【季節の手仕事「芹(せり)」】もっと知りたいせり!春の香りを運ぶ山菜「せり」の手仕事

 1月にしたい手仕事




「せり」の手仕事とは

「せり」といったら、春の七草のひとつで、1月7日の人日の節句でいただく「七草粥」に入れます。

地元が春の七草の産地でもあることから、毎年七草粥は、生の七草を使うことができるのですが、「せり」が活躍するのは、七草粥だけなのでしょうか。

主役にはなれない、脇役な「せり」ではありますが、脇で良い仕事をしてくれます。

そんな「せり」の魅力に迫ります。

もっと知りたい「せり」について

「せり」のことをもっと知って、「せり」を主役に抜擢してあげましょう。

せりの英名

Japanese parsley

せりの原産

数少ない日本原産の伝統野菜。

せりの自生場所

水分の多い土壌を好み、山から畑、田の畦道(あぜみち)や川原の湿地など各所に自生する野草です。自生する場所により、名前も違います。下記の「せりの種類」もご覧ください。

せりの産地

「せり」といえば、寒い地域のものが有名です。

せりの出荷量日本一は、宮城県になります。

秋田で食べられている「きりたんぽ」、宮城で食べられている「せり鍋」などは、せりをふんだんに使った鍋料理になります。

また、京野菜で有名な京都では「京せり」が、金沢の加賀の伝統野菜では「加賀ぜり」などが栽培されています。

地元三島では、「箱根西麓三島野菜」のひとつとして、「せり」が作られています。

ちなみに「箱根西麓三島野菜」では、「せり」のほか、「春の七草」の七種類の野菜すべてが作られています。

「箱根西麓三島野菜」についてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「箱根西麓三島野菜」】季節の手仕事に欠かせないブランド野菜「箱根西麓三島野菜」の紹介!
箱根西麓三島野菜とは箱根山の西側斜面で作られる野菜です。種類は三島甘藷、キャベツ、里芋、三島セルリー、三島大根、たけのこ、玉ねぎ、三島人参、三島の葉ねぎ、三島の白菜、三島馬鈴薯、三島ブロッコリー、レタス、ロメインレタス、春の七草などを紹介

せりの科属

セリ科セリ属の多年草。

せりの歴史

奈良時代にはすでに食用とされていたという記録が『古事記』(712年編纂。奈良時代初期)や『万葉集』(7~8世紀後半に編纂。奈良時代末期)に残っています。

せりの名前の由来

競り合うように上に上に伸びて生えていることから「競り勝つ」とも言われ、その「競り(せり)」からきていると言われています。縁起の良い草になります。

せりの旬

地域や場所により、ばらつきがあるようです。

箱根西麓野菜のせり

箱根西麓三島野菜の「せり」は、「春の七草」としていただく「七草粥」の頃から出回りはじめ、1月~2月に旬を迎えます。

野生のせり

野生のせりは、自生する場所により1月~5月頃に出回ります。

田ぜり・畑ぜり

栽培種の田ぜりは、10月から4月頃に、栽培種の畑ぜりは、秋に出回ります。

春のせり

春せりは、宮城県の石巻など一部地域で、4月から5月に出回ります。

せりの草丈・サイズ

「春の七草」としていただく「七草粥」の頃には、まだ20センチほどの大きさの若芽が出回りますが、1月下旬にもなると、30センチを超える長さのものになります。

せりの香り

せり独特の食べたあとに鼻の奥に残る香りがあります。

せりの特徴

独特の香り、シャキシャキとした食感、ほろ苦さが特徴です。

せりの効能

精を養い血脈を調え、神経痛、痛風、リウマチなどに効果があります。

独特の爽やかな香りが身体を温めるのにも役立ちます。

せりの季語

春になります。

せりを手に入れる方法

「せり」を栽培している産地だからか、「せり」の時期になるとスーパーで普通に販売されています。

もし手に入らないようでしたら、ファーマーズマーケットや道の駅などに、時期になれば出てくることが多いです。

せりの食べ方、アク抜き

「せり」は、葉や茎はもちろん、根まで食べることができます。捨てるところがない「せり」です。

火を通して食べることが多い「せり」ですが、火を通すことでアク抜きをしています。生でも食べることができますが、これは栽培された品種になります。自生のものは、できれば火を通してアク抜きした方が良いでしょう。

せりを使うメニュー

「せり」と言ったら、七草粥が代表的なメニューなのかもしれません。

ただ、他にも、せり鍋、きりたんぽ鍋、炒め物、和え物、お浸し、ぬた、雑煮、味噌汁、汁物、天ぷら、ナムルなどにも使われます。

大根の葉をごま油で炒めて作る「大根葉」を作りますが、せりでも同じように作り、ご飯にかけて食べます。




もっと知りたい「せり」の種類

「せり」という名前は総称となり、採れる場所や採れる時期によりそれぞれの名前があります。2つに被ってしまうような分類がしにくいところもありますが、その地域で呼ばれている名称に従ってみてください。

