【季節の手仕事「じゃがいも」②じゃがいもの品種】じゃがいももホクホク系とねっとり系?上手に使い分けて

 1年通してしたい手仕事




じゃがいもの2大品種

じゃがいもの種類には、対照的な2つの種類があります。この2大品種だけで作付面積は半分を超えると言われています。

メイクイーン(メークイン)

メークイン20250625高木さんち分
メイクイーン

◆系統

ねっとり系。

◆原産

イギリス。

◆産地

北海道、長崎など。

◆名前の由来

イギリスの品種で「MayQueen(メイクイーン)」と呼ばれます。春になると美味しくなることからこの名が付いたとされます。

◆形

長細い形で、表面にくぼみなどが少ないのが特徴。

◆外皮色

黄色

◆肉質

淡い黄色

◆花の色

紫をメインに白い斑入りの花。

◆特徴

粘質で煮崩れしにくく、ねっとりしている。

でんぷん含有量が多い。

◆おすすめメニュー

肉じゃがやカレー、シチューなどの煮込み料理や、フライドポテトなどにおすすめです。

男爵 だんしゃく 

◆系統

ホクホク系

◆原産

イギリスから北海道に渡った品種で、全国に最も普及している品種でもあります。

◆産地

北海道や静岡など

◆名前の由来

明治41年頃、函館港外の農場主である川田男爵が輸入したことが名前の由来。

◆形

球形に近い

◆外皮色

外皮色は淡い黄色

◆肉質

◆花の色

淡い赤紫。

◆でんぷん含有量

15%

◆特徴

粉質で煮崩れしやすくホクホクしています。

◆おすすめメニュー

コロッケ、ポテトサラダなどにおすすめです。

もっと知りたい「じゃがいも」の品種

地域に根付いた品種から新しい品種まで、あいうえお順に紹介しています。

アンデスレッド

◆系統

ホクホク系。

◆産地

岡山、九州など。

◆形

小さめの卵型

◆外皮色

濃い赤い色。

赤色なのは、抗酸化力のあるアントシアニン。

◆肉質

黄色で、一部淡い紅色のものもある。

◆花の色

赤紫。

◆でんぷん含有量

男爵薯並みで粉質。

◆特徴

ホクホクとした粉質。

国内で選抜育成された品種で、芽が出やすい。

◆おすすめメニュー

フライやポテトサラダ、コロッケポタージュなどにおすすめです。

インカのひとみ

◆系統

ホクホク系。

◆交配

北海道の「インカのめざめ」から作られた小粒の品種。

◆外皮色

淡い赤と黄色のまだら模様。

◆特徴

栗のようなホクホク感と甘みが特徴。

インカのめざめ

◆原産

日本。

◆産地

北海道

◆形

卵型。小型。

◆外皮色

黄褐色。

◆肉質

濃い黄色。

◆花の色

淡い紫。

◆でんぷん含有量

18%

◆特徴

日本で育成された品種で芽が出やすい。

粉質と粘質の中間で舌触りが滑らか。

◆おすすめメニュー

じゃがいも料理何でもおすすめ。製菓の材料にも使えます。

おうしょく 黄爵

→「とうや」をご覧ください。

キタアカリ

きたあかり20250612高木さんち
採れ立てのキタアカリ
キタアカリ20250625たかぎさんち分
キタアカリ

◆系統

ホクホク系。

◆別名

「栗じゃが」

「黄金男爵」

◆原産

北海道でできた品種。

◆産地

北海道

◆交配

男爵とツニカの交配品種。

◆形

扁球形。

◆外皮色

白黄色。

◆肉質

肉質は黄色が濃い。

◆花の色

赤紫。

◆でんぷん含有量

17%

◆特徴

甘みがありホクホクしている粉質系です。

カロテンやビタミンⅭの含有量が多い。

◆おすすめメニュー

煮崩れしやすいので、ジャガバター、マッシュポテトなど、そのままふかして食べるのが一番美味しく味わえます。

小芋

◆出荷開始時期

沖縄県や鹿児島県産のものは、2月頃から出始めます。

◆旬

最盛期は4月~5月。

◆サイズ

大きくならない品種。

◆特徴

水分が多い。外皮が柔らかい。

◆おすすめメニュー

外皮はたわしなどで擦ると簡単に除けるので、まるごと調理してもよい。

こうしゅういも 甲州いも

◆歴史

じゃがいもは、江戸時代初期に、ヨーロッパからオランダ商人の手でジャカルタを経由して長崎の出島に入りました。出島から中井清太夫(1732~1795)という甲斐国(現在の山梨県)の代官を務めた幕府の役人が、飢饉になった時に長崎で見たじゃがいもを思い出して、甲斐で作ったらそれが大成功したと言われています。そのことをきっかけに、江戸時代から明治時代にじゃがいものことを「甲州いも」と呼ぶようになりました。隣国信濃国(現在の長野県)の「下栗いも」や祖谷渓(現在の徳島県三好市)の「ごうしゅういも」などに広まり、近年の信州大学の調査の結果、「甲州いも」は「下栗いも」と同じDNAグループに属することがわかったそうです。

