【和菓子⑤和菓子の分類】和菓子を分類するのは、至難の業 その分類方法の紹介

 1年を通して食べられる和菓子

和菓子の分類は、材料や製法もそれぞれのお店により異なり、分類通りにならないというのが、現実です。線引きが曖昧になってしまうため、分け方もいろいろあります。




素材による分類

豆、砂糖、粉、その他の素材などの、素材別による分類方法です。

それぞれの素材の紹介で分類もしておりますので、こちらを参考になさってみてください。

◆使用している「豆」での分類

「豆」についてはこちら ↓↓↓

【和菓子➃和菓子の材料「豆」】もっと知りたい豆!たくさんある和菓子で使う豆の種類を上手に使い分けよう
和菓子の材料として使う「豆」についてや、豆の種類として、赤いんげん豆、小豆、いんげん豆、うずら豆、枝豆、青豆、えんどう豆、大福豆、金時豆、黒豆、ささげ、白いんげん豆、白金時豆、白小豆、白花豆、空豆、手芒、大手芒、虎豆、花豆、福白金時などを紹介

◆使用している「砂糖」での分類

「砂糖」についてはこちら ↓↓↓

【和菓子➃和菓子の材料「砂糖」】もっと知りたい砂糖!砂糖の特徴を知って種類を上手に使い分けしましょう
和菓子に使う砂糖について、歴史、役割、分類として原料、製法工程、精製工程、色相、加工形態、2種類以上の混合形態などを紹介。砂糖の種類として、きび糖、グラニュー糖、黒砂糖、氷砂糖、粉黒糖、粉砂糖、粗目糖、三温糖、上白糖、白双糖、和三盆糖を紹介

◆使用している「粉」での分類

「粉」についてはこちら ↓↓↓

【和菓子➃和菓子の材料「粉」】もっと知りたい粉のこと!和菓子で使う粉の種類を上手に使い分けしましょう
和菓子の材料「粉」について、米の粉からできているものとそうでないものに分かれます。米の粉からできている粉は、もち米からできた粉の種類と、うるち米からできた粉の種類があります。米を原料としない粉の種類も多数ご紹介しています。

◆使用している「その他の素材」での分類

「その他の素材」についてはこちら ↓↓↓

【和菓子➃和菓子の材料「豆、砂糖、粉以外」】もっと知りたい和菓子の材料!よく使う和菓子の材料の種類
和菓子の主な材料である豆、砂糖、粉以外に良く使われる材料として、甘味料として、あまずら、すり蜜、はちみつ、水飴、その他の材料として、寒天、桜葉、薯蕷、味噌などを紹介しています。

製法による分類

製法による分類方法です。この分類方法は、「~物」という呼び方をします。

餅物

「餅物」とは、もち米に砂糖と水を加えて混ぜ、蒸してから搗いたり練ったりした餅や、もち米の粉を使って作られるものをいいます。

餅は、稲作と共に東南アジアから伝わりました。平安時代には行事や節供には欠かせない食べ物であり、甘い菓子としては、砂糖の生産が始まった江戸時代に広く普及しました。

餅、草餅、柏餅、牡丹餅・御萩、赤飯、粽、葛餅、わらび餅、粟餅などが含まれます。

焼き物

「焼き物」とは、焼くことにより、味、香り、形がより一層よくなるお菓子をいいます。

焼き方は、平鍋や一文字鍋と呼ばれる鉄板で焼いたり、オーブンなどで焼いて作ります。

焼き餅どら焼き、中花種物、艶袱紗、桜餅、茶通、金つば、唐饅頭、栗饅頭、カステラ、乳菓、桃山、落とし焼き、草紙、きんつば、松風、黄味雲平、米菓、ぼうろ、おこし、卵松葉、調布、小麦煎餅、けんぴ、カルメラなどが焼き物に含まれます。

