【季節の手仕事「お正月」③鏡餅・鏡開き】お正月の「鏡餅をしつらえる方法」、そして「鏡開きをする方法」

 1月にしたい手仕事




鏡餅とは

鏡餅は、年神様の御神体(神が宿るところ)とされ、家内安全や子孫繁栄を願うものとされています。

お餅の丸く平たい形は、三種の神器のひとつ、八咫鏡(やたのかがみ)を模しています。鏡は古来神事に用いられる神聖なものです。

そしてお餅は、稲の霊力が宿った特別な食物とされ、節供(節句)や祭礼に用いられてきました。大小のお餅を重ねるのは、月(陰)と日(陽)を意味し、「福が重なる」「めでたく年を重ねる」などといわれています。

鏡餅にしつらえるもの

橙、丸餅大小、裏白、ゆずり葉、熨斗鮑(のしあわび)、昆布、干し柿、海老、勝ち栗などの縁起ものを三方(台)に飾ります。

鏡餅のしつらえは、地域により異なります。その地域の風習に習って飾ってみてください。

鏡餅を飾る「三方」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

これらには、それぞれに意味があります。

橙 だいだい

橙は、家族が「だいだい」栄えるようにという意味があります。

裏白 うらじろ 

裏白20250210萩の上

裏白は、シダ植物で葉の裏が白いことから、夫婦が共に白髪が生えるまで仲良くできるように、潔白である証としてなどの意味があります。飾る際には、裏の白い方を見せて飾りましょう。シダ植物のため、水からあげるとカラカラに乾燥してしまいますが、気にせずそのまま飾りましょう。

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ゆずり葉 

ゆずり葉は、常緑樹絶えないことから、子供の代まで栄えるように、譲り合う心も大切になどの意味があります。

熨斗鮑 のしあわび

のしあわびは、鮑(あわび)を薄く切って、長く延ばして干したものです。鮑は、15年から20年ほど生きると言われ、長生きをすることから、不老長寿の象徴とされています。

昆布

昆布は、よろ「こぶ」ようにという意味があります。

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干し柿・串柿・嘉来

干し柿20221211
干し柿

干し柿は、すべてのものを「かき」集めるようにという意味があります。

また、「嘉来(かき)」という字をあて、「喜びがやってくる」とも言われており、鏡餅にしつらえるとも言われています。

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海老

海老は、調理をすると腰が曲がり、腰が曲がるまで長生きするということから、長寿の象徴とされています。また、脱皮を繰り返すことから、新たに成長する、発展すると言われ、出世を願う食材でもあります。調理すると色が赤くなることから、魔除けという意味もあります。

勝ち栗

栗20221001

「勝ち栗」とは、栗の実を干して臼で軽くつき、鬼皮と渋皮を取り除いたものです。武家社会では、戦の勝機を高めるための縁起物として使われました。また、正月の祝儀などにも用いました。

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鏡餅の飾り方

鏡餅は、床の間に飾るのが一般的ですが、現代では床の間があるお宅の方が少ないため、飾る場所や数の指定はなく、好きな場所にいくつでも好きなだけ飾っても良いとされています。ぜひ、家庭が円満になるように、たくさん飾ってみてください。




鏡餅を飾る時期

餅つきをされる方は、31日に餅つきをしたら飾りましょう。

市販のものを買われる場合は、日にちは決まっていませんが、家の中が清まったら、飾りましょう。所謂、大掃除が終わったら飾りましょう。

飾ってよいのは、12月13日の「正月事始め」からになります。

中でも飾ってはいけない日があります。12月19日、29日に飾るのは、「苦立て」といい、嫌います。特に29日は、年の末の9日で「苦を待つ」とも言われ、「二重苦」になり最も嫌われます。この日は、新しい年の準備をするのは、避けましょう。

鏡開きとは

鏡開きとは、お正月が終わると、年神様との結びつきを得るために、供えた鏡餅を下げ、お雑煮やお汁粉などにしていただくことで、年神様の力を授けてもらい1年間の無病息災を願います。

これが、毎年1月11日に行われる「鏡開き」です。(日にちは、地域により1月15日のところもあります。)

「鏡開き」では、「切る」という言葉が、昔、武士が切腹することを連想させるということから嫌い、「開く」という言葉を使います。鏡餅は、包丁などで切らずに、必ず割っていただくようにしましょう。割りにくい場合は、日光にさらして干すと柔らかくなって割りやすくなります。

「鏡開き」に下げたお餅で「お汁粉」をいただくのは、年神様が宿っていたとされる鏡餅を、邪気を祓うとされる赤い色をした小豆と共に食べることで、1年の無事を願いました。お汁粉が一般的ではありますが、雑煮や善哉を食べるところもあるようです。

お汁粉について

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明日はどんな手仕事する?

お正月のしつらえの1つ、「鏡餅」については、いかがでしたでしょうか?

他にも、お正月のしつらえは、門松や注連縄飾り、生のお花を飾るなどがあります。大変ですが、それぞれに意味もありますので、面倒と思わず、できる範囲でやってみてはいかがでしょうか。

お正月が終われば、お楽しみのお汁粉も待っています。お汁粉を作る楽しみもありますので、福を呼び込む「鏡餅」を飾りましょう。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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