うどの使い方のコツ
独活(うど)は、年明けすぐに出始める栽培された「軟白うど」と、春の山菜である天然の「山うど」があります。
「軟白うど」は、陽に当たっていないため、マイルドな味わいで、柔らかく、えぐみもなく、アク抜きせずに簡単に食べることができます。
逆に「山うど」は、芽が出たところから陽を浴びて元気よく育っていますので、春の山菜らしくアクや苦味もたっぷりです。しっかりとアク抜きや下処理が必要です。
同じ「独活(うど)」ではありますが、見た目も味も使い方も全く違うものになります。違いを知って、それぞれを楽しんでみてください。
もっと知りたい「独活(うど)」について
うどの漢字「独活」
漢字では「独活」と表記します。これは、真夏になると2メートル以上の大きな葉が、風が吹かなくても動いて見えることから、「ひとり(独)でも動く(活)」ということから、「独活」と表記します。
うどの原産
うどは、数少ない日本原産の野菜です。
うどの科属
ウコギ科タラノキ属。多年草。
うどの種類
種類は、「軟白うど」、「軟白うどを出荷前に陽に当て葉先だけ緑になった山うど」、「天然の山うど」があります。
違いは、陽に当てないで育てたものと陽に当たって育ったものや栽培されているものか自然に自生するものかなどですが、見た目も味も産地も全然違います。それぞれについては下記に記します。
もっと知りたい「軟白うど」について

軟白うどの特徴
「軟白うど」のことを、通常「うど」と呼びます。
「軟白うど」と呼ばれるように、そのままだと白いものです。陽に当たらずに育つため、白くなります。
しゃきっとした歯応えや、独特の香りがあり、味もマイルドで、アク抜きも必要ないこともあり、食べやすいのが特徴です。
スーパーなどで販売されているものは、軟白うどを出荷前に太陽に当てて、芽が緑色になり、香りが強くなったものを「山うど」として販売しています。
軟白うどの産地
「軟白うど」の食用としての栽培がはじまったのが、東京の武蔵野であるため、東京の特産の野菜として有名になっています。宮城県蔵王町、栃木県那須高原、埼玉県日高市、大阪府茨木市(三島独活)などでも栽培されています。
軟白うどの栽培方法
東京では、畑で栽培した根かぶを秋に地下の室に移し、冬でも温度が17度はある暗闇の中で発芽させます。
宮城県の蔵王町では、ハウス内に高く積んだもみ殻の中で栽培をしています。
大阪茨木市では、藁でできた小屋の中で、藁や干し草の発酵した熱を利用して栽培をしています。
軟白うどの大きさ
茎の直径約5センチ、長さ約50~70センチのものが収穫されます。
軟白うどの旬
「軟白うど」が出回るのは、1月から5月上旬です。
軟白うどの選び方
「軟白うど」は、うぶ毛がたくさんついているものが新鮮です。
軟白うどの保存方法
冷蔵庫に入れると変色しやすくなるため、新聞紙に包んで冷暗所に保存するとよいでしょう。
ただ、早めに使いきるのがおすすめです。
軟白うどの食べ方
「軟白うど」は、葉先、茎の皮、茎の中身、全部食べることができます。
軟白うどのアク抜き
市場に出回っているものは、既にアク抜きされていたり、アクがないものも多く、「アク抜き不要」などと書いてあるものもあります。
大阪茨木市の三島独活は、アクが少ないため、生でも食べることができます。
軟白うどのアク抜きの仕方は、切り口が空気にふれると変色するので、皮をむいて、食べやすい大きさに切った後、酢水か薄い食塩水、またはミョウバンを加えた水で充分にさらします。
軟白うどの葉先

