【季節の手仕事「蕗(ふき)」➃蕗】もっと知りたいふき!下処理やアク抜きが大変な蕗の手仕事

 3月にしたい手仕事




蕗の手仕事

「蕗の手仕事」とは、蕗を楽しむにする下処理やアク抜きです。

蕗の皮むきは、手が真っ黒になってしまいます。

地味で大変な作業ですが、これをすれば美味しい蕗を食べることができます。

頑張って蕗の手仕事をしましょう。

もっと知りたい「蕗(ふき)」とは

ふき20250404うち
2025年4月4日

蕗の薹を楽しんだ少し後、葉が出てきて、茎である蕗が伸びてきます。

「蕗」とは、この葉の茎である葉柄(ようへい)のことをいいます。

陽が当たると蕗が赤くなってしまうので、陽が当たらないようにすると綺麗な緑色のままを保つことができます。

蕗は、95%が水分なため、育てる場合も湿気の多いところもしくは、陽が当たらない乾燥しないところで育てるのがおすすめです。

春から7月くらいまで伸び続けます。8月になると、茎も硬くなり、葉も枯れてきます。

うちで採れる蕗は長さ約50センチほどのものですが、「秋田蕗」といって、長さ2メートルにもなる大きな蕗もあります。

愛知県の知多半島で採れる「早生ふき」も、長くて綺麗な緑色をしていることで有名です。

もっと知りたい「蕗の下処理・蕗のアク抜き方法」

「蕗」は、アク抜きが必要です。しっかり下処理をしましょう。

「蕗」は茹でる前に、3、4、5月は塩で、6、7月頃は糠で、8月は灰でアク抜きをすると良いとされています。ただ、糠ならまだしも、灰まではなかなか用意ができませんので、塩でアク抜きしてしまうことがほとんどです。

①茹でる鍋の大きさにざっくり切り、茹でる前に、蕗に塩をこすりつけるようにして、まな板で蕗をゴロゴロします。

②強火で5分ほど下茹でしたら、ザルに上げ、皮をむきます。皮は切り口の先を手で少しはがすと、すーっとむけます。大変ですが、これを全面むきます。皮をむくと、指がアクで真っ黒になります。びっくりしないでください。

③皮をむいたら、2~3時間水にさらして色止めをしておきます。気になる方は、一晩水にさらしておくとよいかもしれません。水が茶色くなりますが、これもアクです。気にせず、水を変えてください。

アク抜きしている蕗

もっと知りたい「蕗」の簡単レシピ

蕗ラー油《保存食》

蕗のおすすめの食べ方は、「蕗ラー油」です。食べ方は、一時期流行った「食べるラー油」と一緒です。ご飯のお供に最高です。冷奴、そうめん、ぶっかけうどんなどにかけても美味しいです。焼きうどんを蕗ラー油で焼いても、お肉につけて焼いても美味しいです。

冷蔵庫で2ヶ月は保存できますが、うちはいつも1週間でなくなってしまいます。

蕗ラー油

《 材料 》 

蕗 150g

葉ネギ 10本

ごま油 100ml

にんにく 1片 みじん切り

生姜 1片 みじん切り

一味唐辛子 小さじ1

砂糖 小さじ1

塩 小さじ1/2

酢 小さじ1

鶏ガラスープの素 小さじ1

醤油 小さじ2

白ごま こさじ1

《 作り方 》

① 蕗のアク抜きと下処理が出来たら、蕗と葉ねぎを1センチ幅に切っていきます。

②蕗と葉ねぎ以外の調味料をフライパンに入れ、弱火で調味料が溶けて混ざるまでゆっくり火にかけてください。火が強いとはねるので注意してください。

③②に蕗と葉ねぎを入れ、5分ほど煮立たせたら完成です。

きゃらぶき《保存食》

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2023年3月31日

きゃらぶきも冷蔵庫にあると便利な保存食です。ご飯のお供にも、少し刻んで混ぜご飯やチャーハンの具にもなる使い勝手のよい甘辛い蕗の保存食です。

《 材料 》

蕗 250g

酒 1/2カップ

水 1/2カップ

しょうゆ 大さじ3

砂糖 大さじ1

赤唐辛子 1/2本 (種は取り除いておきます)

