和菓子の王様と思われる「あんこ」は、主役ではない、和菓子の中では脇役の中間素材となります。種類も使い方も作り方も奥が深いものです。奥が深いからこそ、和菓子の王様なのではないでしょうか。その奥深さを深堀してみましょう。
一般的には、「餡(あん)」ともいうのでしょうが、料理の餡かけの「餡(あん)」と混同してしまうといけませんので、ここでは豆から作る甘い「餡(あん)」のことは、「あんこ」と言わせていただきます。ご了承くださいませ。
もっと知りたい「あんこ」とは
「あんこ」とは、豆をやわらかく煮詰め、砂糖を入れて練り上げたものをいいます。
お豆の種類やお豆の状態、砂糖の種類、作り方などによって、たくさんの種類の「あんこ」が作られています。
ところで、「あんこ」にも旬があるのは、ご存じでしょうか?
正確にいうと「あんこ」の旬ではなく、あんこの材料となる豆の旬です。小豆の場合は収穫の時期が秋になります。
昔は、秋に収穫されてすぐに出荷されていたので、秋が旬となり、秋が新しいお豆の時期でした。秋に食べるおはぎがつぶあんなのは、このできたての柔らかい皮の小豆を使ったからです。
今は秋に収穫され、農家さんがしばらく置いて豆の状態が安定してから出荷されます。早いところでは、11月には新しい小豆が出ているところもあります。しかし、煮えむらなどがおきやすく安定しないため、農家さんがお正月に使ってもらえるのに間に合うよう年末まで出荷のタイミングをみてくださっているようです。
新しい小豆を新年から食べるもしくは使うのが今の「あんこ」の旬です。そして農家さんがひと手間かけてくれているからこそ、1年中、安定した美味しいお豆が食べられるということです。
「あんこ」を作る豆の種類
「あんこ」を作るには、「豆」の存在が重要となります。
和菓子の材料となる「豆」の種類などについては、こちらをご覧ください。↓↓↓

「あんこ」の種類
みなさんがご存じの「あんこ」には、お豆の状態やお豆の種類、砂糖の種類などにより、いろんなバリエーションの「あんこ」ができます。
「あんこの種類」はこちら↓↓↓

他にも「あんこ」の種類は、無限に作ることができます。
ぜひ、新しい「あんこ」を開発してみてください。
「あんこ」を使ったお菓子を食べる年間スケジュール
「あんこ」を使ったお菓子が食べられる行事や季節の紹介です。
「あんこ」が食べられた理由としては、小豆の赤が邪気を祓うとされ、それを食べることで魔除けの効果があると古くから信じられていたからです。
「あんこ」を使ったお菓子を食べる年間スケジュールと、季節ごとに食べる「あんこ」菓子、季節に関係なく食べる「あんこ」菓子の種類はこちら ↓↓↓

「あんこ(つぶしあん)」の簡単レシピ

「あんこ」を作るのは奥が深く、自分の思う味に近づけるにはほど遠いとは思いますが、とにかく何度も繰り返して作ってみるしかないと思っております。レシピを載せるなど烏滸がましいことではありますが、自分が作るのに忘れないようにということもあり、書き記させていただきます。初心者向けに、簡単な基本のつぶしあんのレシピとなります。
《 材料 》
小豆 250g
白ざら糖(甘みがくどくならないため。好みのお砂糖でも構いません。) 150g
水 適量
塩 少々
水飴 少々
《 レシピ 》

①小豆を水から2~3分茹で、アク抜きします。
②茹で汁を捨て、鍋を綺麗に洗い、もう一度水から2~3分茹でます。同じ茹でこぼしをもう一度します。3回やると、あとでほとんどアクがでません。
③アク抜きをした小豆を鍋に入れ、水が被るくらいまでたっぷり入れ、中火にかけます。沸騰したら弱火にします。
④アクが出てきたらすくい、常に小豆が水面から上に出ないように、小豆が浮き上がってきたら、上からささっと鍋の中の水分をかけて小豆を沈めます。ちなみに、打ち水は絶対にしません。
⑤小豆が簡単に指でつぶれるくらい柔らかくなったら、水分を飛ばすようにして、ざらめ糖を3回に分けて加えていきます。
⑥焦げやすくなりますので、木べらで優しく30~40分練り上げながら、塩と仕上げに水飴を入れます。仕上げに水飴を加えると、しっとりとし、テカリが出ます。
⑦火を止めて、蓋をせずに冷ますと「あんこ」が落ち着きます。また、「あんこ」は一晩寝かせると味が落ち着くといわれています。

冷蔵で2日、冷凍で2週間くらいもちます。
みなさんもぜひ、挑戦してみてください。
あんこが美味しいお店
あんこが美味しいお店の紹介です。
遠藤製餡所 静岡県三島市
あんこ屋さんの「遠藤製餡所」についてはこちら ↓↓↓

菓亭 わかつき 静岡県富士市
どら焼き、たいやき、団子、きんつば、あずきキャンディーなど、甘さしっかりのゆるめの「あんこ」が美味しい和菓子屋さんです。いつも並んでいます。
「どらやき」はその日に作った分しか販売しません。午前中に終わってしまうことも普通です。生地もとてもふんわり柔らかく、パンケーキのようです。
「たいやき」は、皮はしっかり系でパリパリです。養殖で作られているため、羽がしっかりついています。養殖で作られているとはいえ、作り置きはせずに、出来立てをいただけますので、いつも並んでいる感じです。たいやきの販売は、秋、冬、春のみで、6月~10月の暑い間はお休みです。
静岡県富士市本市場。
あんこのおすすめの逸品
自分で作ることはできないけれど、あんこが食べたくなってしまった方におすすめです。それぞれ、こちらからお取り寄せできます。↓↓↓


明日はどんな手仕事する?
和菓子も「あんこ」も大好きで、京都に行くと3食甘いものを食べている人なのですが、田舎にいるとどうしても、京都のように和菓子が手に入らず、自然と和菓子を自分で作るようになってしまいました。
職人さんがつくるような難しいものはできませんが、自分にできそうなものは、挑戦するようにしています。
祖母が作ってくれたおはぎとぼたもちが忘れられず、まずは「あんこ」作りから挑戦をしています。ただ、祖母が亡くなってもう40年以上経つものですから、レシピを知っている親族はおらず、私が自分なりに近づけています。ただ、親戚の中でも、祖母と過ごした時間が一番短い私にとって、あまりにも少ない記憶で作っていくには、なかなか難しいものがあります。でも頑張って祖母が作った「あんこ」に近づけて、「おばあちゃんのおはぎとぼたもち」を作れるようになりたいです。
そして、それをまた、伝えていけたら、嬉しいです。
このブログに記していることは、みんなそうです。気に入っていただけた方にだけで構わないので、日本の古き良き姿を伝えていけたら、嬉しく思います。頑張って記していきます。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が、素敵な1日になりますように。
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