【季節の花図鑑「千両」】赤い実が鳥たちに大人気!実物のお花としては特別!赤い実が美しい千両のいけ方

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もっと知りたい「千両」について

千両20231031三島
2023年10月31日 

千両の特徴は、「実物」ではありますが、新春のお花としていけられます。

「実物」は花を添えていけるものとされていますが、千両は「実物」でありながら、その赤い実の美しさから、単体ですべての賀席にいけても差し支えないとされています。

千両の別名 

「クササンゴ」のように赤い実を付けることからそのようにも呼ばれます。

千両の漢字

「千両」の他にも、縁起の良い名前ということで「仙蓼」とも表記します。

千両の科属 

センリョウ科センリョウ属。 多年草。

千両の分類

千両は、お花の分類の中では、「実物」 として扱われます。いけばなの中では、「実物」は主役にはなれませんが、千両は美しい赤い実を賞して主役としても扱うことができます。

千両の歴史

いけばなの花伝書と言われる『池坊専応口伝』(室町時代)にも「専祝言に用べき事」として、「仙蓼果(千両の実)」が挙げられています。

千両の名前の由来

彩りのない冬に鮮やかな赤い実をつけるので、千両の価値があるということからこの名が付いたとされます。

万両とともに、景気のよい名前ですが、万両よりも赤い実が少ないことから、千両と言われています。ちなみに、万両とは、全く別の種類の植物です。

万両
2022年12月13日 万両

万両」は、葉の下に赤い実がなります。

千両の葉

2023031
2023年10月31日 三島

茎から出る葉は、左右前後それぞれ2枚ずつ計4枚出て、その真ん中に実がなります。

葉の形は楕円形をしていますが、縁はギザギザしています。

葉の色は濃い緑をしています。

千両の草丈  

千両の草丈は、約70~80センチです。大きなもので1mを超えるものもあります。

千両の実の付き方

20231031
2023年10月31日 三島

葉より上(天)に実がなるのが千両です。

千両の実の色

2023年11月2日

赤い実が主流でしたが、近年では、黄色(オレンジ色)の実もたくさん出回っています。

千両の栽培方法

手入れは全くせずとも、毎年実がなってくれる強い子です。

千両が育つ姿

青い千両20221029三島
2022年10月29日 

秋になるころから、緑色の実が付き始めます。

赤い実の千両20221213三島
2022年12月13日 

この赤い実と濃い緑の葉のコントラストが千両の特徴です。




千両を扱う注意

千両の赤い実は、鳥たちに大人気なので、庭で育てている方は、赤く色づいたら、網などをかけるなど対策が必要です。クリスマスまでは綺麗に赤い実が実っていたのに、クリスマスが終わりお正月のお花として飾ろうと思ったら、赤い実だけが全くない状態になっていたなんて年があります。鳥さんたちも美味しいものには目がないようです。気を付けましょう。

また、美しい赤い実ではありますが、転居の際には、火を連想されるため、使わない、送らないとされます。

千両のいけ方

長く使っても、短く使っても、主役にしても、脇役にしても、お正月に飾る千両は、何をしても良いとされます。ただし、切り花にしてしまうと、水が揚がり難く、実が取れやすくなりますので注意してください。

千両の水揚げ

家に飾るようでしたら、水切りをするだけでも大丈夫ですが、特別なところに飾るようでしたら、切り口を叩いて潰し、水で薄めたアルコール液に浸すと水揚げが良くなり長持ちします。

千両が綺麗なおすすめの場所

京都妙心寺東林院の千両が圧巻です。

いけばなでの千両

華道家元池坊では、「千両」は、花のない「実物」でありながら、生花一種活けいけが許されています。「実物」で生花一種活けが許されているのは、「千両」と「万年青」だけになります。

千両のおすすめの逸品

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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