野生のせり

「山ぜり」

セリ科ヤマゼリ属の多年草。産地の湿ったところに自生します。クセのある香りがあり、アクも強いため、灰や重曹でのアク抜きが必要です。

「野ぜり」

長さも10センチ程で根の方が長いくらい根が発達しています。香りは強いです。

「岡せり」

山でもなく野でもない、小高い土地に自生するせりをいいます。

水田で栽培されるせり

「田ぜり」

田んぼのあぜ道などに自生します。野ぜり同様、長さは10センチ程で、香りは強いです。

また、水田で栽培されるせりのことも「田ぜり」といいます。

畑で栽培されるせり

「畑ぜり」

その名の通り、畑で栽培されるせりです。

栽培品種のせり

現在、流通されている「せり」は、栽培されているものが多く、茎の長い品種となります。

「長ぜり」

茎が30~50センチある長いせりです。

「水ぜり」

小川などの水辺に群生します。

「栽培ぜり」

栽培されているせり全般を言います。

冬せり

一般的なせりは、冬に出回りますので「冬せり」と言われます。

春せり

冬せりを枯らして、そこから出た芽を伸ばしたものが「春せり」です。冬せりよりも香りが良く、爽やかな香りがします。春せりは根を抜かずに、切り取って出荷されるため、日持ちせず、宮城県の近隣のみにしか出回らないものになります。

せりは「春の七草」のひとつ

せり20220106
2022年1月6日

「せり」は、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろと並んで、「春の七草」の1つとなっています。

「春の七草」についてや「七草粥」のレシピなどについてはこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「お正月」⑨七草粥】人日の節句は、生の「春の七草」を手に入れて「七草粥」を作りましょう
箱根西麓三島野菜には、生の「春の七草」があります。生のせり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろを手に入れて、香りのよい七草粥を作りましょう。

せりのおすすめの逸品

「せり」が主役になる料理の紹介です。「せり」の栽培で有名な仙台のせり鍋を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓ 本場のせり鍋をお楽しみください。

せりの関連記事

◆「春の山菜の種類一覧」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

【季節の手仕事「山菜」】もっと知りたい山菜!春にしか食べられない!春の愉しみ山菜の種類一覧まとめ
春の山菜について、あいこ、いたどり、うど、うるい、かたくり、きのめ、ぎょうじゃにんにく、こごみ、こしあぶら、しおで、しどけ、せり、たらのめ、つくし、ねまがりだけ、のびる、ふきのとう、ふき、みつば、やまにんじん、よもぎ、わらびなどを紹介

季節の手仕事の関連記事

◆「季節の手仕事カレンダー」はこちら ↓↓↓

季節の手仕事カレンダー
季節の手仕事をまとめた月ごとに「季節の手仕事カレンダー」。これを見るだけで、季節の手仕事を忘れずにできます。季節を感じながら、楽しく季節の手仕事をしましょう。

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

食材別の季節の手仕事
季節の保存食を作るのに必要なメインの食材を、食材別で紹介しています。野菜、山菜、野草、果物など分野に分けております。それぞれの食材が育つ姿、本当の旬、収穫方法、アク抜きや下処理、保存食のレシピやメニューなど、季節の手仕事を紹介しています。

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

和菓子の季節の手仕事
和菓子で季節を感じるために、行事食など特定の日に食べる和菓子、季節の和菓子の種類、1年中食べられる和菓子の種類、地域の和菓子の種類などを紹介。高級なイメージのある和菓子ですが、普段使いの和菓子もたくさんあり、和菓子がもっと身近になります。

◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓ 

暦としつらえの季節の手仕事
二十四節気、七十二候、五節句、節供、雑節などの暦に沿って季節を感じられるよう、カレンダー式に紹介。それぞれの暦の行事食、その時期に旬を迎える食べ物や和菓子、お花やしつらえなどの関連を含めた季節の手仕事を紹介。暦は毎日が楽しくなることばかり。

◆「お花の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

お花の季節の手仕事
お花を上手に生ける上で知っておくとよいことは、そのお花がどのように芽がでて、葉が開き、茎が伸びて、花が咲き、かれていくのかを知ることです。出生を知ることで、そのお花のいけ方や活かし方がわかります。お花が咲く本当の季節もお花別に紹介します。

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

おすすめの食材店と道の駅
旬の食材を探しに行くのにマストな探し方は、農家さんが作っているものを持ち込む、道の駅、旅の駅、村の駅、川の駅、ファーマーズマーケットです。手に入らない食材の宝庫です。また、個人的によく利用している地元の食材のお店もご紹介しています。



20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

asunaniをフォローする
 1月にしたい手仕事 2月にしたい手仕事 3月にしたい手仕事
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました