【季節の手仕事「里芋」➃海老芋】もっと知りたい海老芋!京野菜のひとつ変な形をした里芋「海老芋」の魅力

10月にしたい手仕事




海老芋(えびいも)とは

海老芋の別名「京芋」

「海老芋」は、別名「京芋」と言われます。

京都で作られる京野菜の1つです。

もう一つ「京芋」と呼ばれる里芋に「筍芋(たけのこいも)」があります。これは、筍芋の生産に力をいれていた宮崎の生産者さんが、京都の「海老芋」のように人気がでるようにと「京芋」と名付けたようです。全く別の品種です。

海老芋の産地 

京都府内では、精華町、京田辺市、舞鶴市などで作られています。

現在では、静岡県が海老芋の生産の全国シェア8割を占めています。静岡県は、石川小芋(里芋)の産地でもあり、里芋の生産が盛んとなっています。

海老芋の科属

サトイモ科サトイモ属の唐芋(とうのいも)の品種のひとつ。

海老芋の歴史

江戸時代には栽培がされていたようです。

海老芋の名前の由来

子芋の形が湾曲していて、横縞があることから、海老のように見えるので「海老芋」といいます。

また、「海老芋」の親芋(かしら)のことを「殿芋」といいます。京で頭(かしら)が殿だったからのようです。

海老芋の栽培 

海老芋は、親芋と子芋の茎の間に土を入れることで、子芋が湾曲した形になります。このことを「土寄せ」と言います。

海老芋の旬 

10月上旬から12月中旬。

海老芋の茎

茎は、「ずいき」として食べることができます。アク抜きなどの下処理は必要です。詳しくは、ずいきをご覧ください。

海老芋の特徴 

えびいもは、京野菜として「京の伝統野菜」「ブランド京野菜」の1つに選ばれています。

京都を中心に関西地方で食べられています。

形がよく、土つきで湿り気のあるもの、色鮮やかなものは上等品とされます。

親芋も子芋も食べることができる品種です。

冬場はねっとりとして、少し甘みがあり、旨味が美味しいです。

海老芋の種類のタイプ

茎が赤い海老芋を「唐芋(本海老)」、茎が青い(黄緑色)海老芋を「女芋」とも呼びます。

海老芋の選び方

お店で販売されている海老芋の選び方としては、以下の通りです。

①泥付きのものを選ぶとよいでしょう。洗ってあるものは、鮮度が落ちてしまっています。早めにいただきましょう。

②乾燥しているものは選ばないようにしましょう。

③ふっくらと丸みがあり、表面に割れやヒビなど傷のないものを選びましょう。

➃里芋は、持った時に重いものが美味しい証拠です。

海老芋の保存方法

里芋は熱い地域で食べられるものなので、高温多湿を好みます。寒さや乾燥に非常に弱いものです。泥付きならば、新聞紙で包み、常温で保存します。

海老芋の下処理方法

水で泥を落とし、重ならないように広げて乾かし、皮をむくとすべりにくいです。

煮物にする際には、ぬめりを除いた方が味が染み込みやすくなります。

皮をむいたら、水に焼きミョウバンを入れ、30分つけるとぬめりもとれ、白く綺麗に仕上がります。

焼きミョウバンがなければ、塩もみして、いったん茹でて、さっと洗うとぬめりが取れます。アク抜きも一緒にできます。米のとぎ汁で茹でると白く柔らかく茹で上がります。

かゆみを防ぐには、手に塩をつけるとよいです。




えびいもの姿

里芋は、土の中で親芋(種芋)が子芋を作ります。里芋の品種により、親芋しか食べることができない品種や、子芋しか食べることができない品種、親芋も子芋も両方とも食べることができる品種などがあります。「海老芋」は、親芋も子芋も両方とも食べることができる品種です。

親芋と子芋は、親子とは思えないほど、見た目が違います。

海老芋の親芋

とのいも

里芋の親芋のことを「かしら」と言います。

海老芋の親芋は、「かしら」とも言いますが、「殿芋」とも呼ばれます。京都で「かしら(頭)」が「殿」だったからのようです。

写真の大きさで、直径10センチ程です。

海老芋の子芋

海老芋の子芋は、海老芋という名のように、海老の背のように湾曲して丸まった形をし、横縞があり海老のように見えることから「海老芋」と呼ばれます。

海老芋を使ったメニュー

海老芋の親芋・かしら・殿芋を使ったメニュー

親芋は、煮ても煮崩れしないのが特徴。揚げ物などにも最適です。

殿芋の揚げあんかけ
揚げた海老芋の親芋(殿芋)のそぼろあんかけ

えびいもの子芋を使ったメニュー

子芋は、煮ても煮崩れしにくく、粘り気もある里芋の良いとこどりです。

子芋は、海老の柄と海老の形をしていることから、めでたいとされ、おせち料理に使われます。

京都では、海老芋と棒ダラと炊き合わせた京料理の「芋棒(いもぼう)」が有名です。

海老芋のおすすめの逸品

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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