【季節の手仕事「慈姑(くわい)」】もっと知りたい!12月が旬の慈姑(くわい)ってどうやって食べるの?

12月にしたい手仕事

おせち料理の高級食材としてよく扱われる変な形をして、変な色をしたくわいとは、一体、何者なのでしょうか。




もっと知りたい「慈姑(くわい)」について

慈姑(くわい)の別名

「田草」「燕尾草(えんびそう)」「くわえ」「田んぼのサファイア」

慈姑(くわい)の原産 

中国。

慈姑(くわい)の生産 

野菜として生産されているのは、中国と日本のみです。

慈姑(くわい)の日本の生産地 

現在は、広島県福山市だけで全国シェア6割、埼玉で全国シェア2割の生産を占めています。

慈姑(くわい)の科属  

湿地に生えるオモダカ科オモダカ属の野菜です。水生多年草です。田んぼで生産されます。

慈姑(くわい)の歴史   

豊臣秀吉が京の都を外敵と災害から守るために、御土居(おどい)を作ったところ、低湿地ができ、そこで藍を育て、その裏作でくわいを育てたのが始まりとされています。

江戸時代には、京都、大阪、江戸周辺で栽培されたとされます。

広島県福山市での栽培が始まったのは、明治時代中期から後期。そこから日本一の生産地となりました。

慈姑(くわい)の名前の由来

「鍬(くわ)芋」の略で、地上に出ている葉と茎が農機具の鍬に似ていることから、この名がついたとされます。

慈姑(くわい)の栽培

6月に水中に種イモを植え、水中で茎が横に這って伸びていきます。

10月頃、その先端に慈姑(くわい)の実がなります。

11月上旬頃から収穫が始まります。

栽培には、約5ヶ月かかります。

慈姑(くわい)の旬 

お正月のおせち料理に使われることが大半なため、ほとんどが12月に出荷されるようです。 

慈姑(くわい)のサイズ・大きさ・重さ 

実の部分は直径約3~4センチ、芽は約5~8センチほど。

慈姑(くわい)の外皮色 

青慈姑(あおくわい)は、青藍色。

白慈姑(しろくわい)は、白色(里芋のよう)。

慈姑(くわい)の葉のタイプ 

30センチほどのハート型をしています。お花のアンスリウムの葉のようです。

慈姑(くわい)の花の色 

白色をしています。

慈姑(くわい)の栄養

1つ1つは小さいけれど、栄養価が高く、たんぱく質は他のお芋の4~5倍も含みます。

慈姑(くわい)の選び方(目利き)

芽が綺麗に伸びているものや、皮に艶があるものが新鮮ですので、選ぶ時はよいものを選びましょう。

慈姑(くわい)の保存方法 

慈姑(くわい)は水の中にできますので、水の中で保存します。バケツなどに水を入れ、くわいを入れて、冷暗所に置きます。

慈姑(くわい)の賞味期限 

水の中に入れておけば、かなりもちます。水の中に入れておくのが難しいようでしたら、冷蔵保存も可能ですが、乾燥する前に早めにいただきましょう。

慈姑(くわい)がなぜおせち料理に入っているのか

くわいは、大きな芽が出ることから、「めでたい」「芽が出る」とされ、「良い芽がでますように」との願いを込めて、縁起物としておせち料理に使われています。

慈姑(くわい)の種類

くわいの栽培品種としては、大きく3つに分類されます。

国内産の青慈姑(あおくわい)

青藍色をした青くわいは、独特のほろ苦さと、ホクホクしたお芋のような食感が特徴です。

中国産の白慈姑(しろくわい)

淡青色をした白くわいは、シャリシャリした食感が特徴。日本ではほとんど出回っていません。中華料理の材料に利用されます。綺麗に洗った里芋のような見た目をしています。

大阪産の吹田慈姑(すいたくわい)

歴史のある小粒の慈姑。大阪の「なにわ野菜」の1つ。大阪・吹田地区で栽培されています。生産量が少なく、現在はあまり出回っていません。 別名「ひめくわい」とも呼ばれています。

青慈姑(あおくわい)の品種

加賀伝統野菜の青慈姑(あおくわい)

石川県金沢市で生産されている慈姑(くわい)。「加賀伝統野菜」の1つに認定されています。

京野菜の慈姑(くわい)

京野菜の1つで「京の伝統野菜」「ブランド京野菜」に認定されています。

京都市の南区上鳥羽、伏見区竹田で生産されています 。 

福山慈姑(くわい)

日本一の生産地、広島県福山市で生産されている慈姑(くわい)です。




慈姑(くわい)はどこで手に入る?

おせち料理で使いますので、年末にスーパーに並びます。

年明けにお安くなったものが販売されていることがあります。

それ以外の時季は、見つけるのがなかなか難しく、あまり見かけられません。

慈姑(くわい)の調理方法 

①アク抜き

くわいは、アクが強いので、しばらく水につけておくとよいでしょう。煮物にする際には、下茹でもしっかりしましょう。揚げ物にする際には、アク抜きは必要ありません。

②下処理

芽は縁起物なので落とさずに、2~3センチは残しておくようにしましょう。芽もそのまま食べることができます。

大変なのは、皮むきです。底部分を薄く切り側面を「六方むき」といって、下から上に向かって、六面にむき、おめでたい形にします。芽を切らないように、気を着けましょう。

慈姑(くわい)のメニュー

主に煮物、チップスのようにした揚げ物、フライドポテトのような素揚げ、くわいカレー、クワイポタージュ、くわい羊羹などがおすすめです。

慈姑(くわい)の煮物

慈姑(くわい)の煮物の味付けは、いたって普通。出汁に砂糖、みりん、塩、しょうゆを入れて煮るだけです。栗のようなほくほく感をお楽しみください。

くわいの煮物20220119

「松笠くわい」とは、くわいの実の部分を松ぼっくりに見立てて、切り込みを入れていくことです。おせち料理などの煮物にする時に使う技法です。

慈姑(くわい)のおすすめの逸品

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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