「柚子を使う機会なんてない」なんて方もいらっしゃると思いますが、柚子によって食の世界がとても広がります。柚子は、日本料理では、よく使われています。五感を楽しむ日本料理ならではの食材のひとつです。そう思うとハードルが上がってしまいますが、紹介する「柚子の手仕事」は、普段食べるものたちばかりとなります。普段食べているものが、柚子の魔法で、とびっきり美味しく変化すること、間違いなしです。
柚子が育つ姿
柚子を育てるのは、ほぼ手がかかりませんが、木が真上に伸び過ぎないように剪定をする必要があります。真上に伸びる枝は、長くて太く徒長する傾向があります。この枝は、無駄に養分を消費し、花芽がつきにくく、結実することはありません。枝が横向きになるように誘引するか、先を剪定してしまいましょう。
4月の柚子

柚子の木は、常緑樹ではありますが、古い葉がぼちぼちと落ち、4月に新しい葉がでてきます。

お花の蕾を持ち始めました。
5月の柚子

5月、白い花が咲きます。
「花柚子」と呼ばれ、とても優しい良い香りがします。
6月の柚子

中旬から下旬、実がなり始めます。まだ2cm程です。充実した果実を育てるため、小さなものや重なり合ったものなどを摘み取り、摘果(間引き)します。葉10枚あたり果実が1個くらいになるようにしましょう。
摘み取った幼果は、捨てずに利用します。
7月の柚子

7月。実が少し大きくなってきました。
「青柚子」と呼ばれます。この頃は、まだ使いません。
9月の柚子

9月下旬。「青柚子」として、料理に使われ始めます。果汁が多い時期です。「柚子こしょう」はこの時期の「青柚子」を使います。
10月の柚子


中旬~下旬。黄色くなってきました。
「黄柚子」と呼ばれます。「黄柚子」は、すべての調理に使えます。


10月終わり。少しづつ収穫に入ります。
ジャムにするには、果汁が多く、この頃が一番美味しくできます。
11月の柚子
11月下旬。収穫がすべて終わりました。あとは、柚子ジャムなどの手仕事が続きます。
12月から3月の柚子

休眠期。常緑樹のため、冬でも葉は全部は落ちません。枯れた葉だけが、一部落ちます。

柚子の葉は、不思議な形をしています。途中を紐で縛ったかのようです。
もっと知りたい「柚子」について
柚子の産地
日本料理に使われることが多いことから、日本原産と言いたいところですが、原産は中国で、日本には、平安時代に渡来しました。とはいえ、現在では、消費は圧倒的に日本が多くなります。
日本での産地は、和歌山県、四国の高知県、愛媛県、徳島県の生産が大変を占めています。かつてのみかん王国と言われた静岡県でも、県内各地で作られており、旬の時期ならば、簡単に手に入れることができます。
柚子の分類
柚子は、「香酸柑橘」と言って、果肉を食べるのではなく、果汁の酸味や果皮の香りを楽しむ柑橘類となります。
「香酸柑橘」は他にも、かぼす、すだち、レモンなどがあります。
柚子のトゲ

柚子は、ミカン科ミカン属の常緑小高木です。長いトゲがあり、実を傷つけてしまう場合があります。実に近いトゲは、実を傷つけてしまいますので、トゲを見つけたら切ってしまうのが良いでしょう。収穫の際には、ケガなされないように注意してください。
写真が3㎝ほどある柚子のトゲです。大きなものは気が付くので、処理できますが、小さなものは気が付かずに刺してしまうことがよくありますので、気を付けてください。写真がボケてしまい見えにくくてすみません。
柚子の長期保存
柚子は、香りを楽しむものです。お花の時点でもよい香りがするのですが、実が黄色くなった頃の果皮をなでると、それだけで幸せな香りに包まれます。果汁は少なく、酸味が強いのが特徴です。
長期保存の方法として、柚子2個分を①果皮をむき、むいたままのもの、②果皮をむき、千切りにしたもの、③果皮を摺り下ろしたものをそれぞれ小分けにしてラップし、保存袋に入れ、冷凍保存します。
ジャムを作る時に、少しだけ冷凍用にしておくと、果汁が無駄になりません。
うちは、柚子2個分を冷凍しておけば、1年でちょうど使い終わるくらいです。
柚子の時季が終わっても「千切りしたものを2本だけ欲しい」などという時には、とても便利です。
いつまでも良い香りは残ります。うどんやお蕎麦、煮物、煮魚など、千切りしたものを2本のせるだけで、お料理がとても上品な味になります。ぜひ、お試しください。
柚子の品種
・鬼ゆず
・木頭ゆず
・獅子ゆず
・多田錦
・花ゆず
・本ゆず、トゲ無本ゆず
・山根ゆず
柚子の使い方、柚子を使ったメニューやレシピ
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柚子のおすすめの逸品
毎年実ってくれるので、とても助かります。こちらからお取り寄せできます。↓↓↓

柚子の手仕事記録
「手仕事記録」は、私自身が収穫したり作った日にちとなります。毎年の収穫や作る日にちの目安になればと思い、できる範囲で記録をしております。比較的暖かい静岡県にての記録となりますので、地域により前後するかと存じますが、お役に立てると幸いです。
2022年10月28日収穫開始~11月30日最終収穫 100個以上収穫 ジャム作り9回
2023年10月30日収穫開始~12月16日最終収穫 約80個収穫 ジャム作り7回

明日はどんな手仕事する?
柚子は、使う方と使わない方がはっきりしているもののようです。私は、家になる柚子は、全部使い切るくらい使います。こんなに夢を与えてくれるような、贅沢な香りがするものを使わないなんて、勿体ないです。
最近では、市販のもので商品化されているものも増え、使う方も増えたのかとは思いますが、わざわざ柚子自体を買ってまで調理をしようなどという方は、まだまだ少ないのかと、残念に思います。
「柚子②柚子レシピ」に記したレシピたちは、とても簡単なものばかりです。たぶん、1つ作って気に入ってもらえたら、全部作りたくなってしまうくらい柚子好きになっていると思います。
そのうち、お庭に柚子を植えているかもしれませんよ。それくらい、柚子を好きになっていただけたら、嬉しく思います。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が、素敵な1日になりますように。
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