鏡餅とは
鏡餅は、年神様の御神体(神が宿るところ)とされ、家内安全や子孫繁栄を願うものとされています。
お餅の丸く平たい形は、三種の神器のひとつ、八咫鏡(やたのかがみ)を模しています。鏡は古来神事に用いられる神聖なものです。
そしてお餅は、稲の霊力が宿った特別な食物とされ、節供(節句)や祭礼に用いられてきました。大小のお餅を重ねるのは、月(陰)と日(陽)を意味し、「福が重なる」「めでたく年を重ねる」などといわれています。
鏡餅にしつらえるもの
橙、丸餅大小、裏白、ゆずり葉、熨斗鮑(のしあわび)、昆布、干し柿、海老、勝ち栗などの縁起ものを三方(台)に飾ります。
鏡餅のしつらえは、地域により異なります。その地域の風習に習って飾ってみてください。
鏡餅を飾る「三方」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

これらには、それぞれに意味があります。
橙 だいだい
橙は、家族が「だいだい」栄えるようにという意味があります。
裏白 うらじろ

裏白は、シダ植物で葉の裏が白いことから、夫婦が共に白髪が生えるまで仲良くできるように、潔白である証としてなどの意味があります。飾る際には、裏の白い方を見せて飾りましょう。シダ植物のため、水からあげるとカラカラに乾燥してしまいますが、気にせずそのまま飾りましょう。
「裏白」についてはこちら ↓↓↓

ゆずり葉
ゆずり葉は、常緑樹絶えないことから、子供の代まで栄えるように、譲り合う心も大切になどの意味があります。
熨斗鮑 のしあわび
のしあわびは、鮑(あわび)を薄く切って、長く延ばして干したものです。鮑は、15年から20年ほど生きると言われ、長生きをすることから、不老長寿の象徴とされています。
昆布
昆布は、よろ「こぶ」ようにという意味があります。
「昆布」については、【季節の手仕事「昆布」】にあります。↓↓↓

干し柿・串柿・嘉来

干し柿は、すべてのものを「かき」集めるようにという意味があります。
また、「嘉来(かき)」という字をあて、「喜びがやってくる」とも言われており、鏡餅にしつらえるとも言われています。
「干し柿」についてのまとめ記事は、【季節の手仕事「柿」⑥干し柿まとめ】にあります。↓↓↓

「干し柿」の作り方は、【季節の手仕事「柿」⑧干し柿の作り方】にあります。↓↓↓

海老
海老は、調理をすると腰が曲がり、腰が曲がるまで長生きするということから、長寿の象徴とされています。また、脱皮を繰り返すことから、新たに成長する、発展すると言われ、出世を願う食材でもあります。調理すると色が赤くなることから、魔除けという意味もあります。
勝ち栗

「勝ち栗」とは、栗の実を干して臼で軽くつき、鬼皮と渋皮を取り除いたものです。武家社会では、戦の勝機を高めるための縁起物として使われました。また、正月の祝儀などにも用いました。
「栗」については、【季節の手仕事「栗」】①~➃にあります。↓↓↓




鏡餅の飾り方
鏡餅は、床の間に飾るのが一般的ですが、現代では床の間があるお宅の方が少ないため、飾る場所や数の指定はなく、好きな場所にいくつでも好きなだけ飾っても良いとされています。ぜひ、家庭が円満になるように、たくさん飾ってみてください。
鏡餅を飾る時期
餅つきをされる方は、31日に餅つきをしたら飾りましょう。
市販のものを買われる場合は、日にちは決まっていませんが、家の中が清まったら、飾りましょう。所謂、大掃除が終わったら飾りましょう。
飾ってよいのは、12月13日の「正月事始め」からになります。
中でも飾ってはいけない日があります。12月19日、29日に飾るのは、「苦立て」といい、嫌います。特に29日は、年の末の9日で「苦を待つ」とも言われ、「二重苦」になり最も嫌われます。この日は、新しい年の準備をするのは、避けましょう。
鏡開きとは
鏡開きとは、お正月が終わると、年神様との結びつきを得るために、供えた鏡餅を下げ、お雑煮やお汁粉などにしていただくことで、年神様の力を授けてもらい1年間の無病息災を願います。
これが、毎年1月11日に行われる「鏡開き」です。(日にちは、地域により1月15日のところもあります。)
「鏡開き」では、「切る」という言葉が、昔、武士が切腹することを連想させるということから嫌い、「開く」という言葉を使います。鏡餅は、包丁などで切らずに、必ず割っていただくようにしましょう。割りにくい場合は、日光にさらして干すと柔らかくなって割りやすくなります。
「鏡開き」に下げたお餅で「お汁粉」をいただくのは、年神様が宿っていたとされる鏡餅を、邪気を祓うとされる赤い色をした小豆と共に食べることで、1年の無事を願いました。お汁粉が一般的ではありますが、雑煮や善哉を食べるところもあるようです。
お汁粉について
「お汁粉」については、【季節の手仕事「お汁粉」】にあります。↓↓↓

明日はどんな手仕事する?
お正月のしつらえの1つ、「鏡餅」については、いかがでしたでしょうか?
他にも、お正月のしつらえは、門松や注連縄飾り、生のお花を飾るなどがあります。大変ですが、それぞれに意味もありますので、面倒と思わず、できる範囲でやってみてはいかがでしょうか。
お正月が終われば、お楽しみのお汁粉も待っています。お汁粉を作る楽しみもありますので、福を呼び込む「鏡餅」を飾りましょう。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
お正月の関連記事
◆「お正月①お正月のスケジュール」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月②正月事始め」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月➃お正月飾り」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑤お正月に飾る生のお花」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑥おせち料理まとめ」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑦お雑煮」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑧重箱に詰めるおせち料理・詰め方」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑨七草粥」についてはこちら ↓↓↓

◆「お正月⑩小正月」についてはこちら ↓↓↓

季節の手仕事の関連記事
◆「暦としつらえの季節の手仕事」についての記事はこちら ↓↓↓

◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「お花の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

コメント