【和菓子➃和菓子の材料「砂糖」】もっと知りたい砂糖!砂糖の特徴を知って種類を上手に使い分けしましょう

 1年を通して食べられる和菓子

和菓子の材料「砂糖」の種類の紹介です。

繊細な味と見た目の和菓子は、作るものによって材料の種類を細かく変えます。ただこの材料の種類が気軽に揃うというわけでもありません。代用できるものもあるかとは思いますので、上手に使いこなしていきましょう。

紹介した材料に載せたそれぞれの商品はお取り寄せができます。わざわざお店さんまで探しに行かなくても、希少なものも手に入れることができます。クリックして詳細もご覧いただけます。作ってみたいものがあれば、参考になさってみてください。




もっと知りたい「和菓子に使う砂糖」について

砂糖の歴史

奈良時代の754年、中国の僧侶「鑑真」が来朝した際に、薬用品として持ち込みました。

平安時代になって延暦24年(805年)、最澄が唐に渡り仏教を学び、日本に帰国した際に、調味料としての砂糖を持ち帰ってきたと言われています。

室町時代(1550年頃)に南蛮菓子が渡来し、その後とても高価ではありましたが砂糖も輸入されるようになりました。

一般的に出回るようになったのは、江戸時代中期(1700年代前半頃)。8代将軍徳川吉宗が砂糖の国内生産を奨励。讃岐(現在の香川県)で竹糖を絞った汁を煮詰めて作った砂糖(現在でいう和三盆糖)が出回るようになり、これまで高価だった砂糖が一般に広まり、砂糖を使った甘いお菓子が広がったとされています。

砂糖の役割

甘みの役割のほか、防腐や酸化防止、光沢を出したり、加熱して焼き色や香ばしい香りを生んだりする役割をします。

砂糖の分類

原料による分類

◆甘蔗糖(かんしょとう)

サトウキビの茎から絞った糖汁を加工して作ったもの。精製されて白砂糖やグラニュー糖になります。

世界の砂糖の生産量の80%が「甘蔗糖」です。

◆甜菜糖(てんさいとう)

甜菜から作られる砂糖です。砂糖大根やシュガービーツとも呼ばれます。

世界の砂糖の生産量の20%が「甜菜糖」です。

製法工程による分類

◆含蜜糖(がんみつとう)

糖蜜を結晶と分離せずに結晶化したものです。ミネラルを豊富に含み、味わいにコクがあり、優しい甘さが特徴です。

黒糖(黒砂糖)、赤糖、きび糖、甜菜含蜜糖、和三盆糖などが分類されます。

◆分蜜糖

糖蜜を分ける工程を何度も繰り返して結晶だけにしたものです。

上白糖やグラニュー糖などが分類されます。

精製程度による分類

◆粗製糖(そせいとう)

◆精製糖(せいせいとう)

色相による分類

◆白砂糖

◆赤砂糖

◆黒砂糖

加工形態による分類

◆粉糖

◆角糖

◆氷糖

2種以上の混合形態による分類

◆花見糖

◆天光糖

◆初雪糖

和菓子に使う砂糖の種類

砂糖の種類は、あいうえお順にしてあります。

きび糖

搾り立てのさとうきびの汁で作られているので、さとうきび本来の風味があります。色や形も黒砂糖よりも使いやすいです。

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グラニュー糖

粒子が小さく、純度が高く、サラサラしています。アクが少ないのでさっぱりとした甘さに仕上げたい時に使われます。

餡や羊羹、錦玉羹、琥珀、果物の砂糖漬け(ピール)などに使われます。

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くろざとう 黒砂糖

さとうきびの糖蜜を煮詰めたもの。さとうきび汁に石灰を加え、濾して濃縮し、固まらせたもの。蜜を分離させていない。精製されていない黒褐色の塊状、あるいはそれを砕いた強い香りの砂糖。多くは塊で販売されているので、砕いて使います。甘みと香りが強いのが特徴。黒蜜の材料になります。

