もっと知りたい「ずいき」とは

里芋は、芋は地中にできますが、地上にでている茎も食べることができます。この里芋の茎のことを「葉柄(はがら)」や「芋茎(ずいき)」などと言います。代表して「ずいき」と呼ばせていただきます。
この「ずいき」を食べる里芋の品種は、ハスイモ、八ツ頭、唐芋、赤芽芋などです。ハスイモは芋は食べず、ずいきのみを食べます。
青茎の「青ずいき」(ハスイモなど)と赤茎の「赤ずいき(赤ガラ)」(赤芽芋、八ツ頭など)があり、根芋と呼ばれる軟白栽培された茎を「軟白ずいき」や「白ずいき」といい、椀種や煮物に使い、高級食材として世に出されています。
「ずいき」は、生の茎を調理することをいいます。
「ずいき」の下処理
①薄皮をむきます。細い方から皮をつまみ、引っ張るだけです。すーっとむけます。手がアクで真っ黒になります。気になる方はビニール手袋などをして作業してください。
②アクが強いため、切ったら酢水に1時間ほど浸します。
③沸騰したお湯にずいきと酢を入れ、1分ほど茹でます。
➃茹でたら一度ザルに上げ、冷水にさらし、アク抜きをします。
⑤冷水でしっかり冷ましたら、水気を切って、一晩冷蔵庫に入れます。
◆長期保存する時は、酢をふりかけます。1ケ月近く保存できます。
◆煮物にする時には、酢にはつけずに、そのまま調理してください。
「ずいき」のメニュー
「ずいき」は、お好きな野菜と一緒に酢の物、酢漬け、酢味噌和え、ごま和え、ごまだれ和え、お揚げや厚揚げなどと煮物、味噌汁、炒め物などにします。
「ずいき」の簡単な炒め物のレシピ
《 材料 》
ずいき 3本
ごま油 大さじ1
めんつゆ 大さじ3
塩こしょう 少々
《 作り方 》
上記、アク抜きをしたら、フライパンにごま油をひき、ずいきを炒め、めんつゆと塩こしょうで味付けするだけです。
もっと知りたい「いもがら」とは
里芋の「ずいき」の外側の皮を乾燥させたものを「芋柄(いもがら)」といいます。
かんぴょうのようになって販売している「芋がら」をファーマーズマーケットや道の駅で見かけます。干してあるものなので、長期保存ができ便利です。
「芋がら」の食べ方は、水でもどしてから、煮物や炒め物、みそ汁の具などにします。
もっと知りたい「かしら」とは

里芋の「かしら」、「頭」、「頭芋」などと呼ばれるものは、里芋の親芋のことです。
「かしら」は、『人の上に立つ「頭」になれるように』という縁起物として、お正月のお雑煮に「頭芋」を入れて食べます。

海老芋のかしらを揚げて、そぼろ餡でいただきました。煮崩れはせず、ネバネバもなくホクホクしているので、餡かけとの相性が良かったです。
海老芋のかしらのことは「殿芋(とのいも)」と言います。お偉い芋のようですね。
ずいき、芋がら、かしらなどは、どこで手に入る?
ファーマーズマーケットや道の駅などでその時期になると販売されています。普通のスーパーなどでは、なかなか販売されていません。
ファーマーズマーケットや道の駅でも、常にあるわけではなく、農家さんが収穫できた時だけで出荷されるものですから、出逢えたらラッキー程度で思っていると出逢えたりします。
出てくる期間としては、ずいきは9月から10月頃、芋がらは10月以降、かしらは里芋の旬の間でしょうか。地域によっても違うと思います。私は静岡の間隔なので、少しずれているかもしれませんので、ご自身の地域で確認してみてください。
もっと知りたい「里芋」の魅力
里芋の原産
インド東部からインドシナ半島などの熱帯地域。
里芋の分類
里芋はタロイモの1種で、タロイモは、熱帯アジア、ポリネシア、アフリカなどの熱い地域食べられています。里芋は、タロイモの系統の中では、一番北で栽培されている種類になります。
里芋の英名
タロイモのことを英名で「taro(ターロウ)」というので、里芋のことも「taro」と言います。太郎さんのように「タロー」では通じませんのでご注意ください。
里芋の科属
里芋は、サトイモ科サトイモ属です。
里芋の歴史
里芋は、芋類(さつまいも、じゃがいも、やまのいもなど)の中でも、最も古くから食べられている芋になります。原始マレー族の移動により、太平洋一帯に広まったとされ、日本へは中国から縄文時代に伝わったとされます。
稲作よりも古くから主食として食べられていたと言われています。
里芋の名前の由来
里芋とは、山芋が山で採れる芋に対して、里で採れる芋なので「里芋」というようになりました。
ちなみに、「芋」というと「里芋」のことをいいます。他の芋たちはというと、さつまいものことは甘藷の「藷」、じゃがいもは馬鈴薯の「薯」、山芋のことは薯蕷の「蕷」といいます。古い書などには、こちらで書かれていることがありますので、こちらを覚えておくと便利です。
里芋が育つ姿

