干し柿を作るのは大変なイメージがあります。柿を準備して、皮をむいて、消毒をして、紐に吊るして、干して…など、工程が多いのは事実です。
ただ、洗濯物を干すランドリーハンガーを使うだけでも、紐で縛る作業がない分、かなり作業がラクになりました。プロの方が大量に作るという以外、自分で楽しむだけでしたら、これは、本当におすすめです。初めての方でしたら、ぜひこちらをおすすめします。
干し柿を作る開始時期
最高気温が20度を下回るくらいになり、湿度も低くなってきましたら、干し柿を作る時期です。時期的には、10月下旬頃からでしょうか。
近年、気温が不安定で、10月下旬でも暑い日がありますので、その年の気温と湿度の様子をみながら作り始めるのがよいでしょう。
何より、渋柿が出回り始め、手に入る頃が、ちょうどその時期になってくるのだと思います。
①渋柿を用意する
渋柿を用意する
うちは、渋柿は木がないので、干し柿用の柿は、いただきものか、購入するかになります。
1度に作る量は多くなく、ただ「干し柿」が大好きなので、1シーズンに何回も作ります。
最初は、数は欲張らず、10個程度にしておくと、手間もかからずにできるかと思います。
柿の大きさは、まずは小さなものでない方が作りやすいです。出来上がりはかなり小さくなりますので、大きなものの方が、柔らかく、美味しい干し柿ができます。購入するようでしたら、大きめのものにしましょう。逆に大き過ぎると乾きにくいので大き過ぎないものがおすすめです。
私は、地元静岡県駿東郡長泉町(ながいずみちょう)特産の「四ツ溝柿」を使います。渋柿の中でも干し柿にするととても甘い柿です。
「渋柿の魅力」「渋柿の品種」「四ツ溝柿」については、こちらをご覧ください。↓↓↓


(収穫する場合)柿の枝を切る「枝吊り」

渋柿の木が自宅にある方なら、柿の木の枝を切る際に、実の部分についている枝がT字になるように切ると、柿を干しやすくなります。これを「枝吊り(えずり)」と言います。柿のほとんどが、横になっている枝から下に実がなりますので、T字に切ることができます。

販売されている干し柿用の柿もT字に切ってくださっている親切な農家さんもおられます。T字になっていると吊るすのがとにかく楽です。なければ、ヘタに巻き付けて吊るすことになります。
②柿の皮をむく
皮をむく当日と翌日は、晴れの日が良いとされます。お天気にも注意してください。
皮を剥く包丁は、ステンレスかセラミックのものが良いとされます。包丁だけでなくまな板などの道具はすべて、必ず焼酎などで殺菌してから始めましょう。
数が多いと果てしなく感じますが、延々と皮をむきます。ヘタギリギリのところまで、完全に皮をむきとりましょう。
③柿を消毒する
皮がむけたら、柿を塩の入った熱湯に1つづつ約10秒通します。塩を入れることで、虫などがよってこないようにします。もちろん作業する人もしっかり手袋をします。人の手から殺菌が繁殖しますので、必ず手袋をしましょう。
熱湯に通したらすぐに吊るします。私は消毒をしながら、吊るします。
次の工程の吊るしてから消毒をする方もいらっしゃいます。どちらでも間違いではありません。
消毒は、焼酎もしくはホワイトリカーをスプレーなどで吹きかけても殺菌効果はあります。
➃柿を吊るす
柿を吊るす方法として、昔ながらの紐で吊るす方法とランドリーハンガーを使った簡単な方法があります。
昔ながらの紐で吊るす方法

柿を紐で吊るしていきます。
干せる場所の長さ(高さ)がどれだけあるかも大切です。
例えば、縦の長さが1mあるようでしたら、1本に柿は5個くらい吊るしても良いでしょう。1m20cmくらいの紐を柿の個数分、先に切って用意しておきます。
60~70cmくらいの縦の長さがあるようでしたら、柿は4個くらいは吊るせますので1mくらいの紐を柿の個数分、用意しておきましょう。
初心者の方は、吊るす個数が多いほど絡まってしまったりして大変ですので、2個くらいにして、本数を増やした方が、楽にできます。
紐の種類は、切れなければ何でもよいでしょう。よくビニールの紐で吊るされている方が多いです。毛が出ている麻ひもなどは、枝がT字になっているものには使えますが、枝がなくヘタに巻き付けなければいけない場合は、おすすめができません。
紐が準備できたら、縛っていきます。必ず堅結びにします。1つ縛ったら10cmほどあけて、次を縛ります。いくつか柿を縛ったら、一番上は、輪にして、引っ掛けられるようにします。
ランドリーハンガーに干す方法

洗濯をたくさん干せる洗濯ばさみがついている「ランドリーハンガー」に干すのが便利でおすすめです。洗濯ばさみに、T字の茎を挟むだけです。風が吹いても、意外にも落ちません。干したりとりこむのも楽です。


「ランドリーハンガー」を使う方法がとても簡単で楽なことを知ってしまい、最近では毎年「ランドリーハンガー」で干しています。写真のランドリーハンガー」は、うちでは「干し柿」専用です。洗濯ばさみが60個ついているものなので、60個の干し柿が1回で簡単にできます。もちろん少ない個数でもできますし、紐で縛る工程がない分、とにかく早くできます。これは、本当におすすめです。
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⑤柿を干す場所を決める
屋外の干す場所を決めましょう。軒下など、陽は当たるけれど、雨に濡れない、でも風が通るところがベストです。基本的には、干したら干しっぱなしが良いのですが、干すところがないお宅は、洗濯物のように、物干し竿に干して、毎日取り込みましょう。
⑥柿を干す
場所が決まったら干します。
まず最初2日は太陽と風に当てましょう。3日目からは風通しの良い日陰で干しましょう。
静岡は冬でも温かく湿気があるため、干し柿がカビてしまいます。干して2~3日したら、カビ防止のために、焼酎のスプレー掛けを念入りにしてあげるとよいでしょう。寒い地域の方は、この作業は必要ないかもしれません。その地域により、湿気が多いようでしたら、焼酎をスプレーがけするのが良いでしょう。
⑦柿を揉む
お天気の具合にもよりますが、1週間経ったら、手袋をして、柿を1つづつ揉みます。表面は乾燥していますので、しっかり揉んでも大丈夫です。このもみもみをするだけで、中がとろとろの軟らかい干し柿に仕上がります。
その後、もう1週間干したら完成です。
出来上がった干し柿は、生の柿の約3分の1の重さになっています。

⑧干し柿を保存する
数が少なくて、1度で食べきってしまえるようでしたら、そのまま常温で保存しても良いのですが、たくさん作って一気には食べきれないという場合には、1つづつお茶パックに入れてラップをし、保存袋に入れて、冷凍しておくと長期保存ができます。食べる際には、常温もしくは冷蔵庫に10分ほどおけば、食べることができます。保存しておいて、お正月にいただきたいですよね。
また、出来上がった干し柿や保存しておいた干し柿が硬くなってしまった場合は、水1カップに砂糖を小さじ1入れて混ぜた中に干し柿を4時間ほど浸すと柔らかくなります。絶対に食べられますので、硬くなってしまったからといって、捨てないでくださいね。
明日はどんな手仕事する?
シーズンが来ると年に何度も作ってしまう「干し柿」。作らないといられないくらい、毎年楽しみな手仕事です。
「干し柿」が美味しくなったのも、年を重ねたからでしょうか。こんなに贅沢な食べ物はないと感じます。
作り方を書かせていただきましたが、地域によっては、気候などにより、作り方も違うのではないかと思います。その地域ならではの作り方で作ってみてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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