甘夏は、すっぱいと言われ、温州みかんのように好んで食べられないのが現状です。それならジャムやピールにすれば、とっても爽やかで美味しいです。
簡単なのでぜひ、チャレンジしてみてください。
もっと知りたい「甘夏」について

甘夏の正式名称
「川野夏橙(かわのなつだいだい)」
甘夏の別名
「甘夏橙」「甘夏蜜柑」「甘夏柑」とも呼ばれ、総称して「甘夏」と呼ばれています。
甘夏の産地
鹿児島県、熊本県、愛媛県、和歌山県などで栽培されています。
甘夏の旬
3~5月。
甘夏の歴史
昭和10年(1935年)に大分県津久見市の川野豊氏によって選抜、育成され、1950年に品種登録されました。
甘夏の分類
夏みかんの変異異種。
甘夏の特徴
酸味が少なく、糖度が高いので食べやすいのが特徴。とはいえ、酸っぱいです。香りはよく、爽やかな甘酸っぱさが楽しめます。
果実は、ポン酢やドレッシングにするのがおすすめです。
果実や果皮は、ジャムさえ作ってしまえば、ゼリーやパウンドケーキ、私はういろうなどにも加えて応用してしまいます。ぜひ試してみてください。
もっと知りたい「甘夏の品種」
◆おわせあまなつ 尾鷲甘夏
うまみが凝縮されており、甘みと酸味のバランスがよく、爽やかな味わいが特徴です。三重県尾鷲市の暖かい気候と尾鷲湾のミネラルを含んだ潮風を受けて育っています。
◆サンフルーツ(新甘夏)
熊本県田浦町で発見された甘夏と八朔を掛け合わした品種です。
愛媛県では「サンフルーツ」、静岡県では「ニューセブン」、和歌山県では「田ノ浦オレンジ」と言われます。
◆スルガ甘夏

静岡県で作られている品種。甘夏独特の酸っぱさがない。そのまま食べることができます。
◆べにあまなつ 紅甘夏
紅甘夏は、甘夏の枝変わり品種。鹿児島県で産地指定を受けている品種です。甘夏よりも甘く酸味もまろやかなのが特徴。
もっと知りたい「甘夏の手仕事」
甘夏のジャム(マーマレード)
柑橘系のジャムのことを総称して「マーマレード」と呼びますが、私のブログの中でも柑橘系のジャムはたくさん紹介しているため、私は勝手に甘夏と八朔だけをマーマレードと呼んでいます。ただ、わかりやすいように、「甘夏のジャム」と記載させていただきます。ご了承ください。
甘夏の味を活かしたレシピとなっておりますので、長期保存されたい場合は、グラニュー糖の量を増やしてください。私は甘くしないで、出来上がり冷めたら、そのままラップで小分けにして保存袋に入れて冷凍保存してしまいます。食べていた分がなくなったら、冷凍しておいたものをそのまま自然解凍すれば、味も変わらずに食べることができます。
《 材料 》
甘夏 3個 1つは300ℊくらいです
グラニュー糖 300g
《 作り方 》
①甘夏のヘタをとり、4等分にします。

②果皮をむきます。

③中わたや筋をスプーンなどで取ります。
これが苦いので、しっかり取り除きましょう。

果皮が薄くなりました。

➃果皮を2センチ幅くらいで細切りにしていきます。

⑤果実は、果実と果汁、種、薄皮に分け、薄皮は捨てます。種はお茶の袋に入れておきます。
⑥鍋に切った果皮を入れ、水がかぶるくらいまで入れ、火にかけます。沸騰したら、5分中火にかけ、ザルにあげ、また水から火にかけます。この茹でこぼしを全部で3回繰り返します。

⑦3回の茹でこぼしが終わったら、⑥をザルにあげ水分を切り、鍋に戻します。水を鍋底1㎝くらい入れて、果実と果汁も入れ、火にかけます。甘夏は果実と果汁が多いため、水は、果実の水分が出てくるまで焦げない程度入れておけば十分です。
⑧種を入れたお茶のパックも入れます。これは、とろみ成分のペクチンをつけるためです。

⑨10分くらい煮たら、⑧のお茶のパックを取り出し、グラニュー糖を入れます。

⑩途中、アクがでてきますので、取り除いてください。焦げやすいのでゆっくりかきまぜながら、とろみと照りがでてきたら出来上がりです。時間にして30分くらいです。

冷めると固まりますので、水分が残った状態で火から下げて大丈夫です。
甘夏のピール(オレンジピール)
「ピール」とは、外側の果皮のことです。オレンジピールとは、柑橘系の外側の果皮で作った砂糖漬けです。甘夏で作るピールは、ほろ苦く、とてもクセになります。また、チョコレートをかけて、「オランジェ(オランジェット)」にもできます。甘夏のジャムと途中までは作り方もほぼ一緒なので、覚えてしまえば、簡単にできます。
《 材料 》
甘夏 外果皮のみ 1個
砂糖 果皮の60%
グラニュー糖 大2
《 作り方 》
①甘夏のヘタをとり、4等分にします。
②果皮をむきます。

果実は使いませんので、食べてしまうか、ジャム作りがあれば、そちらに入れてしまいましょう。
③中わたや筋をスプーンなどで取ります。ワタが苦いので、しっかり取り除きましょう。

➃果皮を切っていきます。幅は長いもの、短いものになってしまいますが、厚さは8ミリに均等に切っていきます。

⑤鍋に切った果皮を入れ、水がかぶるくらいまで入れ、火にかけます。沸騰したら、10分中火にかけ、ザルにあげ、また水から火にかけます。この茹でこぼしを全部で3回繰り返します。
⑥3回の茹でこぼしが終わったら、⑤をザルにあげ、果皮の量を計り、鍋に戻し、水がかぶるくらいまで入れて、火にかけます。
⑦砂糖の量を計り、3回に分けて入れます。果皮は軟らかいので、かき混ぜると切れてしまったりしますので、優しく砂糖を混ぜていきます。
⑧途中、アクがでてきますので、取り除いてください。焦げやすいので残っている汁をゆっくりかけてあげるようにしながら、汁がなくなり照りがでてきたら煮るのは出来上がりです。時間にして10分くらいです。
⑨ザルや網を用意し、クッキングペーパーなどを敷き、干します。


⑩風があれば、丸1日干せば出来上がります。8ミリよりも厚めに切った場合と長期保存したい場合は、2日~3日しっかり干した方が良いかもしれません。しっかり乾燥できていないと、カビが生えてしまうこともあります。注意してください。
⑪干した果皮にグラニュー糖をまぶして、完成です。

甘夏のおすすめの逸品
地元伊豆の「間瀬」さんの「甘夏もち」。これ大好きです。間瀬さんのお菓子は、伊豆のお土産にはおすすめです。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓


明日はどんな手仕事する?

甘夏は、どうしても実がすっぱいため、嫌われがちですが、ジャムやピールにすると、とても人気がありすぐになくなってしまいます。そのまま食べることから考えると手間のかかることではありますが、手をかけて美味しく食べてあげるのが、甘夏に対しても、食べる側にとっても良いことなのではないでしょうか。毎年、実ってくれることへの感謝を込めて、美味しくいただきましょう。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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