葉が黄色くなってきたら、間もなく収穫時期です。


里芋は、土から掘り起こすとこんな形になっています。
土より上に出ていた茎の部分から下は、親芋が付き、そこから子芋が四方についている形です。
子芋からも根がたくさん出ています。
これらをひとつひとつ採り、根も切り、綺麗に洗われた状態が、お店で売られている里芋の状態となります。

里芋の選び方
お店で販売されている里芋の選び方としては、以下の通りです。
①泥付きのものを選ぶ。洗ってあるものは、鮮度が落ちてしまっています。早めにいただきましょう。
②乾燥しているものは選ばない。
③割れやヒビがないもの。
里芋の保存方法
里芋は、熱い地域原産で食べられるものなので、高温多湿を好みます。寒さや乾燥に非常に弱いものです。泥付きならば、新聞紙で包み、常温で保存します。
収穫した里芋の食べ分け
収穫した里芋は1本につき、20~30個のお芋がついています。
そのまま分けもせずに食べるのもよいですが、うちでは、食べ分けしています。
大きなかしらは、硬めなので、ステーキにしたり、揚げ物にしたりするのがおすすめです。
一番小さな孫芋は、柔らかいのできぬかつぎが良いでしょう。
一番小さな孫芋を取り除いた小さめのものは、柔らかめなので煮物にします。
残ったしっかりとした里芋らしい大きさのものは、豚汁などの汁物におすすめです。
1本から採れる里芋でも、上手に食べ分けすると、より美味しく味わうことができます。
里芋の下処理
◆ほとんどの里芋の種類
水で泥を落とし、重ならないように広げて乾かし、皮をむくとすべりにくいです。
煮物にする際には、ぬめりを除いた方が味が染み込みやすくなります。
皮をむいたら、水に焼きミョウバンを入れ、30分つけるとぬめりもとれ、白く綺麗に仕上がります。
焼きミョウバンがなければ、塩もみして、いったん茹でて、さっと洗うとぬめりが取れます。アク抜きも一緒にできます。米のとぎ汁で茹でると白く柔らかく茹で上がります。
かゆみを防ぐには、手に塩をつけるとよいです。
◆たけのこ芋

たけのこ芋は、えぐみがあるので、酢水でアク抜きをします。
煮物の時には、水から塩を少々入れ30分程茹でてアク抜きします。
里芋のおすすめの逸品
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明日はどんな手仕事する?
「ずいき」や「芋がら」をどうやって食べるのか、80代の方々に話しを聞くと、みなさん、もう食べたくないと言います。サツマイモの芋づると同じで、戦後食料がなかった時に、サツマイモの「芋づる」や里芋の「ずいき」や「いもがら」は、本当によく食べていたそうです。きっとそんな頃のことは、あまり思い出したくないのでしょうね。
食べたことがないような私たち世代が食べると、『なんでこんなに美味しいものを捨ててしまうの?』などとみなさん喜んで食べそうですが、想いが全く違うのでしょう。
美味しいものであることは確かなので、手に入る機会があれば、食べていきたい気はします。みなさまもぜひ、機会があれば、食べてみてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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