【季節の手仕事「久寿餅(くずもち)】もっと知りたい久寿餅!久寿餅と葛餅(くずもち)との違い




久寿餅(くずもち)と葛餅(くずもち)の違い

「くずもち」という同じ名前の和菓子があります。

共に、きな粉と黒蜜をかけて食べる同じ「くずもち」という名前です。でも内容は違うものになります。

こちらで紹介する「久寿餅(くずもち)」は、関東で食べられているもので「小麦デンプン」を長期間発酵、精製して蒸したもので、独特の食感と風味があります。

また、もうひとつの「葛餅(くずもち)」とは、関西で食べられているもので「葛粉」に水と砂糖を加えて火にかけてよく練り、型に入れて冷やした半透明のものです。

「葛餅」については、「葛②葛菓子まとめ」をご覧ください。↓↓↓

【季節の手仕事「葛(くず)」②葛菓子】もっと知りたい葛菓子!葛粉を使った葛菓子の手仕事のすべて。
葛粉を使った葛菓子として、葛切り、葛練り、葛まんじゅう、葛餅、葛焼き、葛湯、粽を紹介。それぞれ手仕事としてレシピなどもあります。

どちらも「くずもち」という名のプルンとした和菓子になります。

葛粉で作られた関西の「葛餅」と、小麦粉で作られた関東の「久寿餅」と覚えると良いでしょう。

もっと知りたい「久寿餅(くずもち)」について

久寿餅の分類

生菓子。餅もの。米以外の粉を使った餅菓子。 

久寿餅の食べ方

「久寿餅」は、無添加食品のため、日持ちはしません。「時間に比例して風味が落ちる」とこのことなので、できれば作られているお店さんで食べるのが、一番「久寿餅」を美味しく味わえます。

「久寿餅」はそのまま食べるよりも、きな粉や黒蜜をつけて食べるのがおすすめです。

久寿餅の特徴

小麦粉のでんぷんを長期間発酵させたものです。

食感は、もちもちシコシコしています。

「久寿餅」が三角形をしているのは、古来より、浄化や厄を祓うという意味からです。

久寿餅が食べられている地域

主に、関東地方で食べられていたものが、全国に広まりました。

久寿餅の歴史 

「久寿餅」は、江戸時代にできたとされます。

久寿餅の名前の由来

江戸時代の飢饉の際に、久兵衛さんの小麦粉が濡れてしまい、使い物にならなくなってしまったのですが、これに火を通せば食べられるのではないかと思い、作ったら美味しく、それを町の人に振る舞い、町を救ったことから、久兵衛さんの「久」と長寿の「寿」をとって「久寿餅(くずもち)」と名付けられたとされます。

久寿餅の作り方

東京都北区にある「石鍋商店」さんの作り方です。

①小麦粉で作った生地を水洗いします。

小麦粉の主成分はグルテンとでんぷんからできています。

水洗いして取り出したグルテンは、固形で残りお麩になります。

水洗いして取り出したでんぷんは、1年半以上発酵するとくずもちになります。

②そのでんぷんは、半年するとぐつぐつと発酵し始め、泡がでてきます。

ヨーグルトのような匂いがして、乳酸菌ができていることになります。

③酸味を水で洗って抜きます。

➃でんぷんが沈むので水を捨てます。

⑤➃の作業を5日繰り返すと弾力が出てきます。

⑥蒸籠に原料を流し込み、蒸します。

太ももの内側の柔らかさになったら、出来上がりです。




久寿餅が有名なお店

川崎大師 山門前 住吉

神奈川県川崎市川崎区大師町。大正6年創業。川崎大師前。

「独鈷 久寿餅」は、添加物は一切使用していません。

浅野屋本店

東京都大田区。宝暦2年(1752年)創業。池上本門寺前。東急池上線池上駅前。

船橋屋

東京都江東区亀戸。文化2年(1805年)創業。亀戸天神前。

「元祖くず餅」は、無添加発酵させているから消費期限はなんと2日間。拘りのきな粉と黒蜜を掛けていただきます。

船橋屋さんの「元祖くず餅」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

石鍋商店

東京都北区岸町。明治20年(1887年)創業。王子稲荷神社近く。

しこしことした弾力のある餅は、粘り気があり、乳酸発酵の力強さがあります。

久寿餅の関連記事

◆葛餅(くずもち)についての「葛②葛菓子」の記事はこちら↓↓↓

【季節の手仕事「葛(くず)」②葛菓子】もっと知りたい葛菓子!葛粉を使った葛菓子の手仕事のすべて。
葛粉を使った葛菓子として、葛切り、葛練り、葛まんじゅう、葛餅、葛焼き、葛湯、粽を紹介。それぞれ手仕事としてレシピなどもあります。

◆「和菓子①和菓子の種類」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

【和菓子①和菓子の種類】和菓子約100種以上を紹介!和菓子の種類一覧 
和菓子の種類は奥が深く、時季、別名、分類、種類、原料、材料、作り方、食べ方、特徴、地域、歴史、由来、おすすめのお店などの紹介のほか、中間素材や作成方法などが商品名となってしまっているものも、すべてまとめて100種類以上をあいうえお順に紹介。詳しくはリンクしてご覧ください。

◆「和菓子の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

和菓子の季節の手仕事
和菓子で季節を感じるために、行事食など特定の日に食べる和菓子、季節の和菓子の種類、1年中食べられる和菓子の種類、地域の和菓子の種類などを紹介。高級なイメージのある和菓子ですが、普段使いの和菓子もたくさんあり、和菓子がもっと身近になります。

季節の手仕事の関連記事

◆「季節の手仕事カレンダー」の記事はこちら ↓↓↓

季節の手仕事カレンダー
季節の手仕事をまとめた月ごとに「季節の手仕事カレンダー」。これを見るだけで、季節の手仕事を忘れずにできます。季節を感じながら、楽しく季節の手仕事をしましょう。

◆「食材別の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

食材別の季節の手仕事
季節の保存食を作るのに必要なメインの食材を、食材別で紹介しています。野菜、山菜、野草、果物など分野に分けております。それぞれの食材が育つ姿、本当の旬、収穫方法、アク抜きや下処理、保存食のレシピやメニューなど、季節の手仕事を紹介しています。

◆「暦としつらえの季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

暦としつらえの季節の手仕事
二十四節気、七十二候、五節句、節供、雑節などの暦に沿って季節を感じられるよう、カレンダー式に紹介。それぞれの暦の行事食、その時期に旬を迎える食べ物や和菓子、お花やしつらえなどの関連を含めた季節の手仕事を紹介。しつらえるものについても紹介。

◆「お花の季節の手仕事」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

お花の季節の手仕事
お花を上手に生ける上で知っておくとよいことは、そのお花がどのように芽がでて、葉が開き、茎が伸びて、花が咲き、かれていくのかを知ることです。出生を知ることで、そのお花のいけ方や活かし方がわかります。お花が咲く本当の季節もお花別に紹介します。

◆「おすすめの食材店と旬の食材探しで訪れたい道の駅」のまとめ記事はこちら ↓↓↓

おすすめの食材店と道の駅
旬の食材を探しに行くのにマストな探し方は、農家さんが作っているものを持ち込む、道の駅、旅の駅、村の駅、川の駅、ファーマーズマーケットです。手に入らない食材の宝庫です。また、個人的によく利用している地元の食材のお店もご紹介しています。



20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

asunaniをフォローする
 1年を通して食べられる和菓子
シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました