日本で最も多く栽培されている日本を代表する柑橘「温州みかん(うんしゅうみかん)」は、なぜ人気があるのでしょう。その魅力に迫ります。
温州蜜柑(うんしゅうみかん)とは

「温州みかん」とは、一般的に言われている「みかん」のことです。以下、「みかん」と表記させていただきます。
皮もむきやすく、種もなく食べやすいので、どこでも食べることができることから、人気があります。
みかんの別名
「小みかん」
みかんの原産
鹿児島原産。
みかんの産地
暖かい気候の地域で、和歌山県、愛媛県、静岡県、熊本県、長崎県などでの生産量が多くなります。
静岡県では、お庭のあるご家庭には、ほとんどと言っていいくらい柑橘類の木があります。中でも、そのまま食べることができるみかんを育てているご家庭が多いです。うちの近所は、ほぼすべてのご家庭でみかんを栽培しています。家で栽培するみかんはとても味が濃厚です。
みかんの分類
柑橘類における温州みかんの分類は、日本在来種や日本で発生した品種です。
みかんの科属
ミカン科。常緑低木。
みかんの交配
「九年母」と江戸時代の生産品種だった「紀州みかん」の交雑。
みかんの出回り時期
ハウスもの
6~8月
露地もの
極早生タイプ 9月~
早生タイプ 10月~
中生タイプ 12月~
晩生タイプ 1月~3月
みかんの樹高
約2~3メートル。
みかんのサイズ
約5~8センチ。
みかんの葉

みかんの葉は、細長い楕円系です。

みかんは、常緑樹のため、冬場も葉は落ちません。枯れた葉だけが黄色くなり落ちます。
みかんの花

4月下旬~5月上旬に白い花を咲かせます。ほんのり甘い香りがします。
『みかんの花が咲いている~思い出の道~丘の道~はるかに見える青い海~お船が遠く霞んでる~』という歌をご存じでしょうか。『みかんの花咲く丘』です。静岡県伊東市が舞台になった歌です。伊東市宇佐美地区は、高台にこの歌の石碑があり、そこから下には、みかんの段々畑が続き、青い海へと出ます。とても素敵なところです。
みかんのトゲ

みかんのトゲ。写真のトゲで約3㎝。写真を見てわかるかと思いますが、かなりのトゲ長さと量です。力強く育っています。うちのみかんはもう老木のためか、トゲはありません。
みかんの特徴
収穫時期の早い順に、極早生、早生、中生、晩生の品種があり、極早生は酸味が強く、酸味がだんだんやわらいでいきます。時期や品種により、味が変わってくる変化を楽しめることが、温州みかんが人気がある要因でもあると思います。
みかんの1年
みかんを育てると、1年間楽しむことができます。周り近所、親戚、みんなみかんを育てていて、毎年、うちのは甘いの酸っぱいの、たくさん採れたの採れないの、交換しあって食べます。
3月のみかんの木

親戚の家のみかんは、まだ1メートルほどの若木です。
4月のみかんの木

新しい葉が出始めました。

2023年は、暖かかったせいか、既に花が咲いています。

大量の蕾。
5月のみかんの木


6月のみかんの木

実がなってきました。
7月のみかんの木

実の大きさが5センチくらいになりました。少しずつ大きくなってきています。
10月のみかんの木



陽の当たり具合で、色付に差がありますが、随分色づいてきました。
大きさは大小さまざまではありますが、8センチくらいのものがほとんどです。
まもなく収穫です。
11月のみかんの木

もう収穫の時期です。
11月は、小さいサイズのものは、とても甘いです。
12月のみかんの木

12月は、食べる分だけ収穫していきます。
鳥さんに美味しそうなものから食べられてしまうため、毎年、年内には完全に収穫してしまい、冷所に保管しておきます。鳥さんたちは、とても賢いです。
みかんの収穫と保存方法
みかんの収穫方法
オレンジ色に色付いたものから収穫していきます。ハサミで簡単に切ることができます。
うちは、年内は、食べる分だけその都度収穫するようにしています。最終的には、年末くらいにはすべて収穫してしまい冷所保存して貯蔵しておきます。貯蔵することで、果肉が熟成し、まろやかな味に変わっていきます。
みかんの保存方法
平らなザルがあれば、それにキッチンペーパーを敷き、ミカンの枝から切った方を下にして、なるべく重ねないようにして、冷所に保存します。
長期保存したい場合は、ダンボールなどでもよいでしょう。キッチンペーパーを敷き、切った方を下にして入れます。上に新聞紙をかぶせると更に良いです。
熟成みかんについて
みかんを収穫してから2~3ヶ月熟成(貯蔵・保存)してから出荷する「熟成みかん」という方法をされている農家さんがあります。収穫直後は皮も実も硬く酸っぱさがあるのですが、蒸籠(せいろ)と呼ばれる専用の木箱に入れて熟成することで、酸味も抜け、中の実の水分が飛んでギュッとしまり、皮もむきやすくなり、甘いみかんとなります。すべてのみかんの種類が熟成されておいしくなるわけではなく、酸が強い品種だからこそ、長期間貯蔵することができるということもあります。
みかんの 賞味期限
特にありません。冷所に保存しておけば、すぐに悪くなることはあまりありません。
買ってきたものに関しては、長く置いておくと質が悪くなりますので、早めに食べましょう。
みかんの品種とブランド名
みかんは、作られている品種名と販売されている名前(ブランド名)があります。
「みかんの品種」と「みかんのブランド名」についてはこちら ↓↓↓

