【季節の指標 節供「元旦の膳」】「お正月」⑥元旦の膳(おせち料理)基本のおせち料理はこれだけ!

12月にしたい手仕事

おせち料理と聞くと、なんか難しそう、時間がかかりそうなどと思いがちかもしれません。

そんなことはなく、おせち料理のことを知れば、これだけ作ればいいというものがわかってきます。

ここでは、おせち料理初心者におすすめの、「元旦の膳(おせち料理)」は基本の祝い肴三種だけ作れば大丈夫ということで、お屠蘇、雑煮、重箱の詰め方、祝い肴3種(黒豆、田作り、たたきごぼう)の作り方、お正月の風習、お正月に用意するものなどをご紹介します。

手を込めて時間をかけて美味しく作るのは、慣れてきてからでよいと思います。まずは、簡単にできる方法で、挑戦してみましょう。




節供「元旦の膳(おせち料理)」とは

もともと、上巳の節句(ひなまつり)や端午の節句などの五節句の際に、神様に供えられたお料理のことを「御節供(おせちく)料理」と言っていたものが、のちに節会のうちでも重要な正月の祝い膳のことを「おせち料理」というようになったと言われています。

おせち料理は、海の幸、山の幸、里の幸などたくさんの素材を組み合わせ、彩りよく、味わいも豊かです。福がたくさん来ることを願い、いわれのある縁起物を使って作ります。

おせち料理とは、①お屠蘇、②雑煮、③祝い肴(重箱に詰める料理)のことをいいます。

おせち料理① お屠蘇

もともと中国の薬酒(くすりざけ)の一種で、肉桂(きっけい)、山椒、大黄(だいおう)、白朮(びゃくじゅつ)、桔梗、細辛(さいしん)、乾姜(かんきょう)、防風(ぼうふう)などの生薬を三角の紅(もみ)の帛衣(きぬふくろ)にみりんや酒を漬け込んで作ります。「病気を起こす鬼を退治するお酒」という意味があります。

東を向いて、年の若い人から順番に飲み、「若い生命力にあやかる」という長寿の願いが込められています。

おせち料理② 雑煮

正月に家々で祭られる年神様に供えてある飲食物を神饌(しんせん)といい、それを皆で食べる直会の料理が「お雑煮」です。神に供えた餅やその土地の産物をいろいろと煮て作るので、文字通り「雑煮」といいます。お祝いの時に食べることが多いお餅を雑煮に入れ、新しい年の無事を願います。

おせち料理③ 祝い肴(重箱に詰める料理)・詰め方・その意味 

「祝い肴(重箱に詰める料理)・詰め方・その意味」についてはこちら ↓↓↓

【季節の指標 節供「元旦の膳」】「お正月」⑧元旦の膳(おせち料理)重箱に詰める料理・詰め方・その意味 
重箱につめる料理として、一の重には黒豆、数の子、田作り、ごぼう、いくら、柿バター、かまぼこ、金柑、栗きんとん、昆布巻き、魚の甘露煮、伊達巻、錦玉子、弐の重には、海老の鬼殻焼き、かに、のし鶏、参の重には煮物、与の重には酢の物を詰めます。

祝い肴の代表として、これだけあればなんとかなる3つの簡単レシピを紹介します。

祝い肴の簡単レシピ① 黒豆

時間はかかりますが、手間はかかりません。

《 材料 》

黒豆 300g 今年採れた新豆がよいでしょう

砂糖 250g

塩 小さじ1

醤油 大さじ1

重曹 小さじ1

水 1200cc 豆の4倍

《 作り方 》

①鍋に、黒豆以外をすべて入れ煮立てます。

②豆を洗います。皮がはがれやすいので優しく洗ってください。虫食いがあるものは、除きましょう。

③①が煮立ったら、②を入れてすぐに火を止めます。そのまま蓋をして一晩放置します。(約12時間)皮にシワが寄っているようならば、浸け時間を延ばし、しっかりと戻しましょう。

④強火にかけて沸騰させ、アクを取り除きます。

⑤弱火にして落し蓋をし、やわらかくなるまで2時間煮ます。豆が煮汁から出るようなら、差し水をしてください。

祝い肴の簡単レシピ② 田作り(ごまめ)

たづくり

簡単田作りです。

《 材料 4人分 》

ごまめ 25g

砂糖 大さじ2

しょうゆ 大さじ1

みりん 大さじ1

《 作り方 》

①フライパンにごまめを入れ、ポキっと折れる状態まで炒ります。

②砂糖、しょうゆ、みりんをそれぞれ加えていき、とろみがついて少し糸をひくようになるまで混ぜます。

祝い肴の簡単レシピ③ たたきごぼう

《 材料 2人分 》

ごぼう(細め) 1本

白ごま(すりごま) 大さじ3

ポン酢 大さじ1

水 大さじ1

酢水 少々

《 作り方 》

①ごぼうは、土だけ落として綺麗に洗い、縦半分に割って、5センチほどの長さに切り、酢水につけてアク抜きし、水気を切ります。

②鍋に別の酢水を入れ、①を入れて柔らかくなるまで茹でます。

③②のごぼうの水気を切って、軽く叩いてから、ごま、ポン酢、水を混ぜたものと和えます。




その他のお正月の風習・用意するもの

祝い箸(柳箸)

祝い箸とは、お正月にお箸が折れては縁起が悪いので、丈夫な柳で作られます。丸く、中ほどが太く、両端が細いのは、一方を神様が使い、もう一方を人が使う「神人共食」を意味します。中ほどのふくらみを、妊婦さんの身ごもった姿や稲穂の実りや俵の形に見立て、子孫繫栄と五穀豊穣を願う意味があります。お正月の三が日は、家族それぞれの名前が書かれた箸袋に入れて使います。

「祝い箸」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

年明けうどん

吉田うどん
2021年10月5日 富士吉田市 吉田うどん

元旦から小正月までの間にいただくうどん。太く長いうどんは、昔から長寿の縁起物として食べられてきました。白いうどんに対して、紅として梅干し、金時人参の天ぷら、赤いかまぼこを入れ、その年の幸せを願います。

花びら餅

花びら

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明日はどんな手仕事する?

おせち料理を全部作ることは本当に大変なので、今回は、誰にでもでき、時間がなくても簡単にできるものを主要3種類だけレシピを上げさせていただきました。まずはできそうなものがあれば、作ってみてください。来年は、また、1品でも2品でも増やせるようになれば、いいですよね。

買ってきたおせち料理も、わくわくして嬉しいですが、日本人として、1品でもおせち料理が作れると嬉しいですね。煮物なんて食べないなんて方もいると思います。でしたら、できることをすればいい。伊達巻だったら、お子様だって食べられます。ちょっと手の込んだ玉子焼きと思えば、簡単です。重箱がなければ、お皿でもいいと思います。まずは挑戦してみることが、大切なのかと思います。

それでは、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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