【季節の手仕事「たいやき」】世界に誇る日本の和菓子「たいやき」の奥深さを知って、もっと好きになろう!

 1年を通して食べられる和菓子

口の先から尾の先までぎっちり入った餡が魅力の、みんな大好きな「たいやき」。

そんなみんなが食べると嬉しくなる「たいやき」の魅力を紹介します。




もっと知りたい「たいやき」の魅力

たいやきの表記

「たいやき」の表記は、お店によって様々です。

「たいやき」「たい焼き」「鯛焼き」「鯛焼」「鯛やき」などいろいろです。

この記事内では、店舗さんの表記以外は、ひらがなで「たいやき」とさせていただきます。

たいやきの数え方

たいやきの数え方は、「~尾(び)」です。

「~匹」でも「~個」でも「~つ」でも、たいやきを買う時は国語の問題ではないので、間違いではないのですが、もし国語の回答でしたら、「~尾」が正解です。

たいやきの分類

たいやきは、和菓子の分類では、生菓子(水分が30%以上のもの)になります。

製造の分類は、焼きものになり、なかでもオーブン物に分類されます。

たいやきの名前の由来

おめでたい時にしか食べられない鯛を、お菓子にしたらきっと喜ばれるはずだと作られたのが「たいやき」です。

たいやきといったら「生地」

たいやきといったら「生地」が重要です。下記の通り、お店さんこだわりの生地がそれぞれあります。

厚みのある生地

ふんわりと厚みのあるパンケーキのような生地のたいやきです。生地が好きという方には、食べ応えのあるタイプでしょう。

薄めの生地

餡が透き通って見えるほどの薄い生地のたいやきです。餡が好きな方にはたまらないのと、パリパリ感が好きな方にはおすすめの生地です。

もちもち生地

生地がもちもちのたいやきです。日本人には、もちもちの生地を好む方が多いようです。次の白いたいやきと共通する部分があります。

白いたい焼き

一時期とても流行った、白いたい焼きです。タピオカ粉を使った生地で、もちもちとした食感が人気でした。ブームが去ってしまい少なくはなりましたが、好きな人が多いのは確かです。

デニッシュ生地

こちらも一時期とても流行った、パリパリサクサクのデニッシュ生地のたいやきです。外側がシュガーコーティングされていたり、とてもカロリーがお高めな印象でしたが、上品なお味が人気でした。最近では、コンビニスイーツとしても販売されています。

パイ生地

デニッシュ生地が流行った際に同時にでてきたのが、パイ生地です。全く違和感なくたいやきになってしまっていることが、嬉しい逸品でした。

たいやきといったら「餡」

たい焼きといったら「餡」という方もいらっしゃるかと思います。

たい焼きの餡は、通常はつぶ餡です。

しかし、現在ではつぶ餡だけとは限りません。たい焼きの餡の種類は無限です。

「あんこ②餡の種類」にて、餡の種類をご紹介しています。↓↓↓

【季節の手仕事「あんこ」②あんこの種類】種類は無限!あんこの具合やバリエーション豊かなあんこの世界!
基本のあんのつぶあん、つぶしあん、こしあん、白あん、白こしあん、ネキあん、アレンジされた杏あん、芋あん、黄味餡、栗あん、ごまあん、桜あん、べにあん、みそあん、ゆずあん、他にも、うぐいすあん、ずんだあん、大島あん、薯蕷餡、練切餡などの紹介

また、たい焼きの餡は、どら焼きなどの餡に比べると、少しだけゆるめ(柔らかい)のところがあるように思えます。

たいやきといったら「天然」か「養殖」か

たいやきといったら、焼き方にもこだわりがあります。

よく「天然」とか「養殖」とか言われます。

「天然」とは、一丁焼きのことで、ハサミのような形の先にたいの形の型が付いた道具で、1尾ずつ焼いていくたいやきのことです。お店さんとしては、効率が悪いのと、職人さんの技も必要ということで、「天然」で焼かれているところは少なくなりました。しかし、大人気の「東京三大たい焼き」の3店舗は、いまだに「天然」の一丁焼きをしています。職人の技は見事です。

「養殖」とは、何尾かを一緒に焼ける型を使って焼くことをいいます。一度にたくさん焼けるので、効率の良い方法ではありますし、焼き加減も一丁焼きよりは難しくないのが利点です。

東京三大たい焼き

たいやきといったら外せないのが、「東京三大たい焼き」です。

3店舗共に、いつ行っても並んでいる印象です。

東京の高いビルの合間にあるお店に並んでいると思うのは、買っていかれるのは、大人も子供も、おじいちゃんもおばあちゃんも、女性も男性も関係なく、また、ただ甘いものが食べたいという理由だけでなく、会社のみんなに、家族のみんなにと大量に買っていかれる方が多いこと。その微笑ましさがなんとも好きで、いくらでも待ててしまうのが、この「東京三大たい焼き」の良さだと思います。

