少々
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ1
味噌 大さじ1
《 作り方 》
①野蒜を綺麗に洗います、外皮も汚いところはむいてしまいましょう。
②1時間ほど水に浸けて、アク抜きをします。

③根を切り落とし、ぷっくり膨らんだ部分をみじん切りします。葉の先までも細切りします。
➃野蒜をごま油で炒めます。お酒を入れてアルコールをとばし、みりん、砂糖、味噌の順で混ぜていき、水分がなくなり、照りが出てきたら完成です。
⑤一晩置いて、味をなじませます。

野蒜が甘くて、春の味です。
【季節の手仕事】野蒜の簡単レシピ 「野蒜のぬた」
「野蒜のぬた」がたまらなく好きです。最高のご褒美、最高の贅沢です。

《 材料 》
野蒜 10本
砂糖 大さじ1
酢 大さじ1
味噌 大さじ1
《 作り方 》
①調味料は混ぜておきます。

②野蒜は、綺麗に洗い、根を落とし、緑の葉の部分も先などを手で摘み綺麗にして、1時間ほど水に浸けておきます。アク抜きになります。


③球状の先から5㎝幅に切っていきます。切ったら、先の球状がついている部分、白い部分、緑の部分で分けておきます。
➃鍋にお湯を沸かし、お塩を少し入れ、野蒜を湯がきます。その際に、ある程度の食感も残したいので、先の球状の部分を入れて、20秒経ったら白い部分を入れ、もう20秒経ったら緑の部分を入れ、20秒経ったら、ザルにあげましょう。茹で過ぎないようにしてください。
⑤湯がいた野蒜と①の調味料を和えるだけです。

しゃきしゃきした野蒜を楽しんください。

ほんの少しの量ですが、大満足です。野蒜は本当に美味しいです。上品なお味がとても贅沢です。
もっと知りたい「野蒜(のびる)」とは
野蒜の科属
ユリ科ネギ属。
野蒜の別名
ひる、ひろ、ひるな、めびる、たまびろ、ほいとねぎ、やまねぎ、やまびるなどといろんな言われ方をします。
野蒜の名前の由来
ひる(蒜)とは、ねぎやにんにくの古名で、生で食べるとひりひりと辛いことから「ひる」というそうです。「野生」にある「ひる」で「野蒜」というそうです。
野蒜の旬
3月~4月に野に生えてきます。
野蒜の形状
葉部分はねぎのように細長いですが、ねぎのように空洞にはなっておらず、小口切りで切った形も三角形をしています。
6月~7月に白い花をつけ、一緒にむかごもつきます。もちろんむかごも食べられます。
野蒜の歴史
野蒜は、『古事記』(712年編纂。奈良時代初期)や『万葉集』(7~8世紀後半に編纂。奈良時代末期)にも登場するくらい古くから食べられている食物です。
野蒜のおすすめの逸品
野蒜と合わせると美味しい、地元のお味噌です。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

明日何する?
春の山菜は、アク抜きなどの下処理が大変なイメージがあり、敬遠される方も多いのかと思います。しかし、この野蒜は、水で浸けるだけだったり、湯がくだけで、アク抜きができるとても食べやすい山菜です。
味噌との相性が良いので、「野蒜みそ」や「野蒜のぬた」のレシピを紹介しましたが、甘酢漬けなどの酢の物、和え物、炒め物、漬物、薬味などとしても食べることができます。
「野蒜のぬた」は、本当に美味しいです。また食べたいのに、希少なのがとても残念です。庭の野蒜がたくさん増えてくれるのを願うばかりです。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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