【季節の指標 二十四節気、七十二候「立春(りっしゅん)」】期間:2026年2月4日~18日

 2月にしたい手仕事




立春とは

立春とは、二十四節気の一つです。その年の最初の節気になります。寒も峠を越え、春の気が立つ、暦の上では春が始まるという時期という意味です。

旧暦の1月1日が、立春とほぼ時期が重なることから、立春は、春の始まりでもあり、1年の始まりでもあるとされました。

立春、立夏、立秋、立冬の「四立(しりゅう)」のひとつで、新しい季節の始まりとなります。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。

暦の上での四季は、これで分けられています。

二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。

1つの節気は、約15日間です。

立春の七十二候

七十二候(しちじゅうにこう)とは

七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。

地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。

初候「東風解凍(とうふうこおりをとく)」2月4日~8日

東の方角から春の風が吹き始めて、長い冬に閉ざされていた氷のように凍っていた大地を溶かし、川や湖の氷を溶かし始める頃という時期です。「東風」とは「こち」と読み、春風を表す代名詞となっています。

次候「黄鶯睍睆(こうおうけんかんす)」2月9日~13日

春を代表する鳥の鶯(うぐいす)が鳴き始める頃ということです。

その年になって初めての鶯の鳴き声を「初音」といいます。ちょうどこの時期、山里で梅の花を愛でながら、「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれる鶯の初音を楽しむことができます。寒さの残る中にも、確かに暖かい足音を感じさせる鶯の鳴き声が心地よく響きます。

たまに、「え?今の鳴き声なに?すごく下手?」なんて鳴き声も最初のうちは聴こえてきます。鶯さんたちは、気にしていないかもしれませんが、意外にも人間は「あなたたちの鳴き声に、春を感じているのですよ。」と突っ込みたくなることが、あります。そこは、鶯さんたちからもらう違う意味での笑顔のプレゼントですね。

鶯は、「花見鳥(はなみどり)」「匂い鳥(においどり)」「人来鳥(ひとくどり)」「百千鳥(ももちどり)」「愛宕鳥(あたごどり)」など、別名が多いことでも知られています。

末候「魚上氷(うおこおりにのぼる)」2月14日~18日

暖かさと寒さの揺り戻しが激しく、春はまだ遠いと感じる時期ではあります。永い冬に閉ざされていた氷の下で動きを遮られてきた魚たちが、勢いよく動き出し、氷の溶解と共に躍り始める頃になります。春先の氷のことを「薄氷(うすごおり)」と呼びます。

立春の頃のしつらえ

春になりましたので、使っているリネン関係を、白や黄色、ピンクや黄緑、水色などのパステルカラーに変えてみましょう。

リネン関係とは、ベッド周りのシーツ、カバーなど、カーテン、テーブルクロスなどになります。それだけで気分が明るく変わります。

春は、お花が咲き始める季節になります。この時期に飾るお花は、芽が出立てのようなイメージで、短い丈で、か弱い感じに飾るのが良いでしょう。

パンジー

ビオラは、意外にも切り花にしても長持ちします。お花だけでなく、葉も付いている状態で切りましょう。

蕗の薹

蕗の薹は、蕾の頭が開いてしまっているものを使うと良いでしょう。茎もほとんどないとは思いますが、なるべく長くきるようにして、口の小さな花瓶に挿してあげると安定します。

お花柄のものを使うのもおすすめです。お花柄のリネンや、お花柄の食器など使うのもいいですね。

まだまだ寒い日が続きますので、気分から変えていきましょう。

立春の行事食

年の初めに食べておきたい縁起食を3つ紹介します。

①立春朝搾り

立春の朝にいただくお祝いのお酒です。お正月のお屠蘇のようなものです。

「立春の朝に搾られたお酒」という意味もあるようです。2024年の立春の朝に搾られるおめでたいお酒をこちらからお取り寄せができます。↓↓↓

②立春大福

立春の朝にできた大福は縁起が良いとされ、「立春大吉」、「立春大福」、「大吉餅」などと呼ばれます。

③立春豆腐

節分の豆まきのお豆を立春の朝にお豆腐にしていただくというもの。白い豆腐が邪気を祓うからということのようですが、なかなかお豆腐までは自分で作れないかもしれません。




立春の頃に旬を迎える食べ物「ブロッコリー」

ブロッコリー20220114高木さんち
2022年1月14日

箱根西麓三島野菜の一つ、「三島ブロッコリー」。

「三島ブロッコリー」は、とても甘いことから、薹(花)だけでなく、茎も葉も食べることができます。農家さんは、葉までつけて出荷しています。太い中心の部分は、薄くスライスして、さっと茹でてそのまま食べます。茎こそ、ブロッコリーの美味しさの詰まった部分になります。

「ブロッコリー」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「ブロッコリー」】もっと知りたい栄養価が高く野菜の王様ともいわれるブロッコリーの手仕事
指定野菜になるブロッコリーについて、和名、英名、原産、日本での産地、科属、分類、歴史、茎、栄養価、育つ姿として、栽培方法、収穫時期、収穫方法、調理上の注意、品種、似ている野菜として、スティックセニョールやロマネスコなどを紹介しています。

