【季節の指標 二十四節気、七十二候「処暑(しょしょ)」】期間:2025年8月23日~9月6日

 8月にしたい手仕事




処暑(しょしょ)とは

処暑とは、ようやく暑さが収まってくる頃ということ。

近年は、まだまだ暑さが続き、処する(とまる)ことはなさそうですね。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。

暦の上での四季は、これで分けられています。

二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。

1つの節気は、約15日間です。

処暑の七十二候

七十二候(しちじゅうにこう)とは

七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。

地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。

初候「綿柎開(めんぷひらく)」8月23日〜8月27日

綿を包む萼が開き、花を咲かせた綿花が弾ける頃のことをいいます。収穫の時期を迎えることになります。この綿毛を紡いで、木綿や糸が作られます。

次候「天地始粛(てんちはじめてしゅくす)」8月28日~9月1日

秋雨前線により、北から冷たい空気が運ばれてきて、ようやく暑さが鎮まる頃ということ。雲の形も、夏の形から秋の形に徐々に変わってきます。

末候「禾乃登(くわすなわちみのる)」9月2日~9月6日

稲や粟などの穀物の実が大きくなり、実る頃のこと。

処暑の頃に旬を迎える食べ物 「里芋」

里芋が美味しい季節がやってきます。

出立ては、子芋を「衣被(きぬかつぎ)」にして食べるのが、贅沢です。茹でるだけで、塩をふって食べるのが、本当に美味しいです。

他にも里芋には、奇妙な名前がついています。詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓

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処暑の頃に食べる和菓子 「松風」

暑い間は、冷たいものやのど越しの良いお菓子が食べたくなるものです。しかし、秋になると急に甘いものや焼き菓子などが食べたくなります。

そこで、処暑の頃に食べる和菓子でご紹介したいのが「松風(まつかぜ)」です。

製法はさまざまで、堅い煎餅状のものから、しっとりもっちりしたものまであります。しっとりとした焼き菓子が主流ということで、分類は半生菓子になります。半生菓子の焼物製です。

小麦粉に砂糖や水飴を加えた生地を練って焼き上げたもので、米粉を加えたりもします。表面には、けしの実や芥子、黒胡麻、大徳寺納豆が散され、裏には何もないことから、名前の由来は、『浜の松風浦さびしい』にかけて、松風の音ばかりで裏(浦)寂しいということからこの名がついたとされます。

京都では白味噌を加えた「味噌松風」が有名です。地域によっては、八丁味噌を加えるところもあります。

松風は戦国時代の兵糧が起源とされます。江戸時代末期には嘉祥菓子の1つとして食べられていました。

味噌松風と柚子味噌松風のセットだそうです。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

古くからある焼き菓子「松風」。ぜひお試しください。

処暑の頃に咲くお花 「さるすべり」

さるすべり20200723
2020年7月23日

「百日紅(さるすべり)」の花です。

百日紅のお花の季語は、仲夏です。

夏から秋になった今でも咲き続けます。100日咲くから、この漢字を充てたのでしょう。100日って、3ヶ月ちょっと。暑い間に咲き続ける強いお花です。

さるすべりとは、幹の樹皮がツルツルで、木登りが得意な猿でも滑って登れないということから、この名が付いたと言われてます。

漢字とよみがなの意味が全く違うお花も珍しいです。

さるすべりといって思い出すのが、京都市役所にあるさるすべりが頭に浮かびます。さるすべりとしては、見たことがないくらいの大きさです。大きな桜の木のようにのびのびと育っています。京都に訪れた際には、ぜひご覧になってみてください。

処暑を迎え、やっと涼しくなってくるのかと思うと、暑い時期に咲いていたお花も枯れ初め、元気いっぱいだった季節から、秋の淋し気な風景に少しずつ変わってきます。

食べ物も秋らしい食材が少しずつ出始め、「食欲の秋」が楽しみになります。こうやって、四季を感じていると、本当に日本に産まれて良かったと思えます。秋も存分に楽しみたいですね。




処暑の頃のしつらえ「キャンドル・和ろうそく」

処暑の頃になってくると、キャンドルの灯りが愛おしくなってきます。

日本では、キャンドルを点けてその灯を愉しむということはあまりしませんが、北欧など日照時間が短い国では、キャンドルを点けて愉しむことは生活の一部になっています。

お花のレッスンでも、この時期は、キャンドルを含めたアレンジを作ることが多くなります。

キャンドルスタンド
2018年9月16日 生徒さん作品

キャンドルスタンドのアレンジです。

アドベントキャンドルアレンジ
2017年11月9日 生徒さん作品

クリスマスのアドベント用に飾るキャンドルアレンジです。

キャンドルアレンジ
2018年3月14日 生徒さん作品

キャンドルホルダーにアレンジした作品です。

キャンドルホルダーアレンジビクトリアンスタイル
2018年3月18日 生徒さん作品

日本にも「和ろうそく」があります。

鎌倉時代末期には、「ろうそく」というものがあったようです。

電気のない時代には、月明かりかろうそくを使っていたので、昔の方が、ろうそくの大切さは身にしみていたことでしょう。今は生活必需品ではなくなってしまいましたが、炎に癒される余裕のある生活ができることが憧れでしょうか。

使用するには、あまりにも勿体ない気もしますが、伝統の「和ろうそく」に絵が描かれたものです。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

明日はどんな手仕事する?

少しずつ暑さも収まり、秋に向けて動きたしたい時期になります。

秋は、「食欲の秋」「読書の秋」と楽しいことばかりですが、「手仕事の秋」でもあります。手仕事が忙しくなる時期です。たくさんの手仕事をして、たくさんの方にお伝えができれば、嬉しいです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

次の二十四節気「白露(はくろ)」

次の二十四節気は「白露(はくろ)」です。↓↓↓

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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