【季節の花図鑑「花菖蒲(はなしょうぶ)」】大きく多彩な色で華やかにたのしませてくれる花しょうぶの魅力

 5月に咲く花




もっと知りたい「花しょうぶ」の魅力

花しょうぶの英名 

Iris ensata 

花しょうぶの別名 

「ハナアヤメ」

花しょうぶの科属 

アヤメ科アヤメ属。

花しょうぶは何年草か

多年草です。毎年、楽しませてくれます。

花しょうぶの自生場所 

湿地を好みますが、水中での生育には適さない。陸地でも自生できます。

花しょうぶの歴史 

室町時代の文献「仙伝抄」には、花しょうぶを端午の節句に飾ったことが書いてあります。

堂々とした姿が江戸時代に大流行。さまざまな園芸品種か改良され、鑑賞された。松平定朝(1773~1856)が著した花しょうぶに関する園芸書『花菖蒲培養録』は国会図書館に現存しています。定朝が作出した花しょうぶの新品種は、300種に及ぶと言われ、うち20種は現存している。それらが徳川家の大名に好まれ大名庭園などに植栽された。江戸堀切の菖蒲園は「日本一菖蒲」と言われ、花しょうぶが高い評価を受けた。江戸時代中後期頃より、庶民の間にも普及していった。

花しょうぶの葉 

花しょうぶの葉の繊維が明確です。

葉は直線的。葉の中央に太い脈があります。2本の葉脈が見られる方が表。1本の方が裏です。 

花菖蒲20210609蓮華寺池公園
花菖蒲 2021年6月9日 藤枝蓮華寺池公園

花しょうぶの開花時期 

5月下旬~7月上旬。

花しょうぶの開花の分類名

極早生(ごくわせ) 5月25日頃までに満開を迎える品種。

早生(わせ) 6月1日頃までに満開を迎える品種。

中生(なかて) 6月7日頃までに満開を迎える品種。

晩生(おくて) 6月15日頃までに満開を迎える品種。

極晩生(ごくおくて) 6月16日以降に満開を迎える品種。

花しょうぶの花径 

約10~15センチ。

花しょうぶの花丈 

60センチ~1メートル。

花しょうぶの花びら

花弁の付け根に黄色い模様があります。

花しょうぶの花の特徴

葉よりも花が高くなります。

花しょうぶのいけ方・飾り方のコツ

花しょうぶの飾り方のコツ

花しょうぶは、真っ直ぐに飾るのが綺麗です。

花と葉をセットにして飾るようにしましょう。

短く切り過ぎると花しょうぶらしくないので、切り過ぎには注意しましょう。

いけばなでのいけ方

出生をいかしていけるいけばなのお生花では、「花しょうぶ」は出生に従って葉組をします。

葉組は、必ず付き葉を使い、体は3枚中高で、2枚は前短後長。お互いの葉爪が向き合うようにいけます。

葉脈は、2本が表、1本が裏です。

花は、2本から15本まで用いられます。葉より高く飛び出し、開花が長くつぼみは短く使います。花の長さの差はあまりつけないこと。

いけ方は、直線的です。

配りの時には、葉はT字型に切ります。配りの太さは、花だけで立つ太さにして、葉は添えて入れるだけ。

花しょうぶにおすすめの花器

剣山があるようでしたら、このような花器に真っ直ぐにいけると涼し気です。↓↓↓

花しょうぶの品種

花菖蒲の原種は、「野花菖蒲(ノハナショウブ)」。

色、形、大きさも多様。

多くの園芸種が存在します。

花しょうぶの品種名のタイプ

「長井系タイプ」

「江戸系タイプ」 江戸時代に改良された。

「肥後系タイプ」 花が大輪。

「伊勢系タイプ」




花しょうぶが綺麗に咲くおすすめの場所

北から順になっています。

小田原城址公園 

神奈川県小田原市。

6月中旬が見頃。 

「あじさい花しょうぶまつり」を開催。

加茂花菖蒲園 

静岡県掛川市。

広さ1ヘクタール。

約600種50万本。

見頃は、4月下旬から6月末まで。

修善寺 虹の郷 

静岡県伊豆市修善寺。

広さ6000平方メートル。

約300種7000株。

見頃は、5月下旬から6月中旬。

千古の家

福井県。江戸時代から残る古民家。

20種15000株。

見頃は、6月下旬まで。

西新宿 おじいちゃんとおばあちゃんの花しょうぶ園

兵庫県佐用郡佐用町西新宿。

170種15000株。

おじいちゃんとおばあちゃんたちが育てた花しょうぶです。

津和野城下

島根県津和野町。

城下約150メートル。

約3000株。

見頃は、6月中旬です。

太宰府天満宮

福岡県福岡市。

池の中に花菖蒲が、池の周囲には紫陽花が咲き、両方を一度に楽しむことができます。

大村公園 

長崎県大村市。

広さ9500平方メートル。

約30万本。

見頃は、5月下旬から6月上旬です。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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