浪花家総本店

表記「たいやき」

明治42年(1909年)創業。たいやきは、この店が起源とされます。

「およげたいやきくん」の店主のモデルになったのがここの先代神戸清次郎さんです。

店内で食べることもできます。

列に並ぶのは当たり前です。予約をするのがおすすめです。

「たいやき」は、あんこは頭の先から尾っぽまでたっぷり入っています。皮は薄皮。一尾ずつ焼く天然の一丁焼きタイプ。

東京都港区麻布十番。

柳屋「鯛焼」

表記「鯛焼」

大正5年(1916年)創業。

並ぶのは当たり前です。

「鯛焼」は、あんこの量は普通ですが、隅々まで入っています。皮は薄くてパリパリします。一尾ずつ焼く天然の一丁焼きタイプ。

東京都中央区日本橋人形町。

わかば「たいやき」

わかば20090603
わかばのたいやき

表記「たいやき」

1958年創業。

店内で焼き立てを食べることもできます。フリーのお茶もあります。あんこだけの販売もあります。

並ぶのは当たり前です。午前中が待ち時間少なく買えることがあります。

「たいやき」は、あんこはたっぷり入っています。あんこの甘さも甘すぎません。皮は薄くも厚くもなくちょうどよい感じです。一尾ずつ焼く天然の一丁焼きタイプ。

東京都新宿区若葉。




静岡県内のおすすめのたいやき屋さん

菓亭 わかつき

わかつき20231222
2023年12月22日

表記は「たいやき」

昭和3年創業。

どら焼き、きんつば、たい焼き、団子など「あんこ」が美味しい和菓子屋さんです。

いつも並んでいます。

「たいやき」は、餡がゆるめで垂れてきそうなくらいです。餡の甘さはしっかりめ。甘さ控えめなところが多い中、しっかりと甘く、餡の色が照かっています。皮はしっかり系でパリパリです。養殖で作られているため、羽がしっかりついています。養殖で作られているとはいえ、作り置きはせずに、出来立てをいただけますので、いつも並んでいる感じです。

たいやきの販売は、秋、冬、春のみで、6月~10月の暑い間はお休みです。詳しい日にちは毎年違いますのでご確認ください。

静岡県富士市本市場。

恵比寿屋 

2023年10月14日

表記は「たい焼き」

「たい焼き」は、餡は甘くなく、たっぷり入っています。皮は薄皮ではなくしっかり皮で、羽根まで付いています。餡は、小豆の「赤あん」の他、「白あん」もあります。

重さ124g。皮はもちもちタイプ。餡は食べていて垂れてきそうになるくらいのゆるさ。お値段は1つ160円。

静岡県富士市川成新町。

たい焼きの他にも、お好み焼き、たこ焼き、焼きそばなどもあります。

たいやきの歴史

たいやきは、意外にも歴史は浅いです。

日露戦争が終結した後の1909年(明治時代42年)頃

東京で今川焼きを作り販売していた神戸清次郎さんが、戦争が終わった貧しい生活の中、ひとときでも幸せになれるものが作れないかと思いついたのが、おめでたい時にしか食べられない鯛。鯛のお菓子はきっと喜ばれるはずだと作った「たいやき」は、大人気となりました。

今では「東京三大たい焼き」のひとつとなった「浪花家総本店」の誕生です。

太平洋戦争が終結した1945年(昭和20年)~1950年代頃

太平洋戦争で焼け野原となった東京。神戸清次郎さんも戦死されました。そこで甥の神戸守一さんが、闇市でたいやきを売り続けました。

1942年から1950年代頃まで続いた食料統制(正確には食糧管理法は1995年まで続く)により、砂糖も小豆も手に入らず、さつまいもに赤い食紅で赤く色付け餡に見立て、たいやきを焼き続けました。

1975年(昭和50年)

ガチャピンとムックが出てくるフジテレビの朝の子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」の中で、「およげ!たいやきくん」が発売され、大ヒットとなります。胸がキュンとなる歌詞に、子供たちがみんな夢中になり、「たいやき」も大人気となりました。

2007年(平成19年)~2009年(平成21年)頃

「白いたい焼き」がブームとなりました。生地にタピオカ粉を使い、モチモチとした食感と見た目の白さが人気となり、一大ブームとなりました。

たい焼きのおすすめの逸品

たいやきを自分で作ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。

そこで、自宅で作ることができる「たいやき器」を、こちらからお取り寄せができます。↓↓↓

2尾作り用なので、1尾用よりは安定して作ることができそうですね。

明日はどんな手仕事する?

現在、たい焼きは、日本だけでなく、海外にでも人気になっています。

世界の文化の最先端を行くニューヨークでは、鯛の口にソフトクリームがのったたい焼きが人気になっています。嬉しいですね。

奥の深い日本の和菓子が、もっと世界に広がることを願って。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

明日が素敵な1日になりますように。

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20代30代で海外30か国、国内39都道府県を旅した経験から、「日本人の季節を取り入れた素朴な生き方・暮らし方」が好きになりました。日本の伝統文化のいけばなを30年以上嗜み、地元の食べ物、旬の食べ物、保存食、和菓子、しつらえ、手仕事など、季節や暦を大切に感じながら日々暮らしています。自分でも忘れてはいけないことやレシピなどをここに記録し、自分でも見て確認しながら日々アップデートしています。皆様の参考になれば幸いです。ちなみに、私は料理研究家でも料理人でもありません。お花の先生をしています。自然と共に、日々の変化を自分の手で愉しんでおります。

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