生姜と一言でいいますが、いろんな種類の生姜があります。中でもよく使われるのが、「新生姜」です。
生姜の手仕事は、この新生姜ができたらすぐに作る「新生姜の甘酢漬け」です。生姜は身体にいい、身体が温まる、不調知らずということで、常に食べたいものなのでできるだけたくさん作っておきたいです。そこで、「新生姜の甘酢漬けのレシピ」だけでなく、生姜の種類や出てくる時期などを確かめておきましょう。
生姜の種類と旬
1年中あるように思える生姜ではありますが、旬はあり、時期によっては、生姜がない時期もあります。
やしょうが 矢生姜
「筆しょうが」とも呼ばれます。春に旬を迎えます。陽に当てずに育てる軟白栽培をし、収穫してから陽に当てて赤みをつけます。
「はじかみ」は、矢生姜の茎元が紅色のもので、酢漬けにして焼き魚に添えて出される10㎝程の長さの細長い生姜です。
はしょうが 葉生姜
「葉生姜」とは、生姜の若いものをいいます。葉や茎がついたまま、世に出回ります。若い生姜は柔らかいので、茎がついたまま、お味噌などをつけてカリっと食べるのが美味です。クセになる大人の味です。
出回るのは、4月から8月頃です。
茎の根元の部分が紅く色づく品種で「谷中しょうが」が有名です。
葉生姜の産地は、静岡県が全国一の生産量を誇っています。葉生姜の種となる種生姜を地元三島の箱根西麓で作り、産地の静岡市の久能地区に収めていました。
現在では、地元三島でも葉生姜の栽培に力を入れており、種生姜の栽培との二刀流となっています。
三島の葉生姜は、魚のかすを肥料にして、とても柔らかくて食べやすい葉生姜「ヤマツ葉しょうが」を作っています。「ヤマツ葉しょうが」の旬は、7月上旬から9月上旬です。
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しんしょうが 新生姜

高知県産のハウス栽培のものは、早いもので3月頃から例年5月~10月頃まで出回ります。
地元の露地ものは、春に植えて9月から10月頃出回ります。
根生姜よりも繊維が少なく、色白で、辛味も弱く、水分量が多く、柔らかいのが特徴です。そのまま食べることもできます。甘酢漬けや梅酢漬けにしたり、ジンジャーエールなども作ることができます。新生姜といったら、なんといっても、新生姜の炊き込みご飯がおすすめです。最近では、生姜の砂糖漬けもたくさん作ります。おやつに最適です。
新生姜を使ったレシピはこちら↓↓↓

ねしょうが 根生姜
新生姜として採られた生姜を農家さんが約2か月保存してから出荷するのが、根生姜です。特徴は、新生姜と古根の間くらいのものです。みずみずしいわけではなく、乾燥はしていない。辛味も古根ほどではないが新生姜よりはあるといった感じです。新生姜でしかできないお料理や古根でしかできないようなもの以外、何でも使えるのが、根生姜の良いところです。
ふるねしょうが 古根生姜、ひねしょうが 老成生姜
前年の生姜で、種生姜として根付けした生姜です。新生姜と一緒に収穫でき、新生姜よりも深くに生えています。香り、辛味が強く、繊維も豊富になります。生臭みを消す効果から、魚や肉の下味などに使います。最近は、この古根もスーパーなどで売られています。農家さんのお父さんに言わせると、「こんなものを販売していいんだ。捨てるものだと思っていた。」と笑っていました。古根のなかでも、太っているものが、筋っぽくなくて使いやすいです。

左下が古根、右が採れたての新生姜。まだ、古根が新生姜にくっついている状態です。
生姜の別の呼び名
生姜の大きさの表現として、「小生姜(こしょうが)」と「大生姜(おおしょうが)」という表現をします。基本的には、葉生姜のことを「小生姜」といい、新生姜、根生姜、古根などのことを「大生姜」といいます。
新生姜が育つ姿
新生姜の収穫時期