立春の頃に食べる和菓子「鶯餅(うぐいすもち)」

うぐいす餅

うぐいす餅は、餅や求肥であんこを包み、青きな粉や青海苔をまぶしたものです。

うぐいすの鳴き声が聞こえ始める頃に食べられる和菓子です。

鳥らしく、両端をつまんだ形にすることが多いお菓子です。

立春の頃に咲くお花「河津桜」

河津桜20230305斉藤建材
2023年3月5日 

早咲きの桜として定着した「河津桜」。静岡県東伊豆の河津町で生まれた桜です。

河津桜は、沖縄の「寒緋桜(かんひざくら)」と自生種の「オオシマザクラ」を交配させてできた品種です。カンヒザクラは濃いピンク色をしており、オオシマザクラは葉と花が同時に開花する白い桜です。

その両親を持った河津桜だからこそ、この可愛いピンク色をした桜が咲くのです。

河津桜が全国に広がるほど、愛される理由がわかる気がします。

毎年河津川沿いで行われる河津町の「河津桜まつり」は、例年2月上旬から2月いっぱいまで行われます。春の伊豆に遊びにいらしてください。

「河津桜」についてはこちら ↓↓↓

【季節の花図鑑「桜」⑥河津桜】誰からも愛される早咲きの濃いピンク色がかわいい河津桜(かわづざくら)
誰からも愛され全国に広がっている早咲きの河津桜(かわずざくら)。河津桜の姿の写真や、河津桜が咲くまでの出生の姿、河津桜について、河津桜ができた交配種寒緋桜と大島桜、花が咲く時季などをご紹介。わかりやすいように、写真多めでのご紹介となります。

明日はどんな手仕事する?

新しい年、新しい季節に入りました。私は、季節と共にいるので、1月1日の新年も良いのですが、この暦でいう新年の方が、気持ちの切り替えなどができます。

誰にとっても、春はウキウキする季節です。

新しいことを始めたり、新しいお友達に出逢ったり、お花が芽吹いてきたり、前を向きたくなる季節ですね。

さぁ、この春は何をしましょうか?

難しく考えることなどありません。「この野菜で、これを初めて作ってみよう」とか「このお花を飾ってみよう」それだけで良いのです。それだけで、自分の心は前に進みます。何かやってみて、失敗してもいいので、楽しんでみてください。それだけでいいのです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

次の二十四節気「雨水(うすい)」

次の二十四節気は「雨水(うすい)」です。↓↓↓

【季節の指標 二十四節気、七十二候「雨水(うすい)」】期間:2026年2月19日~3月4日
季節の指標でもある二十四節気と七十二候の雨水です。天候においても、生活においても、変化の起きやすい時期でもあります。物を減らすことで、身動きが取れやすく、次に進みやすくするための、喜捨、断捨離、ミニマリストなどをご紹介しています。

季節の手仕事の関連記事

◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓

季節の手仕事カレンダー
季節の手仕事をまとめた月ごとに「季節の手仕事カレンダー」。これを見るだけで、季節の手仕事を忘れずにできます。季節を感じながら、楽しく季節の手仕事をしましょう。

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

食材別の季節の手仕事
季節の保存食を作るのに必要なメインの食材を、食材別で紹介しています。野菜、山菜、野草、果物など分野に分けております。それぞれの食材が育つ姿、本当の旬、収穫方法、アク抜きや下処理、保存食のレシピやメニューなど、季節の手仕事を紹介しています。

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

和菓子の季節の手仕事
和菓子で季節を感じるために、行事食など特定の日に食べる和菓子、季節の和菓子の種類、1年中食べられる和菓子の種類、地域の和菓子の種類などを紹介。高級なイメージのある和菓子ですが、普段使いの和菓子もたくさんあり、和菓子がもっと身近になります。

◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

暦としつらえの季節の手仕事
二十四節気、七十二候、五節句、節供、雑節などの暦に沿って季節を感じられるよう、カレンダー式に紹介。それぞれの暦の行事食、その時期に旬を迎える食べ物や和菓子、お花やしつらえなどの関連を含めた季節の手仕事を紹介。しつらえるものについても紹介。

◆「花の季節の手仕事」についてのまとめ記事はこちら ↓↓↓

お花の季節の手仕事
お花を上手に生ける上で知っておくとよいことは、そのお花がどのように芽がでて、葉が開き、茎が伸びて、花が咲き、かれていくのかを知ることです。出生を知ることで、そのお花のいけ方や活かし方がわかります。お花が咲く本当の季節もお花別に紹介します。

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

おすすめの食材店と道の駅
旬の食材を探しに行くのにマストな探し方は、農家さんが作っているものを持ち込む、道の駅、旅の駅、村の駅、川の駅、ファーマーズマーケットです。手に入らない食材の宝庫です。また、個人的によく利用している地元の食材のお店もご紹介しています。



20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

asunaniをフォローする
 2月にしたい手仕事 2月の和菓子
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました