「空木(うつぎ)」は、小さなかわいいお花の集まりですが、昔から、この花の運命にその年の豊凶がかかっていたなんて、信じられない気がします。
そんな「うつぎ」の魅力に迫ります。
うつぎの歴史
『万葉集』(奈良時代末期に編纂)には24首、『古今集』には2首、『後撰集』、『古今六帖』には6首、『夫木抄』には106首、それぞれ「うのはな(うつぎ)」が詠まれています。
これらには、「うのはな(うつぎ)」と雪、月、波、白髪、ホトトギス、卯の花垣根などとの取り合わせが表現されています。
もっと知りたい「うつぎ」の魅力
うつぎの別名
「卯の花(うのはな)」
「うつぎの花」
「雪見草」 白い花が雪のように見えることから。
うつぎの科属
アジサイ科ウツギ属。
うつぎの分類
落葉低木樹。
うつぎの名前の由来
旧暦の4月(卯月)に咲くことから、「卯の花(うのはな)」と呼ばれていたようです。
現在は、幹や枝の中が空洞になっているため「空木(うつぎ)」と呼ばれています。
うつぎの季語
季語は夏です。
うつぎの花言葉
「謙虚」
「思い出」
「気品」
うつぎのエピソード
「うつぎ」は、その年の豊凶を占う花であったとされます。「うつぎ」がたくさん咲いた年は豊作で、長雨などが続き早く散るようなことがあれば、凶作だと言われていたようです。
うつぎの出生とその姿
うつぎの幹・枝
材質は、空洞になっている割に、硬く、腐り難い。昔から、木くぎや神事のときの杵などに使われてきました。
うつぎの葉
アジサイ科のお花だけあって、葉は紫陽花の葉にそっくりです。
うつぎの開花時期
4月下旬~5月下旬。品種によります。
うつぎの花の色
白い花びらに黄色の花粉。
うつぎのいけ方
うつぎの水揚げ
「うつぎ」は、お水が大好きなお花です。しかし、切り花にしてしまうと水が揚がらずに枯れてしまいます。できるだけ、切り花にはせず、そのまま地についたままにしてあげるのがおすすめです。
うつぎは通用物
「うつぎ」は、木の植物のようですが、枝の中が空洞になっており、木の分類にも草の分類にも所属する「通用物」になります。
「うつぎ」の仲間
一般的に「うつぎ」と呼ばれるアジサイ科ウツギ属に属すのは、ヒメウツギ、マルバウツギなど7種類と言われています。
サラサウツギ 更紗空木
◆別名 「空木の花(うのはな)」、「卯の花(うのはな)」
◆原産 日本。
◆科属 アジサイ科ウツギ属(ウツギの変異種)
◆分類 落葉低木樹。
◆樹高 1~2メートル。
◆名前の由来 花の色合いが、更紗模様のようだから。
◆開花時期 5月。
◆花びら 八重咲き。一番外側の花びらが紅紫色。内側は白。
◆花の咲き方 下を向いて咲きます。
◆花径 約1センチ。
シロバナウツギ 白花空木
◆科属 アジサイ科ウツギ属(ウツギの変異種)
◆分類 落葉低木樹。
◆樹高 約2メートルほど。
◆葉 縁がギザギザしています。
◆開花時期 5月
◆花びら 八重咲き
◆花の色 白
ヒメウツギ 姫空木

◆科属 アジサイ科ウツギ属。 旧ユキノシタ科。ウツギの仲間。
◆自生地 川沿いの岩場などに自生。
◆分類 落葉低木樹。
◆開花時期 4月~5月。
◆花の色 白
◆花びら 一重咲き。5枚。
◆花の咲き方 円錐花序。

マルバウツギ 丸葉空木

◆科属 アジサイ科ウツギ属(ウツギの仲間)
◆葉 ウツギの葉に比べると楕円形状。
◆開花時期 5月

「うつぎ」と名が付く植物
「うつぎ」という名のつく植物には、アジサイ科アジサイ属、アジサイ科バイカウツギ属、ゴマノハグサ科、スイカズラ科、ドクウツギ科、バラ科、フジウツギ科の植物などがあります。
コゴメウツギ 小米空木
◆科属 バラ科コゴメイツギ属。
◆分類 落葉低木樹。
◆名前の由来 空木に似た花をつけることから、この名が付いたとされます。
◆葉 菊の葉のような形をして、それぞれが尖ったギザギザした葉。
◆花径 米粒のように小さな花。
◆花の色 白。
サンシキウツギ 三色空木
◆別名 「フジサンシキウツギ」
◆科属 スイカズラ科
◆分類 落葉低木樹。
◆交配 ヤブウツギとニシキウツギの自然雑種。
◆葉 幅が狭い。
◆花の色 株により花の色が違い、紫赤系、朱赤系、淡朱赤色から紫赤に変化する3つの系統があり、濃淡もあります。
タニウツギ 谷空木

