「おせち料理」とは、①お屠蘇、②雑煮、③祝い肴(重箱に詰める料理)のことをいいます。
おせち料理のまとめ記事【季節の指標・節供「お正月」⑥元旦の膳(おせち料理)】は、こちら↓↓↓

今回は、おせち料理の中で「③祝い肴」と呼ばれる「重箱に詰める料理」について詳しく紹介していきます。
重箱に詰める料理とは
福が重なるといわれ、重箱に詰めて保存するようになったのは、江戸時代からになります。
日本の料理は、奇数(喜数)を詰めるのが基本ですが、地域などにより詰め方はさまざまです。
おせち料理の重箱は、日本の四季を表す四段に詰めるのが正式とされますが、現代では、三段に詰めるが一般的のようです。また、地域によっては、五段のところもあり、五段目は空にしておくというところもあるようです。
詰めるものは、上から、「壱の重(祝い肴、口取り肴)」、「弐の重(焼き物)」、「参の重(煮物)」、「与の重(酢の物)」とされています。
おせち料理は、たくさんの種類があり、それぞれに意味があります。手を込んで作るものから、お店で揃えてしまいたいものまでありますので、あまり気負わずに年末のスケジュールを立て、できる範囲で揃えていきましょう。
それぞれのお重に入れるものをあいうえお順にしてあります。
重箱に詰める料理 壱の重 「祝い肴三種」
一番上の「壱の重」には、「祝い肴三種」と「口取り肴」を詰めます。
「祝い肴三種」とは、黒豆、数の子、田作りですが、関西では、叩き牛蒡、数の子、黒豆の三種もしくは、叩き牛蒡、数の子、田作りの三種となります。
壱の重 祝い肴 「黒豆」

まめに(勤勉に)働き、まめに(丈夫で元気に)暮らせるように願います。黒豆の黒色は魔除けの色として尊重されています。
壱の重 祝い肴 「数の子」
ニシンはひと腹の卵の数が多いので、これにあやかり子宝に恵まれ子孫繁栄を願います。塩数の子は、水に塩を入れ、一晩浸して塩抜きをします。そのまま鰹節をかけていただくのも良いですが、煮たてたしょうゆ、みりん、酒、出し汁に半日つけるとより美味しくなります。
壱の重 祝い肴 「田作り(ごまめ)」

江戸時代にイワシを肥料にすると豊作になるとの言われから、「田作り」と言われ、五穀豊穣を願います。「五万米(ごまめ)」ともいいます。
壱の重 祝い肴 「牛蒡(ごぼう)・叩き牛蒡(たたきごぼう)」

ごぼうは、地中深くまで根を張るため、「その土地に根を張って末永く繁栄するように」「細く長くいきられるように」などの願いが込められています。また、黒いごぼうが、豊作の時に飛んでくるといわれる黒い瑞鳥(ずいちょう)を示し、縁起がよいとされます。
重箱に詰める料理 壱の重 「口取り肴」
「口取り肴」とは、酒の肴となる料理のことで、紅白かまぼこ、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻き、魚の甘露煮などを奇数種(5品、7品、9品など)詰めます。たくさん種類がある中の一部の紹介です。
壱の重 口取り肴 「いくら」
卵を多く産む鮭にあやかって子宝に恵まれることや、子孫繫栄を願います。
壱の重 口取り肴 「柿バター」

「柿バター」については、【季節の手仕事「柿」⑥干し柿まとめ】にあります。↓↓↓

壱の重 口取り肴 「紅白かまぼこ」

蒲鉾の半円形は、日の出(年神様)を表します。めでたい紅白で、赤は魔除け、白は清浄を意味します。結びを入れた「手綱(たづな)かまぼこ」は、人と人を結ぶ縁を願います。板付きのかまぼこは、ひのき舞台に上がるために必要な勝負運がつくといわれています。
紅白だけでなく、華やかなかまぼこと言えば、富山県も有名です。昆布の消費が多い富山では昆布とかまぼこを渦巻き状に巻き上げた板が必要ないかまぼこがあり、そこから昆布だけでない華やかなかまぼこが出回るようになりました。
京都の「飾りかまぼこ」も有名です。絵馬の形をしたかまぼこの土台にその年の干支が描かれたかまぼこや、小判型、梅型、羽子板型、結びかまぼこなどがあり、かまぼこだけでも華やかになります。
壱の重 口取り肴 「金柑(きんかん)」
保存ができるので事前に作っておける「金柑の甘煮」についての記事はこちら ↓↓↓