みかんを使った簡単レシピ
みかんジャム
みかんの濃い味がそのままの「みかんジャム」。普通にそのまま食べるみかんとは一味違ったみかんの魅力が広がります。
《 材料 》
みかん 1㎏(外皮がついたそのままの重さ)
グラニュー糖 300ℊ
水 適量
《 作り方 》
①みかんを綺麗に洗います。意外と汚れています。
②みかんの外皮を全部むきます。
③みかんの外皮の内側の白いわたをスプーンでそぎ落とします。
➃みかんの外皮を、幅2センチくらいの細切りにして、ジャムを作る鍋に入れていきます。幅は大きくても小さくても大丈夫です。

⑤実の薄皮を取っていきます。果汁がこぼれると勿体ないので、薄皮をむいた実と果汁ごとボールに入れていきます。その際に種がでてきたら、別のボールなどに入れておきましょう。種は使います。薄皮は必要ありませんので捨ててください。
⑥鍋に入れた外皮を、皮が被るくらいのお水を入れて、火にかけます。沸騰してから3分茹でたら、お湯を流し、ザルに入れます。この茹でこぼしを3回繰り返します。

⑦その間に、種ををお茶パックに入れておきます。種にはとろみ成分があるので、ジャムを作るのには重要な役割を果たします。ひと手間かかりますが、種を入れるようにしましょう。
⑧茹でこぼしが3回終わったら、鍋に外皮と果汁、実を入れ、お水を調節して入れます。お水は、外皮、実がかぶるギリギリぐらいまで入れてください。水の多過ぎはよくないので注意してください。
⑨水を入れたら、種の入ったお茶パックを鍋の真ん中に入れましょう。
⑩アクを取りながら、弱火で8分煮たら、種の入ったお茶パックを取り出します。取り出したら、グラニュー糖を入れて、中火にして水分が減り照りが出てきたら完成です。時間にして20分くらいです。水分が減ると焦げやすくなりますので注意してください。水分は残っていても大丈夫です。冷めるととろみがつきジャムらしくなります。

⑪熱いうちに、煮沸消毒した瓶に入れて逆さにして冷ましてください。
すぐに食べられそうな量でしたら、タッパーに入れて冷蔵保存でも大丈夫です。
逆に食べられそうにない分は、ラップなどで小分けして保存袋に入れ、冷凍保存も可能です。その際の解凍は、自然解凍で大丈夫です。
これで、長い期間みかんが楽しめます。

みかんジャムのその他の応用
作ったみかんジャムはパンにつけて食べるだけではなく、パウンドケーキやゼリー、ういろうなどに入れる応用ができます。

みかんのういろう

「みかんの外郎(ういろう)」は、みかんジャムを入れるだけのとても簡単なものです。突然のお客様でも対応できる優れた和菓子です。普段、家にある粉で簡単に短時間で作ることができます。
《 材料 》
みかんジャム 100g
砂糖 80g
★薄力粉 70g
★片栗粉 30g (★あれば上用粉、上新粉、米粉100g)
水 約300ml(みかんジャムの汁を加えて300mlになるようにします)
《 作り方 》
①みかんジャムの汁と水を合わせて300㎖になるように用意しておきます。ジャムの汁がなければ、お水だけでも大丈夫です。
②ボウルに砂糖を入れ、薄力粉と片栗粉を振るいにかけながら加えます。
③ダマにならないように、みかんジャムの汁と水を合わせたもの(汁がなければ水のみ)を、何回かに分けてゆっくり加え、さらさらになるまで混ぜます。
➃耐熱用のタッパーか深めのお皿(20×25センチくらいのもの)にラップを敷いておきます。
⑤ラップをした器の中に、みかんジャムを均等に広げておきます。
⑥③を濾しながら、器に流し入れます。
⑦器には蓋やラップはせず、レンジ500Wに5分入れます。水分がなくなっていれば、完成です。水っぽいようでしたら、あと1分レンジに入れます。
⑧ラップごと取り出します。冷めたら、好みの大きさに切り分けてください。その際、包丁を濡らして切ると綺麗に切れます。
みかんの香りがとてもよく、とても上品なお味になります。即席のういろうのため、当日中に食べきりましょう。冷蔵庫に入れると固くなりますのでご注意ください。
みかんのおすすめの逸品
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