江戸時代初期に中国から沖縄に製法が伝わりました。

黒砂糖を使った菓子は、産地の奄美大島から「大島」の名がつきます。

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こおりざとう 氷砂糖

純度の高いショ糖の大きな結晶です。名前の由来は、外見が氷のようなだから。果実を漬けた時の溶け残りがなく、果実の美味しいエキスをしっかり引き出してくれます。氷糖(ひょうとう)とも呼ばれます。

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こなこくとう 粉黒糖

「大島糖」とも呼ばれる黒褐色の砂糖です。

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こなざとう 粉砂糖

純度の高い白双糖やグラニュー糖を細かくすりつぶしたもの。純白、微粉末の砂糖で、琥珀、雲平などに使います。粉糖(ふんとう)とも呼ばれます。

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ざらめとう 粗目糖

→白双糖をご覧ください。




さんおんとう 三温糖

さとうきびの分蜜糖。さとうきびの糖液を濃縮させ、結晶と糖蜜に分離させた砂糖。これを精製したものが精製糖。

薄茶色で上白糖より純度は低く、よりしっとりとしています。特有の風味と強い甘みをいかして、コクを出したい時に使います。

蜜を3回煮詰めて作ることから、三温糖と名が付きました。

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じょうはくとう 上白糖

一般的には白砂糖と呼ばれます。純白で粒子が細かく、甘みが強く、しっとりしていて、水に溶けやすいのが特徴。和菓子に使う時には、ふるってから使うことをおすすめします。

さとうきびの分蜜糖。さとうきびの糖液を濃縮させ、結晶と糖蜜に分離させた砂糖。これを精製したものが精製糖。

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しろざらとう 白双糖

さとうきびの分蜜糖。さとうきびの糖液を濃縮させ、結晶と糖蜜に分離させた砂糖。これを精製したものが精製糖。

結晶が大きく、糖度の高い砂糖。水分が少なく、貯蔵性に優れています。無色透明の砂糖。

白色のものが「白双糖」、カラメルで色付けしたものが「中双糖」。

「粗目(ざらめ)糖」、「白ザラメ」、「上双糖」とも呼ばれます。

綿菓子などに使います。

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しろしたとう 白下糖

さとうきびの含蜜糖。さとうきび汁に石灰を加え、濾して濃縮し、固まらせたもの。蜜を分離させていない。小さな粒子の混じったペースト状の黄褐色の砂糖。和三盆糖の原料。

そとう 粗糖

さとうきびや甜菜を原料として作られる砂糖。粗目の形状。色は黄褐色。精製糖の原料となります。味にコクと深みを加えてくれる。

ちゅうはくとう 中白糖

さとうきびの分蜜糖。さとうきびの糖液を濃縮させ、結晶と糖蜜に分離させた砂糖。これを精製したものが精製糖。上白糖よりやや甘く、淡黄色。

わさんぼんとう 和三盆糖

さとうきびの分蜜糖。さとうきびの糖液を濃縮させ、結晶と糖蜜に分離させた砂糖。これを精製したものが精製糖。

中国から輸入していた三盆白を、江戸時代中期文化年間に国産化に成功したもの。

日本特有の製法で作られる粒子の細かな砂糖です。白糖を袋に入れて、水を打って揉み、絞って揉むという作業を3回繰り返し、天日干しします。やや黄味がかった白い無光沢の粉末。適度な湿り気とくちどけの良さが特徴。

打ちもの(落雁)や干菓子などに使われます。

香川県や徳島県で栽培されたさとうきびからしか作られていない貴重なものです。

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明日はどんな手仕事する?

和菓子作りには欠かせない「砂糖」です。

最近では、和菓子でも甘さ控えめが主流となり、甘味を減らして作りたいという方も多いようです。しかし、和菓子は甘さが大切です。甘さを控えめにしたい気持ちもわかりますが、和菓子の良さがなくなってしまう気もします。甘さ控えめもほどほどにしたいところですね。

砂糖は、種類も多く、砂糖の種類一つで味も変わってしまうほどです。味や材質を知り、上手く使い分けができるようになると、より美味しい和菓子ができるでしょう。

何度か作っていくと、材料に拘ってみたくなるかと思いますので、そしたら今回の記事のように、いろいろな材料を揃えてみてください。

みなさまの和菓子作りが楽しくなることを願っております。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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