【季節の手仕事「豆」③小豆(しょうず)】和菓子作りには欠かせない赤褐色をした邪気を払うとされる豆!

 1年を通して食べられる和菓子

「小豆」は、赤い色が邪気を祓うと考えられていたことから、古くから食べられてきました。

現在では、「餡=小豆」と言えるほど、和菓子では中間素材として欠かせない材料となっています。

そんな「小豆」についてを紹介します。




もっと知りたい「小豆」の魅力

小豆の新豆20241211
2024年12月11日 新小豆 

小豆の読み方

「小豆」は、一般的には「あずき」と呼ばれています。間違いではありません。正式には「しょうず」と読みます。

小豆の原産

東アジアから中国原産。

産地により風味が異なります。

丹波地方(兵庫県や京都府)は、大きな小豆である「大納言小豆」の発祥の地でもあります。

小豆の産地

北海道、丹波地方(兵庫県や京都府)、備中(岡山県)が日本三大小豆の産地です。

静岡県御殿場市でも生産されている方がいらっしゃいます。

小豆の分類

広義では穀物となり、種子は豆の一種になります。

小豆の科属

マメ科ササゲ属。

小豆の歴史

縄文時代の遺跡からも発掘されています。

日本最古の書『古事記』(奈良時代712年編纂)にも登場します。

小豆は何年草か

1年草。

小豆の花の色

夏に、黄色の花が咲きます。

小豆の旬

秋に実がなり、収穫します。小豆の旬は、秋です。

収穫したばかりの小豆を「新小豆」と言います。

昔は収穫したらすぐに出回っていました。秋分の頃に食べるおはぎは新小豆を使って粒あんで作っていましたので、小豆は秋が旬なことは知られていましたが、現在では、実が安定するまで農家さんが貯蔵し、新年に間に合うよう、年末に新しい小豆が出回るようになりましたので、旬がいつなのかわからなくなってしまっているかと思います。

小豆の特徴

小豆は、やや皮が厚く、豆がくずれやすく、味が濃いので、餡などに使われます。

晴れの日にいただくお赤飯には、向きません。

*お赤飯に使う「ささげ」と、「小豆」は見た目が似ていますが、異なる植物です。ささげは豆がくずれないので、お赤飯に向いています。逆にささげは餡には向きません。

小豆の季語

小豆は、秋に収穫できるので、季語は「秋」または「晩秋」となります。

もっと知りたい「小豆の種類」

小豆の種類の紹介です。

小豆は、粒が大きい順に、大納言、中納言、少納言と呼ばれます。

だいなごん 大納言

大納言という名前は、大納言が殿中で切腹しなくても良いことからきています。大納言小豆は煮ても腹割れがしないことから大粒の小豆のことを「大納言小豆」と言うようになりました。

ちゅうなごん 中納言

普通サイズの小豆となります。

しろしょうず しろあずき 白小豆

白小豆は、栽培するのが難しいため、現在では生産量が少なく、希少価値があるお豆なので、あまりお見掛けしません。

乳白色の小豆です。風味が濃いです。

白あん、白こしあんなどに使われます。白小豆で作る白あんは、最高級です。

岡山県産(備中白小豆)が有名。

もっと知りたい「小豆の品種」

◆京都大納言小豆

京都大納言小豆は、大粒で皮が柔らかく、風味が良いので、上生菓子によく使われます。

◆丹波大納言小豆

黒さや大納言の原種。丹波地方の京都府亀岡市千歳町なで栽培されています。小豆の中でも高級品種。大粒で角ばっています。ぜんざいや鹿の子などに使われます。




もっと知りたい小豆のレシピ

小豆は、餡に使われることが多いため餡のイメージが強いですが、小豆粥の方が古くから食べられています。小豆粥を行事食としているイベントがいくつかありますので、ぜひ食べてみてください。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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