もっと知りたい「千両」について

千両の特徴は、「実物」ではありますが、新春のお花としていけられます。
「実物」は花を添えていけるものとされていますが、千両は「実物」でありながら、その赤い実の美しさから、単体ですべての賀席にいけても差し支えないとされています。
千両の別名
「クササンゴ」のように赤い実を付けることからそのようにも呼ばれます。
千両の漢字
「千両」の他にも、縁起の良い名前ということで「仙蓼」とも表記します。
千両の科属
センリョウ科センリョウ属。 多年草。
千両の分類
千両は、お花の分類の中では、「実物」 として扱われます。いけばなの中では、「実物」は主役にはなれませんが、千両は美しい赤い実を賞して主役としても扱うことができます。
千両の歴史
いけばなの花伝書と言われる『池坊専応口伝』(室町時代)にも「専祝言に用べき事」として、「仙蓼果(千両の実)」が挙げられています。
千両の名前の由来
彩りのない冬に鮮やかな赤い実をつけるので、千両の価値があるということからこの名が付いたとされます。
万両とともに、景気のよい名前ですが、万両よりも赤い実が少ないことから、千両と言われています。ちなみに、万両とは、全く別の種類の植物です。

「万両」は、葉の下に赤い実がなります。
千両の葉

茎から出る葉は、左右前後それぞれ2枚ずつ計4枚出て、その真ん中に実がなります。
葉の形は楕円形をしていますが、縁はギザギザしています。
葉の色は濃い緑をしています。
千両の草丈
千両の草丈は、約70~80センチです。大きなもので1mを超えるものもあります。
千両の実の付き方

葉より上(天)に実がなるのが千両です。
千両の実の色

赤い実が主流でしたが、近年では、黄色(オレンジ色)の実もたくさん出回っています。
千両の栽培方法
手入れは全くせずとも、毎年実がなってくれる強い子です。
千両が育つ姿

秋になるころから、緑色の実が付き始めます。

この赤い実と濃い緑の葉のコントラストが千両の特徴です。
千両を扱う注意
千両の赤い実は、鳥たちに大人気なので、庭で育てている方は、赤く色づいたら、網などをかけるなど対策が必要です。クリスマスまでは綺麗に赤い実が実っていたのに、クリスマスが終わりお正月のお花として飾ろうと思ったら、赤い実だけが全くない状態になっていたなんて年があります。鳥さんたちも美味しいものには目がないようです。気を付けましょう。
また、美しい赤い実ではありますが、転居の際には、火を連想されるため、使わない、送らないとされます。
千両のいけ方
長く使っても、短く使っても、主役にしても、脇役にしても、お正月に飾る千両は、何をしても良いとされます。ただし、切り花にしてしまうと、水が揚がり難く、実が取れやすくなりますので注意してください。
千両の水揚げ
家に飾るようでしたら、水切りをするだけでも大丈夫ですが、特別なところに飾るようでしたら、切り口を叩いて潰し、水で薄めたアルコール液に浸すと水揚げが良くなり長持ちします。
千両が綺麗なおすすめの場所
京都妙心寺東林院の千両が圧巻です。
いけばなでの千両
華道家元池坊では、「千両」は、花のない「実物」でありながら、生花一種活けいけが許されています。「実物」で生花一種活けが許されているのは、「千両」と「万年青」だけになります。
千両のおすすめの逸品
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