おせち料理の高級食材としてよく扱われる変な形をして、変な色をしたくわいとは、一体、何者なのでしょうか。
もっと知りたい「慈姑(くわい)」について
慈姑(くわい)の別名
「田草」「燕尾草(えんびそう)」「くわえ」「田んぼのサファイア」
慈姑(くわい)の原産
中国。
慈姑(くわい)の生産
野菜として生産されているのは、中国と日本のみです。
慈姑(くわい)の日本の生産地
現在は、広島県福山市だけで全国シェア6割、埼玉で全国シェア2割の生産を占めています。
慈姑(くわい)の科属
湿地に生えるオモダカ科オモダカ属の野菜です。水生多年草です。田んぼで生産されます。
慈姑(くわい)の歴史
豊臣秀吉が京の都を外敵と災害から守るために、御土居(おどい)を作ったところ、低湿地ができ、そこで藍を育て、その裏作でくわいを育てたのが始まりとされています。
江戸時代には、京都、大阪、江戸周辺で栽培されたとされます。
広島県福山市での栽培が始まったのは、明治時代中期から後期。そこから日本一の生産地となりました。
慈姑(くわい)の名前の由来
「鍬(くわ)芋」の略で、地上に出ている葉と茎が農機具の鍬に似ていることから、この名がついたとされます。
慈姑(くわい)の栽培
6月に水中に種イモを植え、水中で茎が横に這って伸びていきます。
10月頃、その先端に慈姑(くわい)の実がなります。
11月上旬頃から収穫が始まります。
栽培には、約5ヶ月かかります。
慈姑(くわい)の旬
お正月のおせち料理に使われることが大半なため、ほとんどが12月に出荷されるようです。
慈姑(くわい)のサイズ・大きさ・重さ
実の部分は直径約3~4センチ、芽は約5~8センチほど。
慈姑(くわい)の外皮色
青慈姑(あおくわい)は、青藍色。
白慈姑(しろくわい)は、白色(里芋のよう)。
慈姑(くわい)の葉のタイプ
30センチほどのハート型をしています。お花のアンスリウムの葉のようです。
慈姑(くわい)の花の色
白色をしています。
慈姑(くわい)の栄養
1つ1つは小さいけれど、栄養価が高く、たんぱく質は他のお芋の4~5倍も含みます。
慈姑(くわい)の選び方(目利き)
芽が綺麗に伸びているものや、皮に艶があるものが新鮮ですので、選ぶ時はよいものを選びましょう。
慈姑(くわい)の保存方法
慈姑(くわい)は水の中にできますので、水の中で保存します。バケツなどに水を入れ、くわいを入れて、冷暗所に置きます。
慈姑(くわい)の賞味期限
水の中に入れておけば、かなりもちます。水の中に入れておくのが難しいようでしたら、冷蔵保存も可能ですが、乾燥する前に早めにいただきましょう。
慈姑(くわい)がなぜおせち料理に入っているのか
くわいは、大きな芽が出ることから、「めでたい」「芽が出る」とされ、「良い芽がでますように」との願いを込めて、縁起物としておせち料理に使われています。
慈姑(くわい)の種類
くわいの栽培品種としては、大きく3つに分類されます。
国内産の青慈姑(あおくわい)
青藍色をした青くわいは、独特のほろ苦さと、ホクホクしたお芋のような食感が特徴です。
中国産の白慈姑(しろくわい)
淡青色をした白くわいは、シャリシャリした食感が特徴。日本ではほとんど出回っていません。中華料理の材料に利用されます。綺麗に洗った里芋のような見た目をしています。
大阪産の吹田慈姑(すいたくわい)
歴史のある小粒の慈姑。大阪の「なにわ野菜」の1つ。大阪・吹田地区で栽培されています。生産量が少なく、現在はあまり出回っていません。 別名「ひめくわい」とも呼ばれています。
青慈姑(あおくわい)の品種
加賀伝統野菜の青慈姑(あおくわい)
石川県金沢市で生産されている慈姑(くわい)。「加賀伝統野菜」の1つに認定されています。
京野菜の慈姑(くわい)
京野菜の1つで「京の伝統野菜」「ブランド京野菜」に認定されています。
京都市の南区上鳥羽、伏見区竹田で生産されています 。
福山慈姑(くわい)
日本一の生産地、広島県福山市で生産されている慈姑(くわい)です。
慈姑(くわい)はどこで手に入る?
おせち料理で使いますので、年末にスーパーに並びます。
年明けにお安くなったものが販売されていることがあります。
それ以外の時季は、見つけるのがなかなか難しく、あまり見かけられません。
慈姑(くわい)の調理方法
①アク抜き
くわいは、アクが強いので、しばらく水につけておくとよいでしょう。煮物にする際には、下茹でもしっかりしましょう。揚げ物にする際には、アク抜きは必要ありません。
②下処理
芽は縁起物なので落とさずに、2~3センチは残しておくようにしましょう。芽もそのまま食べることができます。
大変なのは、皮むきです。底部分を薄く切り側面を「六方むき」といって、下から上に向かって、六面にむき、おめでたい形にします。芽を切らないように、気を着けましょう。
慈姑(くわい)のメニュー
主に煮物、チップスのようにした揚げ物、フライドポテトのような素揚げ、くわいカレー、クワイポタージュ、くわい羊羹などがおすすめです。
慈姑(くわい)の煮物
慈姑(くわい)の煮物の味付けは、いたって普通。出汁に砂糖、みりん、塩、しょうゆを入れて煮るだけです。栗のようなほくほく感をお楽しみください。

「松笠くわい」とは、くわいの実の部分を松ぼっくりに見立てて、切り込みを入れていくことです。おせち料理などの煮物にする時に使う技法です。
慈姑(くわい)のおすすめの逸品
くわいが入っているのかが定かではありませんが、「誰もが喜ぶ五目肉まん」につられてしまいました。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

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