壱の重 口取り肴 「栗金団(くりきんとん)」
黄金色に輝く財宝に例え、豊かな生活が送れるよう、金運アップを願います。
「栗きんとん」についてはこちら ↓↓↓

壱の重 口取り肴 「昆布巻き」

「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから長寿を願い、「子生(こぶ)」から子供が生まれるなど、昆布は、おせち料理だけでなく鏡餅やお正月飾りなど、祝い事には欠かせない食材です。
「昆布」についてはこちら ↓↓↓

壱の重 口取り肴 「魚の甘露煮」
壱の重 口取り肴 「伊達巻」

巻き物が書物や掛け軸に通じることから、知識や文化の発達を願います。名称の由来には、伊達政宗の好物だったという説や、普通の玉子焼きより、味、見栄えが豪華なので、「洒落者」を意味する「伊達者」から呼ばれるようになったという説もあります。
壱の重 口取り肴 「錦玉子」

黄身と白身の2色が、金と銀にたとえられます。2色を錦と語呂合わせして、財宝に通じる錦にあやかりたいとされます。
重箱に詰める料理 弐の重 「焼き物」
弐の重には、「焼き物」を詰めます。
三段重の場合は、「酢の物」も弐の重に詰めます。
弐の重 「いかの松笠焼き」
弐の重 「海老の鬼殻焼き」
腰の曲がった海老の様子を老人に見立てて、元気で長生きできるよう願います。
弐の重 「かに」
弐の重 「のし鶏 鶏の松風焼き」
弐の重 「ぶりの照り焼き」
重箱に詰める料理 参の重 「煮物、煮しめ」
参の重には、「煮物、煮しめ」を詰めます。
おせちにかかせない煮しめは、重箱の三段目に入れる定番料理です。根菜類や鶏肉など様々な食材を一緒に煮ることから、「家族が仲良く一緒に結ばれ、末永く繁栄しますように」という願いが込められています。それぞれの具材についてとその意味です。
参の重 「いんげん」

参の重 「慈姑(くわい)」

参の重 「こんにゃく」

真ん中をねじったこんにゃくの結び目と”縁結び”をかけて「良縁や夫婦円満」を願います。
参の重 「里芋」
里芋は、種芋にたくさんの子芋がつくことから、「子宝に恵まれますように」との願いが込められています。



参の重 「しいたけ」

縁起の良い亀甲切りにすることで、亀のように長生きできるようにとの願いが込められています。
参の重 「たけのこ」


参の重 「大根」




参の重 「鶏もも肉」
参の重 「にんじん」
古来より「梅は必ず実を結ぶ」として縁起が良いとされ、梅の花のように飾り切りしたにんじんを「ねじり梅」といい縁起ものとされました。




参の重 「ふき」


重箱に詰める料理 与の重 「酢の物」
与の重には、「酢の物」を詰めます。
酢の物には、健康運アップの効果があるといわれています。
「与の重」の与は、四が「し」とも読めるため、4番目のお重のことを「与の重」といいます。
三段重の場合は、「酢の物」を「弐の重」に詰めます。
与の重 「なます 紅白なます」

お祝いの水引に似て紅白であることから、一家の平和を願う縁起物とされます。
与の重 「すばす 酢蓮」
れんこんは、穴があいていて先が見えることから、「将来の見通しが良くなるように」との願いが込められています。
与の重 「菊花かぶ」

華やかな菊に見立てたかぶは、お正月に旬を迎え、お祝いに飾られます。

おせち料理のおすすめの逸品
おすすめは、重箱です。本当は4段がおすすめなのですが、仕切りの変更が可能なのが、自由がきいて使いやすいですね。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

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