【季節の手仕事「蕪(かぶ)」①かぶまとめ】影が薄い野菜なんて言わせない!かぶは胚軸よりも葉が美味しい

 3月にしたい手仕事

かぶは、白い食用部分もたんぱくで美味しいのですが、緑色をした大きな葉と茎がとても美味しいです。できれば、葉付きのかぶを購入するのが、おすすめです。

そんなかぶの大きな葉と茎の食べ方を中心に、かぶの魅力を紹介していきます。

もう、影が薄い野菜なんて言わせません!




かぶの白い部分は「根」?「実」?

かぶの食用部分である白い部分は、「根」でも「実」でもなく、正確には「胚軸(はいじく)」と呼ばれます。

かぶの「胚軸」とは、葉のついている茎と細長い根をつなぐ部分のことを言います。

かぶ20230120高木さんち畑

写真は、かぶが実際に育っている姿なのですが、根は白い「胚軸」の下についており、土の中に入っており、細長いものです。スーパーなどに並ぶ際には、根は切られて出荷されていますので、あまりお見掛けしないかもしれません。かぶは丸いものと思われがちですが、実際にはそうではないのです。

ここでは、白い部分のことを「根」でも「実」でもない「胚軸」だという意味で、「胚軸」とあえて表現していきたいと思います。ぜひ、覚えてみてください。

かぶの茎や葉は捨てずに食べて!

箱根西麓のかぶ畑20231225
2023年12月25日 箱根西麓 かぶ畑

かぶは、茎や葉がとても美味しいです。下手すると、胚軸より茎や葉の方が美味しいかもしれません。とにかく甘くて柔らかいです。

かぶの茎や葉には、カロテン、ビタミンC,食物繊維が豊富な、栄養価抜群の野菜です。

また、面白いことに、かぶの胚軸が淡色野菜なのに対して、かぶの茎や葉は、緑黄色野菜になります。

ただ茎や葉は日持ちはしませんので、早めにいただきましょう。

かぶの茎や葉のメニュー

20240517
かぶの葉の炒め物

基本的には、緑の葉物野菜と同様に使えます。

◆ 油で炒めて炒め物 チャーハンに入れても美味しいです。

◆塩で揉んでお漬物 糠漬けにすると美味しいです。

◆茹でておかかとお醤油で

◆刻んで汁ものに入れて 味噌汁にも入れてください。

◆鍋ものに入れて

みんな大好き「かぶっぱ」のレシピ(かぶの茎や葉の常備菜)