蒸し物

「蒸し物」とは、蒸し上げる菓子、蒸した生地で作るもののことをいいます。

蒸し饅頭、蒸し羊羹、蒸しカステラ、外郎、かるかん、浮島、黄身時雨などが含まれます。

流し物

「流し物」とは、流し缶や器などに流し入れて固めて作り上げる菓子のことをいいます。

錦玉羹、羊羹、水羊羹などが含まれます。

餡物

「餡物」とは、中間素材でもある餡が、主役になる菓子のことをいいます。

石衣などが含まれます。

練り物

「練り物」とは、練る工程がある菓子のことをいいます。

練切、こなし、求肥、雪平などが含まれます。

揚げ物

「揚げ物」とは、油で揚げる菓子のことをいいます。

餡ドーナッツ、揚げ月餅、かりんとうなどが含まれます。

打ち物

「打ち物」とは、砂糖と寒梅粉(みじん粉)やはったい粉などに少量の水をもみ混ぜて種を作り、木型に詰めて乾燥させ、打ち出した菓子のことをいいます。

片栗粉を加えたものを「片栗」、つくね芋をつなぎにしたものを「芋つなぎ」といいます。和三盆だけのものは、角がピンと立ちます。

落雁、片栗物、雲錦物、懐中汁粉などが含まれます。

押し物

「押し物」とは、砂糖と寒梅粉(みじん粉)などの打ち物の材料を、棹型や木枠に詰めて押して作る菓子のことをいいます。打ち物よりも水分量が多いものになります。

塩釜、白雪糕、時雨などが含まれます。

掛け物

「掛け物」とは、豆やあられなどの上に、砂糖やすり蜜などの衣を掛けた砂糖菓子の総称のことをいいます。

おめで糖、石衣、金平糖、おこし、落花糖、果物の砂糖漬けなどが含まれます。

英語ではドラジェ(Dragee)と言います。

岡物

「岡物」とは、中間素材を加熱せず(火を使わず)、組み合わせて成形したものをいいます。

すはま、最中、鹿の子などが含まれます。

水分による分類

出来上がりの水分量による分類方法です。

出来上がりの水分量が30%以上のお菓子を「生菓子」、

出来上がりの水分量が10%~30%のお菓子を「半生菓子」、

出来上がりの水分量が10%以下のお菓子を「干菓子(乾菓子)」と分類します。

それぞれの店ごとに材料の分量が違うため、その店により分類が異なる場合があります。

生菓子

出来上がりの水分量が30%以上のお菓子を「生菓子」に分類します。日持ちしません。茶席では濃茶用の主菓子として使われます。

◆餅物

餅、草餅、柏餅、御萩、赤飯、粽、葛餅、わらび餅、粟餅など

◆焼き物

どら焼き、中花種物、艶袱紗、桜餅(関東)、茶通、金つば、唐饅頭、栗饅頭、カステラ、乳菓、桃山など

◆蒸し物

蒸し饅頭、蒸し羊羹、蒸しカステラ、外郎、かるかん、浮島、黄身時雨、団子など

◆流し物

錦玉羹、羊羹、水羊羹など

◆練り物

練切、こなし、求肥、雪平など

◆揚げ物

餡ドーナッツ、揚げ月餅など

半生菓子

出来上がりの水分量が10%~30%のお菓子を「半生菓子」に分類します。

◆餡物

石衣など

◆岡物 

すはま、最中、鹿の子など

◆焼き物 

落とし焼き、茶通、草紙、きんつば、松風、桃山、黄味雲平など

◆流しもの

錦玉羹、羊羹など

◆練り物

求肥など

干菓子

出来上がりの水分量が10%以下のお菓子を「干菓子(乾菓子、惣菓子)」に分類します。日持ちし、茶席では、薄茶と合わせます。

◆打ち物 

落雁、片栗物、雲錦物、懐中汁粉など

◆押し物 

塩釜、白雪糕、時雨など

◆掛け物

おめで糖、石衣、金平糖、おこし、果物の砂糖漬けなど

◆焼き物 

落とし焼き、米菓、ぼうろ、おこし、卵松葉、小麦煎餅、けんぴ、カルメラなど

◆揚げ物 

かりんとうなど

◆飴物 

有平糖、金花糖、翁飴など

◆豆菓子 

大徳寺納豆など




賞味期限に関する分類

◆朝生菓子

その日に作られ、時間が経つにつれ硬くなるのでその日のうちに食べる日持ちがしないお菓子のこと。「並生菓子」ともいう。餅、団子、葛菓子、小麦饅頭など日常のお菓子などのこと。

◆上生菓子

砂糖をたっぷり使っているもので2~3日保存がきくお菓子のこと。茶席などで使われる蒸し菓子などのこと。こなし、練切、求肥、きんとん製など。

季節、暦、月など時による分類

日本には、四季があり、季節を使って分ける方法もあります。

また、二十四節気、七十二候、雑節など暦で分けていく方法もあります。

時として分けていく方法として一番わかりやすいのは、月別にすることでしょう。

時で分けられない菓子もありますが、誰もが理解できる方法にはなります。

和菓子のおすすめの逸品

和菓子といったら、京都。京都には、数えきれないほどの有名な和菓子屋さんがあります。

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明日はどんな手仕事する?

和菓子の分類など、和菓子の職人さんか和菓子作りをされる方などでないと必要でない情報なのかもしれませんが、分類好きとしては、自分がどうしたらよいのかわからなく、整理してみました。

結局、「和菓子①和菓子の種類」では、100種類以上もある和菓子を分類するのが、どうにもまとまらなくなり、名称をあいうえお順で並べることにしました。誰もが一番わかりやすい方法、探しやすい方法なのではないでしょうか。

和菓子①和菓子の種類」では、説明の内容の中に、製法の分類や、水分の分類も書かせていただいております。そちらでも判断していただけると幸いです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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