◆別名
「ベニウツギ」 花の色が濃いピンク色をしているから。
「ダニバナ」
「タウエバナ」 田植えの時期に、お花が咲くから。
◆生息地 やや深い山地の谷間に咲きます。
◆科属 スイカズラ科タニウツギ属
◆分類 落葉低木樹。
◆名前の由来 山地の谷沿いの沢などに自生するから。
◆樹高 2~3メートル。
◆葉 楕円形で先が尖っている。長さ6~10センチ、幅3~5センチ。
◆開花時期 5~6月。
◆花径 約3~4センチ。
◆花の形 じょうご型。下を向いて咲く。
◆花の色 ピンク、濃いピンク、赤。
ダルマノリウツギ ダルマ糊空木
◆科属 アジサイ科アジサイ属(アジサイの仲間)
◆花径 ノリウツギの仲間の中でも最も小さい。
ツクバネウツギ 衝羽根空木
◆科属 スイカズラ科ツクバネウツギ属。
◆分類 落葉低木樹。
◆花の色 白。
トウフジウツギ 唐藤空木

◆別名
「リュウキュウフジウツギ 琉球藤空木」中国から琉球を経て渡来した関係で、この名があります。
◆原産 中国
◆生息地 沖縄では野生化しているほどたくさん生息しています。
◆科属 フジウツギ科(ゴマノハグサ科)トウフジウツギ属。
◆分類 落葉低木樹。
◆お花の名前の由来 中国から来たことと、藤の花のような見た目からこの名が付いたとされます。
◆樹高 約2~3メートルほど。

◆葉 細長い楕円形。
つぼみ花アップお花の全体の姿お花の群生

◆開花時期 6~10月頃。
◆花径
花の長さは、約10~20センチ。
筒状の1つ1つの花は、約2~3センチ。
4辺に開いた花びらは、約5ミリほど。
◆花の色 薄紫色で、花びらの内側は紫色
◆花言葉 「恋の予感」
ドクウツギ 毒空木
◆原産 日本。日本固有種。
◆科属 ドクウツギ科ドクウツギ属
◆分類 落葉低木樹。
◆樹高 約1~2メートル。
◆開花時期 4月~6月
◆花の色 黄緑色。
◆実 6月から8月に、赤い実から黒い実に熟しますが、この実が猛毒です。
◆特徴 ドクウツギは、日本三大有毒植物(トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギ)のひとつ。
ニオイウツギ
◆生息地 伊豆七島の八丈島などに生息。
◆科属 スイカズラ科タニウツゴギ属
◆分類 落葉低木樹
◆開花時期 5月中旬頃から。
◆花の色 初めのうちは白から、薄紅色へと変化します。
◆香り 香りがするのが特徴。
ニシキウツギ 二色空木
◆科属 スイカズラ科タニウツギ属。
◆分類 落葉低木樹。
◆花の色 初めのうちは白から、地味なピンクへと変化します。
ノリウツギ 糊空木
アジサイ科アジサイ属のアジサイの仲間「ノリウツギ」についてはこちら ↓↓↓

バイカウツギ 梅花空木

◆別名 「サツマウツギ」「フスマウツギ」
◆科属 アジサイ科バイカウツギ属。
◆分類 落葉低木樹。
◆名前の由来 梅の花に似た花を咲かせることから、この名がついたとされます。
◆樹高 1~3メートル。
◆花の色 白。

ハコネウツギ 箱根空木


◆科属 スイカズラ科タニウツギ属
◆分類 落葉小高木樹。
◆自生 「箱根」という名が付きますが、箱根に自生しているわけではありません。
◆開花時期 5月下旬
◆花の色 初めのうちは白から、濃いピンクへと変化します。
ビロウドウツギ
◆科属 スイカズラ科
◆分類 落葉低木樹
◆葉 ビロードのような質感
◆開花時期 春から初夏
◆花の色 赤色
ヤブウツギ 藪空木
◆生息地 山梨県以西の本州と四国
◆科属 スイカズラ科タニウツギ属
◆分類 落葉低木樹
◆樹高 約2~3メートル
◆葉 楕円形
◆開花時期 5月~6月
◆花の形 鐘状
◆花の色 濃紅色
うつぎのおすすめの逸品
「ヒメウツギ」の苗を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

アジサイ科の関連記事
◆アジサイ科の「あじさい」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

お花の関連記事
◆「お花の名前別まとめ(写真付き)」の記事はこちら ↓↓↓

◆「お花の季節の手仕事」についてのまとめ記事はこちら ↓↓↓

季節の手仕事の関連記事
◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

コメント