【季節の和菓子「飴(あめ)】もっと知りたい飴のこと!キャンディーだけではない飴の種類を紹介!

「飴」といったら、舐めるキャンディーのことを思い浮かべると思います。

でも「飴」は、硬いものだけではなく、柔らかいものもありますし、丸いものだけでなく、板状のものもあります。

意外にも世界が広い「飴」について、紹介していきます。




もっと知りたい「飴」の魅力

飴の歴史

「飴」は、日本で発明され、人工的な甘味料としては最古のものとされます。

その「飴」の歴史は古く、『日本書紀』(奈良時代・養老4年(720年)編纂)には、神武天皇が水飴を作られたとあります。

また、『日本書紀』や後の『倭名類聚抄(わみょうるいじしょう)』(平安時代・931~938年著)に、飴は「米もやし」から作られているとあります。

奈良時代の記録には、飴を作るために米を納税したという記録が残されています。

平安時代には飴はすでに商品として売られ、京都には「飴屋」があったとされます。

江戸時代になると、飴作りも盛んになり、種類も豊富に作られるようになりました。

飴の名前の由来

「あま」「あまい」から「あめ」になったとされます。

また、時期は不明ですが、「糖」と書いて「あめ」と読みました。

飴の原料

米、大麦、粟、稗(ひえ)、甘藷、とうもろこし、じゃがいもなどで、蒸煮した穀類を麦芽または酵素のジアスターゼで糖化させたもので、通常は淡黄色透明の半液状物質となります。

飴の種類

キャンディーだけではない、「飴」の種類の紹介です。

あさじあめ 浅路飴 

求肥製。

「あさじあめ」とは、炒った白いごまを薄密で求肥全面にまぶしたお菓子で、求肥の柔らかい食感とごまの香ばしい風味が特徴です。

江戸時代末期の嘉祥菓子のひとつです。

アリヘイトウ アルヘイトウ 有平糖 

「有平糖」は「南蛮菓子」のひとつです。

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いたあめ 板飴

昔懐かしい、板状になった飴の中にピーナツが入っているものです。おせんべいのようにバリバリザクザク食べます。

おきなあめ 翁飴 

干菓子。飴物。水飴に寒天を混ぜた、ねっとりしたねっとりしたやわらかな弾力のある飴です。

新潟の高橋孫左衛門商店さんの「翁飴」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

おめでとう 御目出糖 

干菓子。掛け物。

きなこあめ 黄粉飴

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ぎゅうひあめ 求肥飴 

江戸時代初期に上菓子として人気となりました。

主原料は、白玉粉またはもち米、砂糖、水飴です。 

きんかとう 金華糖

金沢のひなまつりに欠かせない砂糖菓子です。

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こんぺいとう 金平糖

「金平糖」は、「南蛮菓子」のひとつです。

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たんきり飴

「たんきり飴」とは、のどにつかえた痰を切る効果のある飴とされています。ただ医薬品ではありませんので、効果はあまり期待はできません。

ばくがあめ 麦芽飴

麦を発芽させた麦芽のアミラーゼで、デンプンを分解させて作るマルトース(麦芽糖)を主成分とする飴のこと。麦芽糖は、ビールや水飴を作るのに使います。

水飴について

水飴は、芋類や穀類などのでんぷんを糖化させて作った透明で液状の甘味料です。

生地に使えばつやが出て、しっとりと仕上がります。

結晶化しないので、砂糖と共に使って、砂糖の再結晶化を防ぎます。

水飴のことを「ネキ」とも言います。水飴を多く加えた餡のことを「ネキ餡」といいます。

求肥、錦玉羹、州浜、羽二重餅、松風、桃山などに使われます。

飴のおすすめのお店

榮太樓

文政元年(1818年)創業。

「梅ぼ志飴」が有名。

東京都中央区日本橋。

高橋孫左衛門商店

寛永元年(1624年)創業。日本最古の飴屋。

「翁飴(おきなあめ)」が有名。

新潟県上越市。

森八

ひなまつりの「金華糖」が有名。

石川県金沢市。

山屋御飴所

「板あめ」が有名。

長野県松本市。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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