ごうしゅういも

◆別名

地元では「ごうしも」「おくいも」「ほどいも」などとも呼ばれています。

◆原産

徳島県三好市の祖谷渓で古くから栽培されてきた在来の品種です。

◆外皮色

皮の色によって「赤いも」と「白いも」に分かれ、それぞれを「平家」「源氏」に見立てて「源平いも」というブランド名で販売しています。

◆特徴

標高の高い急傾斜地で育てられ、小振りで煮崩れしにくく、味が濃いのが特徴です。

コナフブキ

◆産地

北海道。

◆形

扁球形。

◆外皮色

淡い黄褐色

◆肉質

白。

◆花の色

極淡い赤紫。

◆でんぷん含有量

22.7%と多い。粉質。

◆特徴

高でんぷん含有のでんぷん用品種として作られた食品加工用品種。主に焼酎などに用いられます。

シェリー

◆形

メークインのような長細い楕円形をしています。

◆外皮色

赤みのある外皮が特徴。

◆おすすめメニュー

煮崩れしにくい粘質なので、煮物やシチューなどの煮込み料理におすすめです。外皮が薄いので、皮ごと食べるのもおすすめ。

しもぐりいも 下栗いも

◆系統

ホクホク系。

◆産地

長野県飯田市の標高1100mの急斜面で作られているじゃがいも。昼夜の寒暖差が甘みをもたらします。南向きの斜面を使い、日当たりが抜群に良いところで育てています。

現在生産者は、20軒ほどしかいない。

◆出荷開始時期

飯田氏近辺の直売所では、9月から11月に販売されます。

◆サイズ

ピンポン玉くらいの小振りのじゃがいも。

◆おすすめメニュー

地元の方は、味噌、えごま、砂糖を混ぜた「えごま味噌」をかけた「田楽いも」にして食べています。

ジャガキッズパープル

◆流通

麒麟麦酒株式会社が開発した品種。

◆形

扁卵形。

◆外皮色

紅色。

◆肉質

黄色。粉質。

◆花の色

赤紫。

◆特徴

アンデス赤に似ている。紅色は、アントシアニン。芽が出やすい。

ジャガキッズレッド

◆流通

麒麟麦酒株式会社が開発した品種。

◆形

球形。

◆外皮色

青紫色。皮の色はアントシアニン。

◆肉質

黄色。

◆食感

粉質で舌触りは滑らか。

◆花の色

青みを帯びた紫。

◆おすすめメニュー

色を活かしてサラダなどに使うのがおすすめ。

シンシア

◆系統

フランス系の品種。

◆形

長卵形。

◆外皮色

皮の色は薄い。

◆特徴

肉質は淡い黄色でやや粘質。

◆おすすめメニュー

煮込みや生でスライスしてサラダなどにも使われます。




デジマ

◆系統

ホクホク系とねっとり系の中間。

◆産地

長崎、鹿児島など。

◆名前の由来

じゃがいもが長崎県の出島から広がったことからこの名が付いたとされます。

◆形

扁円形。

◆外皮色

淡い黄色。皮が薄いのが特徴。

黄白もしくは淡い黄色。

◆花の色

白。

◆でんぷん含有量

春は11%、秋は13%。秋作のほうが、粉質。

◆特徴

昔ながらの品種。

長崎で育成された暖地向け二期作用品種。

栽培が難しいため、あまり世には出ていない品種。

◆おすすめメニュー

焼きじゃがいもが美味しい。煮物や揚げ物まで用途は広い。

とうや

◆別名

肉質が黄色いことから「黄爵」とも呼ばれます。

◆産地

北海道

◆名前の由来

北海道の洞爺湖に由来します。

◆サイズ 

大きい

◆形

丸型、球形。

◆外皮色

