和菓子の歴史が気になり、日本にある和菓子の老舗さんを創業年順に並べてみました。
創業年順にすることで、世の中の時代の流れと和菓子との関係も、見えてきます。
長く続いているお店さんの努力の証はもちろん、どんな菓子が食べられてきているのか、どの辺りの地域で食べられていたのか、どんな風に食べられていたのかも、見えてきます。
日本にあるすべてのお店さんを調べているわけではなく、まだまだ一部に過ぎないと思いますので、これからも調べ続け、更新していきたいかと思っております。
江戸時代より前に創業の老舗さんからわかること
江戸時代より前から続く老舗さんが作る菓子
まだ砂糖が手軽に手に入る時代ではないため、甘いお菓子というよりも、塩気のあるお菓子が多いように思えます。特に、餅類が多くなります。
江戸時代より前からある老舗さんの地域性
やはり都のあった京都のお店が多くなります。また、お伊勢参りなども人気があり、伊勢周辺にも集まっています。
江戸時代より前の菓子の食べられ方
現在のように、包装が充実しているわけではありませんので、茶屋でその場で食べることが多かったようです。
平安時代(794年~1185年頃)創業のお店
一文字屋和助
◆創業 平安時代の長保2年(西暦1000年)の創業と言われています。飲食店としては、日本最古の老舗。
◆創業当時の商品 「おかちん(勝餅=あぶり餅)」
◆現在の商品 「あぶり餅」のみ。
◆現在の住所 京都府京都市北区。今宮神社近く。通称「一和」さん。
鎌倉時代(1185年~1333年頃)創業のお店
松島こうれん本舗 紅蓮屋心月庵
◆創業 鎌倉時代の嘉歴2年(1327年)創業。
◆創業当時の商品 米菓
◆現在の商品 「松島こうれん(米菓)」各種。
◆現在の住所 宮城県宮城郡松島町。
室町・戦国時代(1333年頃~1603年頃)創業のお店
塩瀬総本家
◆創業 貞和5年(1349年)創業。
◆創業当時の商品 饅頭
◆現在の商品 「志ほせ饅頭」
◆現在の住所 東京都中央区。
亀屋陸奥
◆創業 応永28年(1421年)創業。
◆創業当時の商品 御供物など
◆商品の変化 1570年頃「松風」のはじまり。
◆現在の商品 「松風」など
◆現在の住所 京都市下京区。
本家尾張屋
◆創業 寛正6年(1465年)創業。
◆創業当時の商品 菓子
◆商品の変化 江戸時代末期の三代目により「そば餅」、十四代目により「蕎麦板」、十五代目により「蕎麦ぼうる」が誕生しました。
◆現在の商品 「蕎麦板」「蕎麦ぼうる」など。
◆現在の住所 京都市中京区烏丸二条。1702年より蕎麦屋さんも開始。
水田玉雲堂
◆創業 応仁の乱の直後、文明9年(1477年)創業。
◆創業当時の商品 唐板煎餅。
◆現在の商品 「唐板(からいた)」のみ
◆現在の住所 京都市上京区。上御霊神社鳥居前。
御粽司 川端道喜
◆創業 文亀3年(1503年)創業。
◆創業当時の商品 餅、粽
◆商品の変化 戦国時代から江戸時代にかけては宮中に餅を納める餅屋でした。
◆現在の商品 「道喜粽」
◆現在の住所 京都市左京区。
本家小嶋
◆創業 天文元年(1532年)創業。
◆創業当時の商品 芥子餅(けしもち)
◆現在の商品 「芥子餅(けしもち)」「ニッキ」「泰平餅」など
◆現在の住所 大阪府堺市堺区。
笹井屋
◆創業 天文19年(1550年)創業。
◆創業当時の商品 「なが餅」
◆現在の商品 「なが餅」など。
◆現在の住所 三重県四日市市。
太閤餅
◆創業 永禄8年(1565年)創業。
◆創業当時の商品 「太閤出世餅」
◆現在の商品 「太閤出世餅」
「太閤出世餅」は、天下人豊臣秀吉にも愛された伊勢の名物の縁起餅の焼き餅です。粒あんの入った「太閤出世餅」は、1つ1つ手焼きされています。
◆現在の住所 三重県伊勢市。伊勢神宮前。
おせきもち
◆創業 1570年代頃創業。
◆創業当時の商品 もち
◆現在の商品 「おせきもち」、おはぎなど
◆現在の住所 京都府京都市伏見区。鳥羽街道沿い。
江戸時代に「せき女」という女性が、街道を行きかう旅人に餅をふるまっていたことに由来します。
二軒茶屋餅角屋本店
◆創業 天正3年(1575年)創業。
◆創業当時の商品 茶屋 餅
◆現在の商品 「二軒茶屋餅」
「二軒茶屋餅」は、こしあんを生餅で包んできな粉をまぶしたお餅です。時間を置くと硬くなってしまいますので、その場で伊勢茶と共にいただきます。
◆現在の住所 三重県伊勢市。伊勢神宮近く。
「二軒茶屋」とは、町の名前。伊勢中心部を流れる勢田川の船着き場に「角屋」と「湊屋」という二軒の茶屋ができたことに由来するそうです。
長五郎餅本舗
◆創業 天正年間(1587年頃)には創業していたとされます。
◆創業当時の商品 「長五郎餅」
◆現在の商品 「長五郎餅」
◆現在の住所 京都市上京区一条通。北野天満宮近く。北野天満宮境内にも茶店あり。
とらや
◆創業 室町時代後期京都にて創業。
◆創業当時の商品 菓子
◆商品の変化
1635年には、羊羹、有平糖、落雁、まんじゅう、豆飴などを作っていたことが覗えます。
◆現在の商品 「羊羹」「最中」など
◆現在の住所
京都府京都市上京区。烏丸一条。東京遷都に伴い、1869年、東京に進出。現在本店は、東京赤坂。
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