《 作り方 》

①蕗のアク抜きと下処理が出来たら、蕗を4センチ幅に切っていきます。

②鍋に蕗、赤唐辛子、酒、水、しょうゆを半分だけ入れて、火にかけます。煮立ったら、落し蓋をして弱火にします。

③鍋をゆすりながら、残りのしょうゆを少しづつ足していきます。

➃煮汁が1/3くらいになったら、赤唐辛子を取り出し、砂糖と残りのしょうゆを入れ、煮汁がなくなるまで煮ます。

⑤そのまま一晩おきます。

⑥翌日になると、また水分がでてくるので、水を少し足して、弱火で煮詰めます。煮汁がなくなったら完成です。

密封容器に入れて、冷蔵庫で2~3週間はもちます。




蕗味噌《保存食》

蕗の薹味噌と作り方は、ほぼ同じです。「蕗の薹味噌」のことを「蕗味噌」という方もいます。どれが正しくてどれが間違いなどではありませんが、わかりやすいように、蕗の薹で作るものは「蕗の薹味噌」、蕗で作るものは「蕗味噌」と表記させていただいております。予めご了承くださいませ。

《 材料 》

蕗 200g

ごま油 大さじ2

お酒 大さじ4

白味噌 60g

砂糖 大さじ2

お湯 100ml

みりん 大さじ2

醤油 小さじ1

《 作り方 》

①蕗のアク抜きと下処理が出来たら、蕗を1センチ幅に切っていきます。

②フライパンにごま油をひいて、刻んだ蕗を炒めます。

③お酒を入れます。

➃味噌と砂糖をお湯で溶き、フライパンに入れます。

蕗味噌

⑤水分がなくなるまで、弱火にかけます。焦げやすくなるので注意してください。

⑥みりんを入れて、味を調整します。

⑦水分が飛びきったら、醤油を入れます。ハンバーグのようになったら、出来上がりです。

蕗味噌出来上がり

味噌は、冷めると硬くなるので、少しゆるいぐらいで終わるのがおすすめです。

⑧冷めると味が落ち着いて、美味しくなります。

密封容器に入れて、冷蔵庫で2週間保存可能です。

蕗のその他のメニュー

翡翠煮

ふきのピーナッツしょうゆ和え

ふきとホタテのスープ

蕗に似た石蕗(つわぶき)

蕗に似た植物で「石蕗(つわぶき)」があります。

きゃらぶきを石蕗(つわぶき)で作る方もおられるかと思います。どちらも上記レシピで作ることができます。つわぶきがある方も挑戦してみてください。

つわぶき20231123三嶋大社
2023年11月23日 
つわぶきの葉20230607
2023年6月7日 つわぶきの葉 葉がテカテカして光沢があります。
つわぶきの花20231123三嶋大社
2023年11月23日 つわぶきの花

明日はどんな手仕事する?

蕗は、下処理やアク抜きが面倒という方が多いかと思いますが、覚えてしまえば、簡単です。

紹介したレシピは、どれも簡単にできるものですし、うちでは常にどれかが冷蔵庫にある状態です。どれも応用が効くので、あるととても便利です。

蕗は、地味な野菜ですが、使い勝手の良い、とても魅力的な野菜です。うちにあるととても重宝します。育ててみたくなった方は、こちらから苗のお取り寄せもできます。↓↓↓ 育ててみてください。蕗の薹も蕗の花も蕗の葉も蕗も、毎年楽しめます。

詳しくは、下記の蕗の薹・蕗の関連記事もご覧になってみてください。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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