褐色がかった黄色。

◆肉質

黄色

◆花の色

◆でんぷん含有量

15.6%。やや粘質

◆特徴

線虫に抵抗性があり、大粒で早出しを目標に育成された品種。

芽が浅いので、皮がむきやすい。

ビタミンCの含有量が多い。

◆おすすめメニュー

煮物などにおすすめ。揚げ物には向かない。

十勝こがね

◆産地

北海道。

◆形

楕円形。

◆肉質

淡い黄色。

◆花の色

白。

◆でんぷん含有量

15.7%でやや粉質。

◆特徴

線虫抵抗性の品種。芽が浅く皮がむきやすい。

トヨシロ

◆産地

北海道、関東など

◆名前の由来

収穫量が豊富で、肉質が白いことからこの名が付きました。

◆形

扁円形。

◆外皮色

淡い黄白色。

◆肉質

白。

◆花の色

白。

◆でんぷん含有量

16.3%でやや粉質。

◆特徴

油加工しても変色しにくいことから、ポテトチップス用主力品種。

農林1号

◆産地

北海道、鹿児島など。

◆名前の由来

馬鈴薯として登録された第1号であることからこの名がつきました。

◆形

扁楕円形。

◆外皮色

黄白色。

◆肉質

白。

◆花の色

白。

◆でんぷん含有量

16.6%。やや粉質。

◆おすすめメニュー

粉ふき芋などにおすすめ。

はるか

◆外皮色

外皮の一部、芽が出るくぼみ部分だけが赤いのが特徴。

◆おすすめメニュー

やや粘質で、煮崩れしにくく、ホクホク感もある。サラダやコロッケなどにおすすめです。

ベニアカリ

◆産地

北海道

◆形

楕円形。

◆外皮色

淡い赤色

◆肉質

白。

◆花の色

赤紫。

◆でんぷん含有量

20%で粉質。

◆おすすめメニュー

煮崩れしやすいので、マッシュポテト、コロッケなどにおすすめ。

ベニマル 紅丸

◆産地

北海道

◆形

卵型。

◆外皮色

淡い紅色

◆肉質

白。

◆花の色

◆でんぷん含有量

14.8% でんぷんが多く、でんぷん原料用に栽培されている品種。

◆特徴

冬を越すと甘くなるのが特徴。

収穫量も多い。

ホッカイコガネ

◆産地

北海道、鹿児島など

◆形

長い楕円形。

◆外皮色

淡い褐色。

◆花の色

淡い赤紫。

◆でんぷん含有量

16%

◆特徴

やや粘質。

◆おすすめメニュー

煮崩れしないのと、油加工で変色しにくいことから、フレンチフライがおすすめ。

マチルダ

◆原産

スエーデン原産。

◆産地

北海道。

◆形

卵型。

◆外皮色

黄色。

◆肉質

黄白色。

◆花の色

白。

◆でんぷん含有量

15.2%

◆特徴

小粒で丸ごと加工に適した品種。低温の年は粉質に、高温の年は粘質になる傾向がみられます。

◆おすすめメニュー

蒸す、ロースト、煮物などにおすすめ。

ムサマル

◆産地

北海道など。

◆形

卵形。

◆外皮色

黄褐色。

◆肉質

淡い黄色。

◆花の色

淡い赤紫。

◆でんぷん含有量

18%でやや粉質。

◆特徴

線虫抵抗性品種。

油加工による変色が少ない。

◆おすすめメニュー

フレンチフライなどにおすすめ。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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