春の暦が大渋滞!
3月下旬は、二十四節気「春分」、雑節「春の彼岸」、雑節「春の社日」の日にちが重なる時期です。それぞれの意味を知り、その暦を過ごしましょう。
2026年3月17日(火) 春の彼岸の入り
2026年3月18日(水) 彼岸
2026年3月19日(木) 彼岸
2026年3月20日(金・祝) 春分の日、彼岸の中日
2026年3月21日(土) 彼岸
2026年3月22日(日) 彼岸
2026年3月23日(月) 彼岸明け
2026年3月25日(水) 春の社日
二十四節気「春分」とは
春分とは、二十四節気のひとつ。
春を分けるという意味の春分。立春から立夏までの真ん中の節気となります。
この日、昼間と夜の時間がほぼ同じになります。
この日を境に昼の時間が長くなっていきます。陽が長くなっていき、陽も少しずつ強くなっていくので、少しづつ前向きになれる気がする時期です。
ヨーロッパなどでは、この頃からのことを春と呼びます。日本では、暦の上では、2月4日頃の立春からが春ですが、実際に暖かくなるこの頃からが、春本番となるのでしょう。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽年を太陽の黄経に従って24等分して、季節の指標となるのに用いる語になります。中国より伝わったもので、その等分点を名付けているのが、この二十四節気です。
暦の上での四季は、これで分けられています。
二十四節気は、月の満ち欠けに応じて日にちが変わるため、節気の第1日目の日にちがその年により前後します。
1つの節気は、約15日間です。
春分の七十二候
七十二候(しちじゅうにこう)とは
七十二候(しちじゅうにこう)とは、元々中国で考案されたものを、江戸時代に日本に合わせて作り変えられたものです。旧暦で1年を72に分けた5日間または6日間を1候とし、その時候の天気や動植物の生態の微妙な変化を示したものです。季節と上手に付き合いながら暮らす様が、それぞれの言葉に著されています。
地球温暖化により、多少のずれは感じられることもありますが、ほぼその時期にその事が起きる七十二候は、季節を気が付かせてくれる「季節のお知らせ」とでもいうのでしょうか。
初候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」3月20日~24日
雀が巣を構え始める頃という意味です。
雀は、毎年同じ所に巣を作りますが、同じ所とわかって来ているのでしょうか。それともたまたま、巣にするのに最適だから、毎年のように雀が集まってくるのでしょうか。
次候「桜始開(さくらはじめてひらく)」3月25日~29日

桜の花が咲き始める頃という意味です。
ここで言う桜は、染井吉野のことでしょうか。江戸時代にできた七十二候らしい表現ですね。
末候「雷乃発声(らいすわなちこえをはっす)」3月30日~4月4日
遠くで雷の音がし始める頃という意味です。
近年、冬場でも雷がなることがあり、不思議になります。気候が変わってきている証拠ですね。
雑節「春の彼岸」とは
お彼岸とは、お墓参りをして、ご先祖様や故人を供養する期間のことです。
お彼岸は、年に2回あり、春3月の「春の彼岸」と秋9月の「秋の彼岸」になります。
お彼岸は、この日の前後3日間ずつ計7日間のことをいい、お墓参りに行き、お墓をお掃除したり、御先祖様にご挨拶をする時期となります。
春のお彼岸は、春分の日(3月20日)を中日とし、3日前(3月17日)が「彼岸の入り」、3日後(3月23日)が「彼岸明け」となります。合わせて7日間のことを「彼岸」といいます。
春の彼岸の行事食 「ぼたもち」

お彼岸の行事食といえば、「ぼたもち」。
春の彼岸は、その頃に牡丹が咲くので「牡丹餅(ぼたもち)」といい、秋の彼岸は、その頃に萩の花が咲くので「御萩(おはぎ)」といいます。

おはぎやぼたもちをお彼岸に食べるのは、あんこの小豆の赤色が邪気を祓うとされ、先祖の供養になるとされているからです。
ただ、それだけではない「おはぎ」や「ぼたもち」などの違いや作り方などについて、詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓

春の彼岸に咲くお花 「彼岸桜」
春のお彼岸の時に咲く「彼岸桜」。
エドヒガンザクラとマメザクラの交配種です。コヒガン系になります。
大木にはならないタイプです。桜は幹が太いイメージですが、彼岸桜は枝々がとても細く、小枝がたくさんつきます。花は桜の中でも小花です。エドヒガンザクラから生まれた桜らしく、基本でシンプルな桜です。少しタメが効き、枝が柔らかいです。いける時は素直に優しいイメージでいけると良いでしょう。古木や太い枝は使いません。コヒガンザクラともいいます。お稽古花に最適の桜です。
雑節「春の社日(はるのしゃにち)」とは
雑節のひとつ「社日(しゃにち)」とは、生まれた土地の守護神である「産土神(うぶすながみ)」を祀る日となります。春の社日は、その年の豊作を土地の神に感謝します。
社日は、年に2回あり、春の社日を「春社(しゅんしゃ)」、秋の社日を「秋社(しゅうしゃ)」ともいいます。共に、春分の日と秋分の日に一番近い「戌(つちのえ)の日」が社日となります。
2026年の春の社日は、3月25日(水)となります。
春分、春彼岸、春社日の頃のしつらえ「床の間について」
「床の間って何?」と思われる方が大半だと思われます。
最近の家には、床の間などはなく、古い家にしかないようになりました。
床の間に、正しい定義はないと聞きますが、和室の奥に一間あり、そこに掛け軸が掛けてあったり、いけ花が飾られていたり、素敵なお宅なら、違い棚があったり、燭台や出しぶくさに香炉なども置かれていたりします。
この素敵な空間を季節により、しつらえていきます。
今でいう、インテリアを季節ごとに換えるような感じでしょうか。少しニュアンスが違うかもしれません。
うちでは、床の間の掛け軸を換える係が母となっており、季節により、掛け軸が変わっています。
春と床の間には関係はないのですが、少しの季節の変化を「床の間」でも感じることができたのが、しつらえの良いところだと思っております。
床の間が荷物置き場になっていませんか?これを機会に、床の間を床の間に戻してみるのも良いかもしれません。
春分、春彼岸、春社日の頃に旬を迎える食べ物「山菜」
山菜が出始める頃です。
山菜と言って思い浮かぶのは、うど、こごみ、せり、ぜんまい、たらの芽、野蒜、蕗の薹、わらびなどがあります。
それぞれふとしたところに見つけることができるのですが、どれもアク抜きなどの下処理をした方が良いものばかりです。そう簡単には食べさせてもらえそうにありません。美味しくいただくためには、知識も必要ということです。
山菜を食べるのは、春を味わうためだけではありません。くせのある山菜を食べると、苦いとかえぐいとか、身体が反応します。これが、身体には良いのです。山菜は、自然の薬です。天然の苦味や辛味で身体の中から清らかにし、体調を整えます。
山菜は、暖かくなるとどれも一気に顔を出すので食べきれずに、干して乾燥させたり、塩漬けにして保存しておきます。
昔は、食べ物を保存するというのは、いつ起こるかわからない、いざという時の保存食でした。こうした保存方法というのは、昔からの習慣で先人たちが生きていく上での生活の知恵だったのです。
「春の山菜の種類一覧」はこちらからご覧になってみてください。↓↓↓
それぞれのアク抜きや下処理の仕方などもあります。

春分、春彼岸、春社日の頃に食べたい和菓子「桜餅」「花見団子」
桜餅
ひなまつりの行事食と思われがちな桜餅ですが、実はひなまつりの行事食は「草餅」です。桜餅は、お彼岸にお墓参りに来ていた方たちへのおもてなしとして作られたお菓子となりますので、お彼岸に食べられるお菓子と言っても過言ではありません。
しかし、春に食べられるお菓子としては、最もポピュラーなお菓子になったことは間違いありません。
「桜餅」についてはこちら ↓↓↓

花見団子
花見団子は、ピンク、緑、白(茶色)の米粉団子を串に刺したものです。
三色の団子を串に刺すことから、別名「三色団子」とも言います。
ピンクはお花、緑は蓬を加えたもの、白(茶色)はこしあんをイメージしています。
春分、春彼岸、春社日の頃に咲くお花「桜」
日本人だけでなく、世界中の方々から愛されているお花「桜」。
桜と一言で言っても、日本古来の桜である「自生種」や交配されてできた「園芸種」などの分類や、咲き方の形態の分類など、品種が多すぎて、区別ができなくなります。
そこで、一つにまとめて区別ができるようにしました。
「桜の品種の分類」についてはこちら ↓↓↓

春分、春彼岸、春社日の頃のおすすめの逸品
楽しいといったら失礼なのか、でもご先祖様に喜んでもらえそうな、ぼたもちのキャンドルです。使わずに、ずっと飾っておきたい気分になりますね。こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

次の二十四節気「清明(せいめい)」
次の二十四節気は「清明(せいめい)」です。↓↓↓

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