葉先は、皮を薄くむいて天ぷらにします。
軟白うどの茎の皮

茎は、皮を桂むきにし、千切りにしてきんぴらにします。

軟白うどの茎の中身
爽やかな味で、噛むと甘さが伝わってきます。梨やりんごに近い味と言われています。
生のままで、味噌和え、味噌マヨネーズ和え、辛子酢味噌、酢の物、甘酢漬け、マリネ、刺身のつまなど、火を通すものは、炒め物、汁物、煮物、煮びたし、混ぜご飯などにもできます。
変わったところでは、うどといちごの胡麻和えもおすすめです。
軟白うどの茎の中身のメニューとレシピ
軟白うどの混ぜご飯
《 材料 2人分 》
うどの茎の中身 200ℊ(約1本)
にんじん 少々
しいたけ 1個
油揚げ 1/2枚
水菜 少々
ご飯 2人分
油 適量
砂糖 少々
ほんだし 少々
《 作り方 》
①うど、にんじん、しいたけ、油あげを細切りに切ります。
②フライパンに油をいれ、①を炒め、砂糖とほんだしで濃いめに味付けをします。
③水菜を長さ2センチほどに切り、②とご飯、水菜を合わせて出来上がりです。
軟白うどの醤油マリネ
《 材料 4人分 》
うどの茎の中身 200ℊ(約1本)
きゅうり 1本
にんじん 小1本
カリフラワー 1/2個
赤唐辛子 1本
醤油 1/2カップ
酢 1/2カップ
オリーブオイル 大さじ3
《 作り方 》
①うどは、長さ4センチに切り、細切りにして、水に30分ほど浸しておきます。水から上げたら、水気を切ります。
②きゅうりとにんじんも長さ4センチに切り、千切りにしておきます。
③カリフラワーは、食べやすい大きさに切り分け、さっと茹でます。
➃赤唐辛子は小口切りにし、醤油、酢、オリーブオイルと混ぜておきます。
⑤すべてを混ぜ合わせて出来上がりです。
軟白うどとさきいかのマリネ
《 材料 4人分 》
うどの茎の中身 200ℊ(約1本)
さきいか 50ℊ
にんじん 1/3本
酢 大さじ2
オリーブオイル 大さじ2
粒マスタード 小さじ1
塩こしょう 少々
《 作り方 》
①うどは、長さ3センチの短冊切りにして、水に30分ほど浸しておきます。水から上げたら、水気を切っておきます。
②にんじんは、長さ3センチほどの千切りにしておきます。
③酢、オリーブオイル、粒マスタードを混ぜておき、うど、さきいか、にんじんを加え、混ぜます。
➃塩こしょうして完成です。
もっと知りたい「山うど」について


山うどの特徴
「山うど」は、天然の山菜です。
「軟白うど」を出荷前に太陽に当てて、芽が緑色になり、香りが強くなったものを「山うど」として出荷しているものもありますが、こちらは、芽が出るところから陽に当てた天然の「山うど」になります。
香りや風味、苦みやアクが「軟白うど」よりも強く、ほろ苦いのが特徴です。
山うどの自生地
「山うど」は、北海道から九州まで全国の山地に自生します。水気のある崖や斜面に生息していることが多くなります。
山うどの旬
4月から5月頃に出てきます。
山うどの草丈
春に食べる写真のような若芽は、30センチにも満たないものですが、夏になると1ヶ月程で80センチくらい育ちます。成長すると茎の長さが2メートルになるものもあります。
山うどのことわざ
「山うど」は、夏には大きくなりますが、木ではなく草の分類です。
芯がぬけて木材はもちろん、薪にもならないことから、身体ばかりが大きくて役に立たない人のことを「独活の大木」と言います。
山うどのアク抜き
山うどのアク抜きは、一度茹でて、水に晒し、絞ってから調理するのがおすすめです。炒め物や煮物など、火を通すから大丈夫だという方もいますが、念のため、茹でて水に晒すと安心です。
山うどの食べ方
山うどの葉先は、若い葉は天ぷらに、大きくなってしまった葉は山うど味噌、和え物がおすすめです。
山うどの茎は、炒め物やみそ汁、煮物などがおすすめです。
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明日はどんな手仕事する?
「うど」についてはいかがでしたでしょうか。
「軟白うど」も「山うど」も一緒になってしまっている方は多いと思います。味も食感も違いますので、ぜひ両方を食べてみて、春を感じていただきたいと思います。
それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
明日が、素敵な1日になりますように。
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