かぶっぱ

お母さんたちがかぶの茎や葉で必ず作ってくれる「かぶっぱ」をご存じでしょうか。簡単にできて美味しくてご飯が進みます。ご飯にかけて食べます。

《 材料 》

ごま油 少々

かぶの茎や葉 あるだけ

醤油 少々

鰹粉 少々

《 作り方 》

①かぶの茎や葉を1㎝に刻んでおきます。水が揚がっていなければ、水に浸けておくとすぐに元気になります。

②フライパンにごま油をひき、刻んだかぶの茎や葉を入れて炒めます。

③水分が飛んだら、醤油を入れて、鰹粉を振りかけたら出来上がりです。

かぶの簡単メニュー

かぶと呼ばれる食用の白い部分「胚軸」は、淡色野菜になります。

かぶの漬物

かぶの甘酢漬け20231223
2023年12月23日 かぶの甘酢漬け

かぶの漬物と一言で言っても、漬け方の種類はいろいろあります。いろいろ挑戦してみてください。

◆浅漬け

◆酢漬け

◆糠漬け

【季節の手仕事・保存食】かぶの簡単レシピ 聖護院かぶの千枚漬け

大きな聖護院かぶは、赤と白があります。どちらを使ってもよいです。聖護院大根もありますが、聖護院かぶの漬物の方が断然美味しいです。

《 材料 》

聖護院かぶ 2kg

酢 2合

砂糖 500g

塩 50g

昆布 少々

唐辛子 少々

柚子 少々

《 作り方 》

①かぶをスライスします。薄く切ります。千枚にならなくて、大丈夫です。

②かぶを塩もみし、しばらくおいておきます。

③酢、砂糖、塩を水に入れて沸かして溶かします。そのまま冷ましておきます。

➃水分を絞ったかぶ、昆布、唐辛子、柚子をタッパーもしくは保存袋に入れ、②を流し込むだけ。

すぐに食べられますが、日が経つにつれ美味しくなります。

かぶの葉があれば、.葉を加えても美味しくできます。

かぶのスープ系

◆かぶと鱈のスープ

◆みそ汁

◆雑煮

◆シチュー

かぶのスープ

《 材料 4人分 》

かぶ(葉付) 5個 

バター 40g

スープ(チキンブイヨン) 5カップ

塩コショウ 少々

《 作り方 》

①かぶは16等分に、葉は1cm幅に切っておきます。

②鍋にバターを入れ、溶かし、かぶを入れて炒めます。

③かぶに火が通ったら、かぶの葉も加えて炒めます。

④スープを入れ、15~20分煮込みます。

⑤塩コショウして味を調えてください。

かぶのその他料理

◆鍋

◆ポトフ

◆煮物

◆餡かけ

◆ゆず浸し

◆マリネ

◆菊花蕪 おめでたい席などに。

菊花蕪
菊花蕪




もっと知りたい「かぶ」について

とれたてかぶ

かぶの科属

アブラナ科アブラナ属の2年草。

かぶの別名

七草で有名な「すずな」をはじめ、「かぶな」「かぶら」「かぶらな」「ほうさい」「だいとうな」など、呼び名はたくさんあります。品種名ではありません。すべて同じかぶの名前です。

中でもよく聞く「かぶら」は、関西地方や西日本で呼ばれています。品種名に「かぶら」と表記してあるところもあります。その地域で呼ばれているものはあえて変えずに、「かぶら」とさせていただいております。予めご了承くださいませ。

かぶの旬

春かぶの旬は、3月から5月。

秋かぶの旬は、10月から12月。

かぶの選び方

かぶは、大きさによる味の差はありません。白さとハリと艶があるものがおすすめです。ひげ根が少ない方がおすすめです。持った時にずっしりと重いものを選びましょう。

葉は、茎がしっかりしているもの、いきいきとしているもの、緑色の濃いものがおすすめです。

かぶの栄養

かぶは、茎や葉も栄養豊富です。体内でビタミンAに変換されるβ-カロテン、根の4倍のビタミンⅭ、ビタミンⅭとの相乗効果で吸収力がアップするカルシウム、塩分の排出を促してくれるカリウムを多く含みます。

胚軸は、皮にビタミンⅭやカリウムが豊富なので、皮はむかずにそのまま食べてしまいましょう。

かぶの産地

千葉、埼玉、青森が収穫が多い。

かぶの歴史  

かぶは、日本最古の野菜の一つとされています。

『日本書紀』(奈良時代初期720年編纂)には、持統天皇が「五穀を助けるものとして、梨、栗、かぶを植えるように」と記載があります。

平安時代には、葉を「あおな」、胚軸を「かぶら」と呼び、好んで食されていたことが、記載されています。

かぶの収穫方法

収穫前のかぶ20230120
2023年1月20日

写真のように生育していますので、根を抜くだけですので、力はいりません。すっと抜けます。

かぶの保存方法

葉がついたままだと、葉が実の水分を吸ってしまうため、収穫したら、もしくは買ってきたら、葉と実を切り分けた方が良いでしょう。

葉は水分を与えるととても元気になるので、シャキシャキでなかったら、水に浸けてあげましょう。

かぶの連作障害

かぶはアブラナ科のため、連作障害もあります。育てる際には注意が必要です。

かぶの種類

◆分類

かぶの分かれ目の「かぶらライン」があり、若狭湾と伊勢湾を結ぶラインより東側が「洋種系」、西側が「和種系」になります。

◆サイズ

こどもの頃に読んだ絵本「大きなかぶら」にもあるように、大きな「大かぶ」から、「中かぶ」、「小かぶ」、「長かぶ」などに分けられます。

◆色

「白かぶ」「赤かぶ」「黄かぶ」「紅かぶ」「紫かぶ」などがあります。

かぶの品種

「かぶ②株の品種」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「蕪(かぶ)」②かぶの品種】かぶにだって品種はたくさんあります!
かぶの主な在来種は、約80種類もの品種があります。あつみかぶ 温海蕪「温海かぶ」についてはこちら ↓↓↓いしなさかかぶ 石名坂蕪「石名坂かぶ」についてはこちら ↓↓↓おおうちかぶ 大内蕪「大内かぶ」についてはこちら ↓↓↓きょうこかぶ 京こ...

かぶのおすすめの逸品

聖護院かぶのお漬物もよいですが、京都のすぐき菜(かぶ)の漬物もおすすめです。ぜひ一度お試しください。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

明日はどんな手仕事する?

かぶは、絶対に葉付きのものを買っていただきたいです。葉付きなんて見たことないなんて方もいらっしゃるのかもしれません。ファーマーズマーケットや道の駅などでは、葉付きで販売されているものがあります。葉付きの方が、葉も実も楽しめて2倍嬉しいです。

蕪20231115
2023年11月15日

また、写真のように虫に食われている葉は、美味しい証拠です。どんな野菜もそうですが、虫にくわれているものは、美味しい証拠です。逆に全く虫喰いがないものは、農薬をたくさん使っているものになります。なんでも、自然のままのものが美味しいです。

葉も緑の葉物野菜と同じ野菜ですので、捨てるなど勿体ないです。ぜひ食べてみてください。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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