新生姜は、露地ものは、9月から10月に収穫できます。
ハウス栽培のものは、3月頃から10月頃までの真冬の時期以外、出回ります。
新生姜の収穫方法
新生姜の収穫には、力はいりません。茎が真っ直ぐ上を向いていますので、土の中に埋まっている生姜をゆっくり引き上げます。根が長いので、その場で切り落とします。


採れ立ての新生姜です。これが1株です。右下の古根を種として植えておくと、このような生姜ができます。そして、その古根も新生姜に繋がって収穫できます。
新生姜の保存方法
ペーパータオルに包み、夏は冷蔵保存、それ以外は常温保存が可能です。使いかけのものは、ラップに包み冷蔵庫の野菜室に入れて保存してください。もしくは、輪切りにして5枚ずつラップして保存袋に入れ、冷凍保存すると使い勝手が良いです。
もっと知りたい「生姜」について
生姜の原産
熱帯アジアが原産の生姜は、インドや中国を中心に世界に広がりました。
生姜の日本での産地
暖かい地域の高知県や和歌山県、千葉県での生産量が多く、静岡県でも葉生姜の生産量が多くなっています。
生姜の科属
ショウガ科ショウガ属の多年草です。
生姜の歴史
日本では、古くは『魏志倭人伝』や『古事記』にも生姜を食べた記録が残っています。
生姜の皮のむき方
生姜の皮付近には、栄養が集まっています。皮は無理に全部むこうとせず、硬めのスプーンで汚いところをこそぐ程度の方が、生姜の良さが生きてきます。
生姜の切り方とその効果
しょうがの切り方とその効果として、繊維に沿って切ると食感が際立ちます。繊維に沿って千切りに切ると針しょうがになります。また、繊維に垂直に切ると、香りが出やすく、口当たりも柔らかになります。
生姜の数え方
生姜の数え方として、「片」という単位を使います。
これは、生姜のデコボコした部分の数え方として使うもので、それが定着しています。今ではスマートな生姜も多いため、「片」での目安は解り難いのですが、だいたい親指の先の大きさと思えばよいのかと思います。グラムにすると、1片=約10ℊと思っていただけるのが、目安になるでしょう。
生姜の栄養成分

ジンギベレン
生姜の香り成分のジンギベレンには、健胃作用、解毒作用、保温作用、消炎作用などがあり、風邪の初期症状の緩和、血管を広げて血行を促進する働きがあるので冷え性、神経痛などの改善に効果があるとされます。血行改善は、代謝を活発にしてエネルギー消費量を増やしたり、体温を上げることによって免疫力を高めたりする効果にもつながります。
シンゲロール(ギンゲロール)
シンゲロールは、生姜に含まれる辛味成分。抗酸化活性、抗炎症作用、鎮痛作用、吐き気の緩和などに効果があります。老化防止効果も期待できます。
ショウガオール
ショウガオールは、シンゲロールよりも強い刺激を持ち、強力な殺菌力で食中毒を防ぎます。また、胃液の分泌を促進して消化吸収を助け、食欲を増進する効果があります。
シンゲロン
シンゲロンには、魚などの臭みを消す消臭作用と共に、魚などに付着している細菌の増殖を抑える抗菌作用があります。魚料理に生姜を添えるのは、合理的な方法からくるものです。
明日はどんな手仕事する?
生姜は、常に何かお料理に取り入れられないか、考えてしまうほど、よく使うようにしています。生姜を取り入れることが身体に良いことは、間違いないので、積極的に摂りたい食材の1つです。体温が上がるだけで、身体の不調も減りますし、何よりお肌がつやつやになります。
そのためにも、生姜のストックが大切だと思っています。常にすぐに使える状態にしておくこと。うちは、新生姜と古根を分けて、それぞれ輪切りにして5枚ずつラップして保存袋に入れて、冷凍してあります。そうすると、新生姜が使いたいレシピの時には新生姜が使え、魚を煮るなど古根が使いたいときには古根がある状態にしておきます。以前は、生姜というくくりでしかなかったのですが、やはり用途が違うので、分けて冷凍するようにしたところ、やはり使い勝手がいいです。
手に入れたらすぐに処理をしておくクセをつけると、時短にもなります。ぜひ、試してみてください。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が素敵な1日になりますように。
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